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『私はPinkiっていうの!』
と名乗る彼女は頭に着けているリボンが特徴の可愛らしいピンク色のウサギの少女。
しかし彼女の目以外の顔全体には包帯がグルグルと巻かれている。どうやら何者かによって顔の皮を剥ぎ取られてしまったようだ。
『目を閉じれないからすぐに目が乾燥しちゃうのが1番嫌ね…』
『ぼくはね、brud!!』
無邪気な子供のように自身の名前を告げる彼は茶色でガチャ目の少年だ。
だが、包帯を巻いている為、よく見ることが出来ないが、頭部の半分が齧り取られあばらの脇の部分も欠損しているため、死んでもおかしくないような姿になっている。
『あのね、ぼくいたいの感じないから大丈夫!!』
『こんにちは。私はFun Botです!皆さんを楽しませます。』
ロボットの彼は特に怪我や傷も付いていないように見える。ロボット故狙われなかったのだろう。しかし、点検をしていないせいか少し調子が悪くなっているように見える。
『私は…あなたを楽しませられます!』
『……えっと、Grayです。』
Grayと名乗る彼は灰色の少年だ。
そばかすに黒い瞼、ネコのような耳をしているが、本人曰くネコではないとの事。
非常に陰気で目立たないような雰囲気だ。
その性格故に狙われなかったのだろう、特に怪我も無さそうだ。
『…もうほかに言うことは無い、です。』
一通りJevin以外のキャラクターの自己紹介を終え、Dandy達もそれぞれ自己紹介をし、お互いに色々知れたところでJevinが簡易テーブルにとある1枚の大きな紙を置いた。
皆でそれを覗くように見るとそれは色んな文字や手書きの小さな地図や写真等が書かれていたり、貼られており、それぞれを線で繋げている。
『まずは皆さんにもこれを見てもらいたい。これは私が調べて分かった色んな情報を詰め込んだものです。』
「…ふむ、端までぎっしりと……さぞかし大変だったでしょう?」
とDyleがその紙をじっくりと見つめながらそう述べた
『ええ。ですが、これでこの世界を元に戻せる方法が見つかるならば全然大変では無いですよ。』
と告げたところでJevinが幾つかの写真とその写真に関する文章が書かれている所を指差す。
『まずはこれを見て欲しい。これは私が撮った異形化や、惨殺体になってもまだ、動き続けている仲間です。』
そのおぞましい写真にDandy達は一斉に顔が青ざめた。
「何故こんな姿に?」
veeがJevinに問いかける
『…彼らがこうなってしまった原因の1つにblackが洗脳した仲間が彼らを襲ったことが入ります。Pinkiもbrudもblackの洗脳する仲間に襲われました。』
「そのblackっていうのは…なんなの?」
Astroが眉をひそめ、Jevinに問いかける。
Jevinは一瞬目を閉じ、静かに息を吐いてから口を開いた。
『……blackは、かつて私達と同じように音を奏で、リズムを紡ぐ仲間でした。けれどある時を境に、まるで“この世界そのもの”に呑まれたように変貌してしまったのです。』
「変貌?」
Shellyが小さくつぶやく。
『彼は真っ黒な霧の中から現れ、仲間をひとり、またひとりと洗脳し、異形へと変えていきました。背中から伸びる触手は、ただの武器ではありません。心を縛り、抵抗を奪い、やがて自分の意志すら捨てさせる。』
Sproutはぞくりと肩を震わせた。
「じゃあ……wendaも、そのblackに……?」
『ええ。彼女は本来、とても優しく、誰よりもリズムを愛していた。けれど今は…あの通り。血にまみれ、ナイフを握りしめ、ただ命を奪うことしか考えられない存在に堕ちてしまった。』
Pebbleは「グルルル……」と低く唸り、周囲を警戒するように目を光らせる。
『そして……問題は、その洗脳が永続するものだということです。』
Jevinはさらに紙の端に書かれたメモを指で示した。そこには乱れた字で「救済不可」という文字が書かれている。
「……助けられないってこと?」
Astroが冷静さを保とうとしながらも声を震わせる。
『ええ。少なくとも今のところは。』
その場に重い沈黙が落ちた。
Sproutが両手をぎゅっと握りしめる。
「……許せない。あいつが全部の元凶なんだな。だったら……必ず止めなきゃ。」
Dandyも大きくうなずき、にやりと笑った。
「そうだね!僕達がここに来たのも、きっと偶然じゃない。blackを倒す……それが僕らの役割なんじゃないかな!」
『……そう簡単にはいきませんよ。』
Jevinが表情を引き締める。
『blackの居場所は、この地図の“最奥”。黒い霧が常に渦巻き、近づくだけでも正気を奪われかねない。もし行くのなら、覚悟が必要です。』
「正気を奪う……って、そんなの卑怯じゃない!」
Shellyが声を荒げると、Grayがぼそりと口を挟んだ。
『卑怯……ね。でも、勝負に“正しい手段”なんてあるのかな。結局、強い方が生き残るだけだよ。』
「Gray……」
彼の陰鬱な声に、一同は言葉を失う。
そんな中、Fun Botが機械的な声で割り込んだ。
『……ですが!皆さん!もしこの状況を“ゲーム”だと捉えれば、勝機はあります!ルールがあるのなら、突破口も必ずある!』
「ゲームと言っても命懸けのだけどね。」
veeが呆れ混じりに吐き捨てるが、その言葉が不思議と場を軽くした。
Jevinは小さく笑みを浮かべる。
『いずれにせよ、皆さんには選択肢があります。ここに留まり、身を潜めるか、それとも、命を懸けてblackに挑むか。』
Dandyは即答した。
「決まってる!挑むに決まってるさ!」
Astroが額に手を当て、深いため息をついた。
「……だろうね。Dandyはそう言うと思ってたよ。」
Sproutも真剣な眼差しで頷く。
「僕もだ。仲間を、これ以上あんな風にされたくない。」
Shellyは一瞬ためらったが、Pebbleが彼女の手を軽く舐めると、小さく笑い返した。
「……私も行くよ。チームワークで、夢は実現するんだから!」
『……勇敢ですね。ならば準備を整えましょう。武器、情報、そして何より“心”を。』
Jevinの声はどこか震えていた。まるで彼自身も、過去にblackと直接対峙したことがあるかのように。
その時。
外から「ゴンッ!」と重い音が響いた。
『……っ!?』
Pinkiが驚きで耳を震わせる。
『くろい霧だー!!』
Brudが窓の外を指さした。そこには、じわじわと建物を侵食するように迫る黒い煙が。
『……まさか。もう近くまで来ている……?』
Jevinの声は、震えを隠しきれなかった。