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ひんやりとした感触で目が覚める。
「…ん、…..?」
ぼやけた目を擦りながら辺りを見渡すと、
辺り一面白く覆われ、窓もなく、不気味な空気が漂っていて肌寒い。
長く寝ていたのか目眩がする。頭を抑えながらフラフラと立ち上がり、改めて周りを見渡そうとすると、見知った顔が視界に映った。
「んん、….」
と小さい唸り声を上げ、まるで子供だな、と鼻で笑う
「っと、それより。 」
慎重に手探りで窪みや色が違うところを数十分探しては見たが、全然全くと言っていいほど何も見つからなかった。
____一枚の紙以外は。
じっくりと確かめるように開けると
「…..は?」
そこには小さく、読みやすい字で、確実に。
○○しないと出られない部屋。
と記載されていた。
「…..」
しばらくそうしていると段々文字が浮かび上がってくる。
「…なになに、」
「”キス”しないと出られない部屋。…..ね」
….正直に言うと信じたくなかった。
隣にいる”男”と、敵と、仲良くナニをするなんて御免だ。本気で御免だ。
そもそもそんな趣味何て1ミリもない。
…だが、こういう類の部屋は出られない事がお決まりとなっている、
「….?」
不思議そうに辺りを見回して僕の存在に気づくと落ち着いた様子で、”またですか”と呆れ顔をする、
そう、前も似た様な経験をこの男とした事があるのだ。 最も違う所は此処が”個室”という事だけだが
僕の手にある紙を少し見ると手を差し出す
「….見せなさい。どうせソレをしなきゃ出られないんでしょう。」
全てを見透かしているのか、気まずそうな顔でこちらを見る、
超感覚とは本当に厄介だ。ボクにも少しくらい分けて欲しいね
手渡すと、手を顎に置き考え込みながら焦りを含めた声で言葉を発する。
「….これ、本気か?」
本気じゃなかったらどれだけ良かっただろうか。
「いや、何でもない….、あの」
問い掛けるような口調で僕に話しかける
軽めになに、と返す
「破いて良いですか?」
「いやダメでしょ」
あのヴァイスがここまで怒るとは..w
普段なら面白いと笑い飛ばしている所だが、僕だって破りたい気持ちを抑えたのだ。
その気持ちを無下にされちゃあ困る
冷静を失っているヴァイスに落ち着きなよと諭すと深い深呼吸をした。
「….ふぅ、エンド。」
「何さ」
「手出して下さい」
ああ、と悟り、手を差し出す。
ちゅ、と小さいリップ音が部屋に響く。
何だかこそばゆい感覚に陥ると少し思考が冷静になった。
…..シーン…..
「開かない、ね。」
「….やっぱり….」
それだけは絶対に嫌だ、と言わんばかりの顔をされてもどうしようもない。
僕だって嫌だ。
もうヤケで行くしかないのだろうか
軽い口調で話しかけると、ヴァイスはそれに応える形で何でしょう。と返す、
「腹括りなよ」
「外での時間軸が分からない以上、早く済ませて出るしかない」
そう結論付けても嫌なものは嫌だとは分かってもいる、だが仕方ない。
出る為なのだから。
「…..。」
いい?と優しく語りかける。が、じれったい、と頬を掴まれ引き寄せられる
勢いに任せてキスをした
正味最悪だ
一瞬しか触れていないが吐きそうになった。
…..少し嫌な予感がする
…….シーン……..
「またか」
ふざけるなと叫びたい所だったがそんな気力ももうない。
静かに互いの顔を向き、少しずつ舌を絡める。こんなもの一瞬でも早く辞めたいが、
この部屋が許してはくれない
熱の篭ったリップ音が何度も鳴り、口端から唾液がこぼれ落ちる
息苦しさに気色悪さを覚えながら舌を絡めていうくうちに唾液が流し込まれる
「__ン”ぶ、….」
と苦しそうな声を上げると耳を触られる。背筋が凍る感覚がした、何がしたいんだろう
すると喉からごくん、と音が発せられた。
「_____ぶはッ….」
やっと解放された。
少しへたり気味になるとヴァイスが話しかける。
「今度は開きますかね」
そう、それが問題だ。
……..シーン……….
“いや何でだよ”とツッコミたくなった。多分ヴァイスも同じ気持ちだと思う。
…..まさかと思い紙を確認する。
____案の定だった。
紙の内容が変わっている
「今度はキスマだって」
「ふざけてんですか?」
「キレるなよ、ボクに八つ当たりしないでくれ」
またしてもこの部屋は。
何度ボクをコケにすれば気が済むのだろう。
「….もう面倒いから早く済ませようか」
押し倒すと首筋に軽く吸い付く。
ヴァイスがびくっと震えた気がしたが気の所為だろう
ぢゅぷ…
「…どうです、」
「ん、付いたよ」
薄めだが赤い腫れが出来ている。
“僕が作った”何て、信じたくないが
「開かないね。」
「….僕の番もあるんですね。最悪」
それはこっちのセリフだと言いたい所だけど今の所お互い様だ
ボタンを外し襟元を露出する
ヴァイスのひんやりした唇が触れる
どうにもその感触が気色悪くて、早く終われしか思えなかった。
ぢゅッ….
吸い付かれる感覚が、暑い息が、何もかもが気色悪い。男同士ってだけでこんなにも気色悪いとは思わなかった
「…..すっごい吐きそう」
「奇遇ですね、」
カチャリ
「「ッ!!」」
その音を聞いた瞬間走り出す。
2人が2人、自身の家を思い浮かべる
辺りを見渡すと。
____見覚えのある、真っ白な部屋だった。