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つが
転校してきた殺し屋君第3章:復讐の鎮魂歌
第22話:氷下の死神 その3
雨は雪へと変わり、旧校舎へと続く道は白く閉ざされていた。 最下層への入り口。そこには再び、霧の中から現れた氷河五露乃介が、抜刀の構えで立ち塞がっていた。
「……またあんたか。しつこいわね」 藤堂が紅い刀を構え、肩で息をする。先ほどの戦闘の疲労は隠せない。 だが、今回は彼女一人ではなかった。
「……あいつを一人で生かしておくと、ろくなことにならねぇからな」 背後から、松葉杖を投げ捨て、全身に最新の強化外骨格(パワーアシスト)を纏った黒蜜(広島玄白)が歩み出る。 そして、その中心には、失った者たちの意志を瞳に宿した黒咲。
「現役最強トリオ」の集結。
「ほう……三人がかりか。組織の未来を担う若芽たちが、そこまで私を高く評価してくれるとは光栄だ」 氷河の周囲の空気が一気にマイナス40度まで急降下する。 「だが、数が増えたところで私の『絶対零度』は破れん。凍りつけ!」
氷河の剣が振るわれた瞬間、巨大な氷の刃が地面から突き出し、三人に向かって牙を剥く。
「黒蜜!!」 「分かってる!!」
黒蜜が、強化外骨格の出力を限界まで解放し、凄まじい速度で氷の刃の隙間を縫う。 「お前の計算式に、俺の『加速』は入ってねぇだろ!!」 黒蜜が放った超高速のナイフが、氷河の視界を奪うための牽制として炸裂する。
「小癪な!!」 氷河がナイフを叩き落とした一瞬の隙。 「燃え尽きなさい!!」 藤堂が上空から炎を纏った一撃で急降下する。氷河の冷気と藤堂の熱気が激突し、爆発的な水蒸気が視界を真っ白に染め上げた。
この瞬間を、黒咲は待っていた。 視界ゼロの白銀の中。竹内(安藤)から継承した「心の眼」が、氷河の心臓の鼓動を捉える。
「……そこだ!!」
黒咲は佐藤(小曽根)のボクシングで培った「神速の踏み込み」で、霧を切り裂き突進した。 氷河は反射的に刀を戻すが、その刀身は藤堂の熱によって脆くなり、黒蜜のナイフによって軌道がわずかに狂っていた。
「極・双龍穿(そうりゅうせん)!!」
黒咲の両手に握られたナイフが、氷河の「絶対防御」である氷の鎧を粉砕し、その胸元へと深く突き刺さった。
「……ぐはっ……!!」
氷河の古刀が地面に落ち、凍りついた空気が一気に解けていく。 中年の中の剣鬼は、膝を突き、鮮血を雪の上に散らした。
「見事だ……。個の強さを捨て、互いの欠けた穴を埋め合うか。……君たちの勝ちだ」 氷河は穏やかな顔で、黒咲を見上げた。 「……凪浩一。この先には、黒鷹がいる。あいつは……君たちが知る黒岩ではない。組織が作り上げた、感情を排した『完成形』だ」
氷河は懐から一振りの小刀を取り出し、浩一に手渡した。 「これは、かつて私が愛した者を守れなかった時に使った刀だ。……君は、私と同じ過ちを繰り返すな」
氷河五露乃介の体が、霧の中に溶けるように崩れ落ち、静かに息を引き取った。 伝説の壁を越えた三人の前に、最下層へと続く巨大な鉄扉が重々しく開く。
その奥から漂ってくるのは、懐かしい「海沼玲亜」の匂い、そして――吐き気を催すような、薬品と血の腐臭だった。
「……行くぞ。決着をつけに」
浩一の言葉に、黒蜜と藤堂が力強く頷く。 最下層の闇の向こう側で、黒鷹勇(黒岩)が冷酷な笑みを浮かべて待っていた。
(つづく)
コメント
1件
うおおおお現役最強トリオ集結とか熱すぎる!!🔥🔥 黒蜜の強化外骨格で加速して牽制、藤堂の炎で氷河の防御を弱らせて、黒咲が心の眼で一瞬を見極める連携、完璧すぎて震えた😭💕 氷河の「個を捨てて穴を埋め合う」って台詞にグッときた…最後に小刀託すシーンも泣ける。次回、黒鷹との決着が待ちきれないよ!✨