今日の朝体を起こすのがだるかった
繭糸に絡まれたような気分になり二度寝をしてやろうかと目をつぶろうとするとタイミングが悪く母が起こしに来てしまった
伊世「よっちゃ〜ん?起きないとダメでしょ〜?下で待ってるからね」
潔「…ぅん…」
そんな間抜けな声を出して支度をする
体が重く頭も痛い
昨日は早く寝たつもりだが疲れているらしい。
重くなった体を壁に持たれかけ階段を降りていく
潔「お母さん、おはよ」
伊世「おはよぉ!!あら、よっちゃん元気がないけど大丈夫?」
一生「おはよ〜!!世一大丈夫か?」
潔「うん、大丈夫」
伊世「無理はダメよ?」
潔「わかってるってw」
一生「まぁ昨日ノア様?だっけか、の試合見てたもんなぁ」
潔「だってどうしても見たかったし」
伊世「よっちゃんは昔と変わってないわねぇ」
潔「褒めてないよね、それ…」
愛されてんなぁってこと考えて家を出る
これが普通なのだ
歩道を歩き学校に向かう
軽い気持ちで此処で寝てやろうかなとか思いながら足に鎖でもついてんじゃないかってくらい重い足を運ぶ
やけに今日は調子が悪い
瞼越しから太陽の刺す光は俺にとって不快なものでしかなかった
瞬きをするだけで光が目にチラチラ入るので鬱陶しい
ダルい気持ちで歩いてると、ふと横にうつった長い階段が目に入った
こんな所に階段なんてあっただろうか
ここの道を歩いて2年間、この階段は記憶にない
潔「…幻覚か?」
まだ寝ぼけているのかと思い気の所為にした
疑問に思いながらも学校にまで足を運ぶ
だが何故か、本能的に入れと言っている
意味がわからなかった
見た事も入ったことも無いこの階段に俺の頭のサイレンが入れと五月蝿い
…学校に行くまであと30分あるから10分ぐらい息抜きでもしようと思った
__階段を登ってから3分ぐらいだろうか
やっとついた、と思った先には神社だった
こんな場所に神社なんかあったのか
階段もそうだ、神社も古くもなく鳥居も綺麗だ
建てたばっかの神社みたいだった
でも昨日工事なんてやってなかった
そうふつふつ思いつく思考が段々ヤバいんじゃないかと思い帰ろうと思った
でも少しだけ抵抗があった
何故かは分からない
わかるのはこれは俺の判断でやっているわけじゃないと言うこと
俺の体が勝手に鳥居を潜らせる事に恐怖づく
人の声や工事音騒音などは聞こえなく
静かな事が珍しく思えてきて怖かったのが一気に興味に変わる
潔「…学校は走ればいいし、少しだけ探検してみてもいいよな…?」
と思い、真ん中は歩かずできるだけ端を歩く
賽銭箱に十円玉を入れれば、手を合わせて2回叩く
願い事を込め、お辞儀をすれば完璧だ
何を願ったかは内緒
この神社は綺麗だけではなく広く迷路みたいだった
よくよく思ったけどお坊さんとか、管理人が見当たらない
神社ならあるはずの御籤屋とか、旗というものが無く不思議に思った
あまり人気のない場所なのかもしれないとそこでその話を無理矢理終わらせた
右側にある階段を登ればもう1つの神社が見つかる
さっきの神社と比べて物凄く手入れがしてあるのだとわかった
静かで自然に囲まれているせいか眠気に襲われる
日光もそれを企んでるかのように当ててくる
少しだけ寝てもいいだろうか、神様には後で謝っておこうと神社の横に置いてあった長い椅子に座る
気持ちが良かった
心が暖かく、シンとした雰囲気に風がそれをより神秘的にさせてくれる
ずっとここに入れたらいいのになと思ってしまうぐらいに心地よかった
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カイザー「おい、起きろ」
潔「んッ…んぅ」
カイザー「起きろって」
潔「…うっ、わぁ!!ご、ごめんなさい!!」
カイザー「なぜ謝る?」
そこには着物を着た男性、青い羽織を羽織っており素直に綺麗だと思った
潔「嫌、管理人さんかなと」
カイザー「ん〜、まぁ管理人と言えば管理人となるな」
潔「?どういう」
カイザー「それより、此処で何してる」
潔「えっと、眠気に負けて…」
カイザー「…そんなに此処が良かったか?」
潔「え?…心地いいですよ此処」
カイザー「……そうか」
潔「…あ、学校!!」
カイザー「は?ちょっと待て!!」
潔「え?」
カイザー「名は、真名を教えろ」
潔「真名って…潔世一です」
カイザー「…そうか、俺はミヒャエル・カイザーだ」
潔「カイザーさん?でいいですか?」
カイザー「さんはいらん、鬱陶しい」
潔「じゃあ、カイザー…?」
カイザー「…まぁ今はそれで許してやる、世一」
潔「はい?」
カイザー「………その敬語をやめろ」
潔「え、でも」
カイザー「いいから」
潔「…わかった」
カイザー「……それより、何も感じないのか?」
潔「何が?」
カイザー「…嫌何も」
潔「…ッ!!学校ッ」
カイザー「あ、ちょ、世一!!」
潔「じゃあ!!」
カイザー「…まだ俺との話終わってねぇだろ、俺の物になってすらねぇのに…次はねぇぞ」
“潔世一”
