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きっかけは些細なことだった。



自分を凶弾するコメントたち。日に日に増えていくそれにいやになってしまった。


自分が愛されているのは分かってる。大好きだって、応援してるってコメントもたくさんある。


でも、それさえも怖くなってしまった。

この期待の声に答えられなくって、それが失望に変わってしまったらって、プレッシャーの波に押し流されそうだった。


ホント自分勝手な話だ。思わず笑ってしまう。

僕はみんなに何を求めているんだろう。何をしたいんだろう。

もう自分でも分からない。


だから、アンチよりも、ファンのことさえ嫌いになってしまった最悪な自分を消したくなった。


屋上にただ1人、意味もなく佇む。


別に、暴力を振られたりなんかしていない。友達や親に恵まれてない訳でもない。虐められたりなんかしていない。


ただ、こんな弱い自分が大嫌いなだけだ。


遺書なんか残してないけど、最期に皆にだけは感謝を伝えようとスマホを開く。



そして、メンバーのグループメッセージに


『今までありがとうございました。ごめんなさい、さようなら』

とだけ送ってスマホを閉じる。


すぐに通知音が何件も聞こえてきた。

スマホは見ない、きっと踏みとどまってしまうから。


きっとみんな心配してるんだろうな。



僕は本当に愛されている。最期にそれが実感できてよかった。


最期の最期まで迷惑かけてごめんなさい。

後は任せました。




、、、長ったらしい後悔はやめにしよう。


屋上の柵を飛び越える。



「みんな、ばいばい」

また来世で会おうね。


トンっとジャンプした先にもう地面はなく浮遊感が襲ってくる。


風が気持ちよくて目を瞑った。

まるで飛んでいるみたいだ。









ぐしゃっと何かが潰れる音が聞こえた気がした。

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