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1ヶ月の昏睡状態の中、意識の奥底で、光に包まれた場所に立っていた。全てが静かで、時が止まっているような空間だった。
その中心に、穏やかな声が響いた。
「おかえり。まだここに来るには早い。」
驚いて振り向くと、どこか懐かしく、優しさに満ちた存在がそこにいた。目に見える姿ははっきりしないのに、安心感に包まれる。
「君にはまだ、この世でやることがある。苦しみもあるだろう。でも、それを超えて伝える力がある。忘れないで。与えられた命は偶然じゃない。」
私は声にならない声で問いかけた。
「じゃあ、なぜこんなに辛いの?」
しばらく沈黙が続いた後、神様はこう言った。
「痛みの中でしか見えない景色がある。君がその目で見て、その心で感じることで、誰かを救える。」
そして、最後に優しく微笑むような気配と共に、こう告げられた。
「目覚めなさい。まだ終わっていない。君の物語は、これからだよ。」
その瞬間、目を開けた。病室の天井がぼんやり見えて、私は静かに息を吸った。