テラーノベル
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五話目です。どぞ。
〜数週間後〜
今日はなんだか下の階から音が聞こえる。
絵たちではない、別の。
…そうだ、明日は工事前に肝試しがあるんだったな。
だからこんな時間まで清掃か。
いや、私たちの階も掃除しろよ
なんだ、なんだ、避けてんじゃねぇぞ。
たしかにあかりも月明かり程度しかないこの階だが、窓も多めだし見えないことはないし電気つければ怖くないだろ()
…電気なかったな
たまには掃除してくれよ。
ん?
「うへぇ…汚ねぇ。こんなとこ掃除しても意味ないだろ…」
「でも1ヶ月ぐらい掃除してない割には綺麗じゃねw?」
「それはそうだな、まぁこの調子ならまだ行けるだろ」
「お前、他の奴に任せる気かよw」
「当たり前だろこんな暗くて今にもって感じで汚ねぇとこなんて掃除したかねぇよw」
ボロクソに言う割には階段のとこはするんだなこいつら。
まぁなぜ1ヶ月放置しても大丈夫かと言いますと、人が来ないと言うのもありますが
あいつがなんだかんだその辺に置かれてた箒でたまにしてくれてるからなんですよね。
それでも汚さはどうにもなりませんが( )
次の日夕方〜
下の階から子供などの声が微かに聞こえてくる。このフロアへの扉は閉じている。
尚更誰も入るわけなく。
…一人を除いて
「Bonjour〜☆」
何お前
本当にきやがりましたねこの変態が。
「君にしばらく会えないなんて僕は嫌だからね〜ギリギリまで見ていたい」
くんな
「しばらくなら、少し掃除でもしていこうかな!」
フランスは箒を手に取り、鼻歌をちらつかせながらさっさと箒ではいていく。
しばらく。
「もうそろ時間だなぁでもギリギリまで君を焼きつけられてよかった」
__________「でも、噂はやっぱ噂だね。」
フランスは目を伏せ、寂しそうな顔。
なんだかどこか痛む気がするなぁ?なんでだろうな。
「…そろそろ行くよ、ギリギリまでいられてよかった」
気づけばすでに閉館時間。子供たちも、いない。
「次に会えるのは、数ヶ月後なのかな?」
「とにかく、次また会えるまで僕は待ってるよ」
そうして去っていく。 まるであの時のよう。
行かないでほしい。
待って。
もう少しここにいてほしい。
声になんて出せない。
だって、絵だもの
そうしていくうちにも、フランスの姿は無くなっている。
…いつもなら誰もいなくなる時、皆は絵から出ているのに。今日は嘘かのよう、元から
“ただの”絵だったかのように静か。
そんな中で出ているのは私だけ。
自分の足音だけが響くのは、新鮮。
キィィィィ…
何もない倉庫に入る。
隅でうずくまる。
なんで、なんでこんなにも寂しい?
よかったじゃないか、あんな変態の面をしばらく見なくても…いや永遠か?
なんで、私はフランスばかりを考えている?
よくわからない。
そんなことを考えてるうちに
キィィィィ…?
なんの用か。今まで長いこと一緒のフロアに飾られた少女の絵、老紳士の絵。
うずくまる私の肩に手をそっと添える。
「彼はきっと帰ってくる大丈夫」
なにを根拠に言っているのやら。
私が何も返さないと彼らも何も返さない、いや返せない。
何か返さないと、申し訳ないじゃないか。
でも、何も返すことができない。
出てきたのは
ポタッ
埃っぽい床に一滴の水分続いて流れる。
どうやら私から出ている模様。
すると一緒に吐き出てくる本音。
「フランスは私のこと見捨てないですよね?興味をなくしたりなんてしないですよね?」
「あの時みたいに突然いなくなったりなんてしないですよね?!」
そんな言葉。
私の肩を掴む手にほんのり力が加わる。
「きっと彼ならくるさ、あれほど絵に愛情を持っていたやつだぞ?」
きっと、工事が終われば来てくれる。
それまでの、辛抱。
胸に抱かれる、期待。
あいつ ならきっとまた来てくれる。私に愛を注いでくれる。
それまでの辛抱。
はいということで五話目でした。
最近サボってばっかです…
あと展開の速さが不自然すぎる…書き慣れてない証拠です。
対して私の小説まってる人などいないのですが、それはそれでなんとか頑張ってます()
次の更新はいつでしょうね…
ではまた。
コメント
2件
初コメ失礼します…ふと目に入って1話読んでみたら止まらないくらいにはめっっっちゃ刺さりました…イギリスが絵なのマジで最高です。描き方もめっちゃ好きです…