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「夏梅、口でしたときとは比べ物にならない快感を教えてやる。覚悟はいいか?」
「映山紅さん」
「なんだ?」
「愛してる」
「今言うのか?」
「ダメなの?」
「ダメじゃない。もっと言え」
「愛してる」
「ボクも愛してる……」
と言って、彼女はすとんと腰を落とし、僕らは初めて一つになった。今までの彼女との交際の中での幾多の困難を振り返れば、絶対にすんなりと結ばれないパターンだろうと思い込んでいた。こんなにあっさりと結ばれていいのだろうか? これはきっと夢に違いないと思ったら、彼女が夢という単語を口にした。
「ボクが夏梅の人生最初のセックスの相手になった。三つの夢のうちまず一つ目の夢が叶った」
「あと二つの夢はなんなの?」
「二つ目は夏梅がボク以外の女とセックスしないこと。三つ目はボクが夏梅の人生最後のセックスの相手になること」
「全部セックスに関してなんだね。二つ目と三つ目は僕が君に望んでもいいの? 君は僕以外の男ともうセックスしない。そして君の人生最後のセックスの相手は僕だ」
「もちろんだ。愛のない過激なだけのセックスはもうこりごりだ。ボクはもう夏梅との愛のあるノーマルなセックスしかしたくない」
悪気がないのは分かってるけど、いちいち気に障るんですけど――
今のは聞かなかったことにしておこう。