テラーノベル
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むかし、むかし、サンタという大男と、そのサンタに仕えるトナカイがおった。このトナカイはむかし、山奥で群れで過ごしていたのであるが、
自分の鼻が赤いことを仲間にからかわれ、その姿を哀れんだサンタが
トナカイを連れて行ったのである。そこまではみな親からとことん歌で覚えさせられ、
常識であろう。だがこの後、サンタとトナカイの関係について知らねばならぬ。
最初、トナカイはサンタを尊敬し、サンタに忠実であった。
だがトナカイは元々野生である。して、トナカイに人間の子供におもちゃを
与える義理はないのでただサンタに従うだけで何も想いを込めてはいなかった。
だからであろうか、ある年、トナカイはプレゼントを少々乱暴に置き、
それをサンタにこっ酷く叱られてしまったのである。
それからトナカイは段々とやる気をなくし、一年。また一年と不満が大きく、膨張していった。 ついに今年、とある計画を立てた。
いつものようにサンタはおもちゃを子供たちに配り、その仕事を終えた直後であった。
トナカイは次々とサンタが配ったプレゼントを盗み始めた。
トナカイは何を考えているのであろう。その姿になんの憎悪も湧かないのである。
ただ自分の計画のための行為、まさに、頭が体を奴隷に使い、
全くもって別の個体として今、この世にいるのである。
朝、子供はウキウキでプレゼントを見に行った。だがそこにはなにもない。
子供ははじめ、別のところに置いてあると思う、しかし、やはりない。
ここで子供はことの重大さに気付き、泣きわめく。
サンタは聞こえるはずの子供の喜びの声がなく、、悲しみの声ばかりが聞こえる
この状態を不思議に思った。そして、サンタは不思議と、その犯人が分かった気がした。
サンタはトナカイの元へ行き、トナカイを問い詰めた。
トナカイはその大きな袋を隠さず、サンタに自分がやったと言い放った。
そしてニヤリと笑った。これは頭と体が一致し、嫌悪が湧くような姿だった。
トナカイはサンタを崖から突き落とし、プレゼントをばら撒いた。
後日、サンタの死体が発見された。
その死体には紙が置いてあり、「私、サンタはお前ら子供にプレゼントなんてやらん。じゃあな。」
みんなサンタを悪だと言った。
だが本当の真相なんて誰も知らない。
サンタに仕えていたトナカイは一人、いや、一匹、で余生を過ごしたという…
藤塚 太陽
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コメント
1件
うわ、これ、めっちゃダークな再解釈良いですね…!「赤鼻のトナカイ」の童話をベースに、サンタとトナカイの関係が徐々に壊れていくプロセスが怖いぐらい丁寧で、一気に引き込まれました。特に「野生だから人間の子供に義理はない」ってトナカイの冷めた理屈、ゾッとしつつ妙に納得してしまいました。遺書の偽装工作も、最後の「一匹で余生を過ごした」という一文も、胸にくる切なさがあります。続き、めっちゃ気になります!