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階段を降りれば空は真っ暗になる寸前の夕方で吃驚した
神社にいた時は明るかったのに、それにあまり話してないのになと疑問に思った
急いで家に帰ればお母さんが驚いた顔をしながらわんわんと泣きついて来たのでどうしたのかと聞くと
どうやら俺は1週間行方不明だったらしい
全然話してないのに何故…
そんな考える余裕を待ってると急に眠気が襲ってくる
潔「ッ…ごめんお母さん俺眠い」
伊世「!!そうよね、ほら風呂は朝でいいから寝なさい」
潔「うん…」
布団にダイブする形で寝れば一瞬で目を閉じれた
あれは夢なんかじゃないかと思うぐらい現実逃避をしてしまうのは仕方ないことなのだ
あんな思いすれば皆現実逃避をするはずだ
暖かい布団に身を包ませ顔の半分まで布団をかけた
そうすると安心感がでてゆっくり眠れるのだ
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朝が覚めれば俺の部屋…ではなく見知らぬ部屋だった
見た感じ和風の部屋で、畳、襖、と俺の部屋では無いのは確実だ
どうやって俺はここまで来れたのか分からない
気づいたら見知らぬ部屋
そして服装は着物だった
白い着物で、緑?ライムグリーンだろうか、巻物を腰に巻いている
混乱していると襖が開く
スススと言う音を立てれば昨日見た管理人カイザーがたっていた
潔「カイザー…?」
カイザー「嗚呼、カイザーだ」
潔「なんで…俺、どうしてお前が…?」
カイザー「なぁ世一、神は信じるか」
潔「は…?」
カイザー「早く応えろ」
潔「ッ…信じてはいる…」
カイザー「ほぉ…なら、いいな」
潔「…?」
カイザー「俺は神だ、狐神と言えばわかるか?」
証拠だと言わんばかりに九つついた尻尾をフリフリと見せてくる
潔「神…?意味わかんねぇッ」
カイザー「…何故逃げる」
潔「何故って…そんなのッ」
カイザー「怖いか?怖くないさ、安心してこちらに来い」
潔「ッ…来るな」
カイザー「…我儘がすぎるぞ、潔世一此方に来い」
潔「あぅ…ッ?」
その言葉と共に俺の体はカイザーの方向に動く
まるで操られたのかのように
あっという間にカイザーの胸元に顔を押し付けられた
潔「離せッ」
カイザー「1回だけ逃がさせた、これで最後だ」
潔「は…?俺は好きで此処に来たんじゃねぇ」
カイザー「昨日好きだと言ったのは誰だ?」
潔「うっ…」
カイザー「世一、人間は此処に居続けると呼吸困難を起こすらしい」
潔「は?なんで…」
カイザー「それは神々のクソ面倒臭いルールのせいだ、それで呼吸困難とやらを起こさないようにするには潔世一、お前が俺の血を飲めば解決って訳だ」
潔「…?」
カイザー「わかっていないようだな、まぁやってみるか?やらないと言っても無理矢理やるがな」
潔「ッ…返せ、俺は帰る」
カイザー「そんなケチ臭いこと言うなよ、世一」
潔「俺には帰る場所があるッ!!これ以上家族に心配させたくないッ」
カイザー「…家族思いで何よりだ、だが生粋すぎるなぁ世一?」
潔「…ッ」
カイザー「…大丈夫、怖がるな」
潔「ぁ…ッ」
その時のカイザーの顔は愛する人に向けるような蕩けた顔をしていた
そんな顔をすれば俺の力は抜け尻もちを着いた
そんな自分に驚きが隠せず動揺する
動揺している俺に構わずカイザーは俺の頬を触る
カイザーの手は冷たいのに暖かく心地が良かった
離れたくなくて欲に負け自らから寄る
カイザー「ッ!!…世一、お前は俺の理性を破壊するのが上手いなぁ♡」
そんな声を聞けばブチッと言う聞きたくもない音が聞こえた
潔「ぇ…?」
カイザー「有難く思えよ?」
潔「?…んむッ?!」
顔を近づけ接吻を行うカイザーの姿は絵になるぐらいの美しさだった
躊躇う自分を見てカイザーの目は細める
丁度口が開いていたので舌を移入してくる
しまった、と思い出来るだけ抵抗する
潔「ッ…は、ふ」
なんて恥ずかしい声を出せば顔を赤め固まる
息が苦しくなり頭もフワフワする感覚に襲われ自身を保つのがやっとの事だった
そして口を離す寸前にカイザーの舌から鉄が流れ出てくる
潔「ッ!!…ッ」ゴク
勢い余って飲んでしまった
その途端息苦しさが出てくる
潔「ッ…はっ、ぁッ…」
苦しさのあまり涙が出てくる
そんな俺を見てカイザーはニンマリと顔に狐を描いた顔でこう言った
カイザー「これで一緒だ」
獲物は逃がさないと言わんばかりに腰に手を当て手を上に押さえつけられる
これは完全に馬乗りだ
カイザーは俺の首を触り顔を近づけ接吻を3回
潔「ッ…」
リップ音が部屋に響く
そんな音さえも気持ちがいいと思ってしまうのは何故だろうか
神は本当に気まぐれだ
コメント
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( '-' )スゥゥゥ⤴⤴好きです結婚しますか? 嫌でも浮気になるか、じゃぁみんなで結婚しましょう!!
最高!
続きが欲しいです!