” 注意事項 “
・自傷行為、流血表現あり
・とにかく⚔️が病むお話
・MOBが出てきます
・🌈ライバーからの嫌われあり
これらが大丈夫な方はどうぞ!!!
____!!____!!____!!
…
『 剣持おつかれー。県大会ちけーから最近部活きちぃよなー。 』
「 …そうですか。 」
『 そうですかってなんだよwもうちょい反応くれてもいいじゃーん! 』
そう構ってくる同級生を適当にあしらって帰ることにした。
『 もー帰んの!?早くね!?この後カラオケ皆で行くんだけどお前帰んの!?!? 』
「 僕は暇じゃないんでね!じゃ、全員でカラオケ楽しんでくださーい! 」
『 ちぇ、まぁ、また今度行こーな! 』
「 おう!じゃーな! 」
県大会も近いし、学期末のテストも残り1週間を切った。
皆と絡みたいのは山々だが、僕には教師になるという明確な夢がある。教師になるという事は、それだけ壁がデカい、すなわち簡単にはなれないのだ。ライバー活動も重なったら特に、だ。
少しだけ上機嫌で帰った夜道は気持ちが良かった。
「 さて、と。」
自主学習用のノートを開き、昨日の勉強の続きをし始めた。
勉強をし始めて約30分くらい経った頃だろうか、僕の携帯に着信が掛かってきた。
今日は特に予定は無いはずだった。僕はマネージャーさんにしばらくは忙しくなるから撮影等はできないと連絡していたから。
疑問に思ったまま、僕は電話に出た。
〘 剣持さん。今すぐ会社に来てください。 〙
そんな電話越しに聞いたマネージャーさんの声は低かった。何かに怒っているような。なにか問題でも起こったのだろうか?
「 …すみません、何かあったんですか? 」
とりあえず聞いてみる。
〘 え、何故剣持さんが把握をしていないんですか!?剣持さん、貴方は相当な事してますよ!? 〙
「 何故って、僕しばらく会社に行ってないですし、しばらく学業に専念してたので… 」
〘 ちょ、代わってください。 〙
マネージャーさんの声の後ろから社長の声が聞こえた。
〘 剣持さん、今すぐ来てください。私は剣持さんの事、信じているんですけど… 〙
一瞬口をごもらせる。
〘 とにかく、来てください。不破さんも甲斐田さんも貴方のこと信じて待ってます。 〙
真剣な声色をしていた社長。ドッキリの類でもなさそうだ。しかも、どうやら僕がいない間に、僕の事について問題になっているようだった。
〘 玄関口でマネージャーさんが待っているそうです。待っていますよ。剣持さん。〙
そう言って電話を切られた。
僕はイマイチ現状が読み込めない。とりあえず僕は支度して、会社に向かう事にした。
外はすっかり冬模様で、肌寒い。
電車で、乗り換えながら会社に向かった。
-enkr本社 玄関口-
玄関口に立っていたのは、最近入ってきた新人マネージャーさんだった。
実を言うと少し苦手意識を持っている。
『 うぅっ…剣持さんッ…やっと来たんですね…ッ 』
出会って早々、泣き声が聞こえてくる。
このマネージャーさん、僕が気に食わないのか、いつも色んな方法で僕を陥れようとしてくる。その度に僕は必死に弁解をした。
またこの人か、と。僕は少し呆れた。
次はどんな方法で陥れてくるんだろうと僕は呑気に考えていた。
『 ひっく、…着いて、きてくださいッ… 』
言われた通りにそのマネージャーさんについていった。
連れて来られた場所はrfmoの楽屋だった。
マネージャーさんがドアを開けると、1番目に目に入ったのは僕を冷ややかな目で見てくるメンバー達だった。
「 もちさん、本当なんすか?マネージャーさんを傷付けたのは。 」
「 …きっとマネージャーさんのいつもの嘘ですよ。 」
「 だけど今回は嘘じゃなさそうに見えましたよ。何よりその腕の傷が証拠じゃないですか?」
甲斐田くんがそう指摘してくる。
