テラーノベル
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シェルターの扉が激しく叩かれ、重々しい金属の軋みが響く。Jevinが鋭い声で叫んだ。
『来ました……!全員、構えて!避難は無理です、ここで持ちこたえるしかない!』
部屋の片隅にあった工具箱が荒々しく開かれる。
Sproutは大きなスパナを、Astroは古びた懐中電灯を手にし、Dyleは鉄パイプを慎重に握りしめた。
Veeは渋々ながらも折れかけた椅子を構え、Shellyは倒れた棚から拾い上げた恐竜の骨のレプリカを武器代わりにする。
Pebbleは唸り声を上げ、背を丸めて戦う構えを取った。
『私も出来る限り戦闘に加わります。
Pinki は仲間の傷を即座に縛れるよう医療役に。
Brud はいざとなったら皆を守って。
Fun Bot はスピーカーを最大音量にして敵の注意を引いて。
Gray は隠れて、敵の背後を突く狙いで!』
Jevinが仲間にそれぞれ指示をする。
皆その言葉に頷く。
血の匂いと共に、六体が一斉に雪崩れ込んできた。
そこには先程襲ってきたWendaや異形化したDurple、Mr.Sun、Simon…そして惨殺された仲間のSkyやVineriaまでいた。
「来る、!」Astroが叫び、
戦いが始まった。
BrudがSkyの突進を受け止め、骨が軋む音が響く。
「ぼくはぜんぜんだいじょうぶだよー!」と笑うが、その体はもう限界ぎりぎり。
SproutがスパナでWendaの刃を弾き、Pebbleが吠えて攻撃を逸らす。
Shellyは恐竜の骨を振り回し、Vineriaに攻撃されないように必死に抵抗する。
Fun Botがスピーカーから大音量のノイズを流し、Durpleが顔を覆って苦悶する。
その隙にVeeが椅子を投げつけ、AstroがライトでMr. Sunの目を照らして動きを止めた。
「Dyle!右から来ます!」
Jevinの声に合わせ、Dyleが鉄パイプを横薙ぎに振り抜き、Simonの顔面を狙い、強く殴った。
しかしSimonは不気味に笑いながら立ち上がる。
混沌の中、Jevinが叫ぶ。
『皆さん、ここは“時間稼ぎ”です!Blackが来る前に、私達が突破口を探さねばならない!』
その言葉に、仲間達は再び気合を入れ直した。
シェルターはもう安全ではない。
だが、この場を守り抜かなければ、次は無い。
Wendaのナイフが閃光のように走る。
Sproutが間一髪でスパナを差し出し弾いた
――そのはずみで腕に深い切り傷を負った。
「っ……大丈夫……まだいける!」
強がるSproutに、Pinkiが駆け寄り素早く包帯を巻く。
だがその瞬間、Skyが泣き声にも聞こえる唸り声を上げ、Brudに突撃した。
「うわぁっ!」
Brudの体が壁に叩きつけられる。骨の欠損部が崩れ、動きが鈍くなった。
「ぼくはまだだいじょうぶ!いたくない…!」
そういうBrudだったが、誰の目にも限界は明らかだった。
「もう無理だ、下がれ!」
Jevinの声に、AstroとShellyが必死にBrudを引きずり後退させる。
前線から外れたBrudは、もはや戦線復帰はできなかった。
彼が担っていた「防御の要」が崩れ、戦況は一気に不利に傾く。
「くそっ……!」
Dandyが歯を食いしばり、鉄パイプを振るってVineriaを遠ざける
Veeは椅子を投げてSkyを牽制し、Pebbleは吠え立ててWendaを引き離す。
Fun Botがノイズを最大にし、Durpleの注意を引きつける。
その隙にGrayが背後から影のように忍び寄り、工具箱をSimonの足元に叩きつけ、バランスを崩させた。
混乱の隙を突き、Jevinが叫ぶ。
『今だ!全員、後退して!ここは閉じる!』
皆が一斉に退き、扉を鉄材と棚で塞ぐ。
外ではまだ化け物たちが暴れ、ドアを叩き続けている。
やがて……その音が遠ざかっていった。
荒い息だけが haven に残る。
「……ふぅ……なんとか、持ち堪えた…」
Astroが汗を拭う。
だが視線の先には、戦線を離脱したBrudがいた。
無邪気に笑おうとする彼の顔は、もう力なく震えている。
「……ごめんね。ぼく……もう、みんなを守れないかも。」
その言葉に、空気が重く沈んだ。
『……仲間を殺さず退けたのは賢明です。 』
Jevinは静かに言った。
『でも次は……もっと苛烈に来るでしょう。Blackが近づいている。』
誰もが分かっていた。
今回「持ち堪えただけ」であり、次はどうなるか分からない。
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