確かにマネージャーさんの腕を見ると、切り傷のようなのがついていた。
また自作自演で僕を陥れようとしてるんだな、そう思っていた。次の瞬間までは。
「 明確な証拠もあるんですよ。 」
と、一つのボイスレコーダーが目の前に出された。
[ きゃぁっ、やめてくださッ、嫌ですっ!! ]
[ やめてくださいッ、剣持さんっ、! ]
[ うるせぇ!!黙れよ!目障りなんだよ!!消えろ!!! ]
…
「 …は? 」
確かに僕の声のように聞こえた。ただ、僕は会社に来ていないのはもちろん、このマネージャーにすらも会っていない。
「 ねぇ、もちさん。どうなんですか。 」
「 違う、こんなの偽装だよ!僕の声に似た誰かですよ!!! 」
僕は取り乱してしまった。本当にやっていない。僕は、僕はなにもしていない。そういった弁明も虚しく、結局は僕がやったということになってしまった。
「 … 」
黙り込んでしまったふわっち。
「 マネージャーさん、何かあったらいつでも言ってくださいね… 」
マネージャーの精神状態を気にかける甲斐田くん。
「 剣持さん、公には広めないので認めてください… 」
すっかり信じ切ってしまった社長。
僕は頭が真っ白になった。
心臓がバクバクなっている。何も考えずに、その場しのぎで言ってしまった。
「 …僕が…やりました… 」
そう言うと、社長が固まってしまった。
「 …もちさん…」
もうこうなるとどうにもできない。公には出さないらしいから、配信活動には支障は出ないだろうが、やはり、ライバー間との関係がこんな嘘で砕け散るのはいたたまれなくなった。
「 俺、頭冷やしてくるわ… 」
ショックからか、ふわっちは一旦外に出た。僕を軽蔑する目で甲斐田君も、社長も部屋から出ていく。
最後に残ったのは、僕と新人マネージャーさんのみだった。
『 …本っ当にいい気味だわ…w 』
去り際に僕の耳元でそう囁いた。
僕はそれを聞いて、後ろを振り向けなかった。振り向きたくなかった。
部屋にただ一人残された僕は、タイミングを見計らってから出ることにした。
_2434駅 ホーム_
駅のホームで僕は電車を待っていた。
「 なんでだろ…なんもしてないのに。僕は何もしてないのに、なんで認めちゃったんだろう。 」
僕は肩身を縮こませ、俯いた。冷たい空気が僕の体温を奪っていく。
そんな時、一人の男の声が聞こえた。
「 …?あれッ、とやさんじゃないですか! 」
耳馴染みのある、黄色い明るい声。僕の相方でもあるし、信頼ができる。
「 ガっくん… 」
ガっくんの様子を見てまだ広まってないんだと、少し胸を撫で下ろした。
「 どうしたんですか〜?浮かない顔して!とやさんらしくないっすよ! 」
僕の前髪をのけて顔を覗き込んでくる。
「 …なんかあったんすか? 」
ガっくんになら話せる、かもしれないと思い、思い切って相談してみた。話を聞いているガっくんはいつになく真面目な顔をして、真剣に僕の話を聞いてくれた。
「 …それとやさん悪くないじゃないですか?だって、学業で忙しいのに会社に行ってまでマネージャーを傷つけるなんて有り得ないっすよ! 」
「 ど、したらいい、? 」
僕から出た声は自分でも驚くほどか細い声だった。
「 とやさんの事、信用してますから。俺、守りますよ。 」
真っ直ぐ僕の目を見て、落ち着いた声で言ってくれた。
ホッと安心したら何故か少し涙が出てしまった。
「 あれっ、もしかして感動して泣いちゃいました?w 」
「 んなわけ…w 」
涙を拭い、すぐにツッコミを入れた。
丁度駅のホームが騒がしくなり、やがては電車がやってきた。
「 家も近いし一緒に帰りましょ! 」
ガっくんは僕の手を引いて、電車に乗り込んでいった。
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