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温泉旅館・貸切風呂
脱衣所でバスタオルを巻いていると――
ガラッと扉が開いて、先に入っていた元貴が顔を覗かせた。
「○○、まだ? ……ていうか、入ってこないと迎えに行っちゃうよ?」
「ちょっ、待って待って! 今行くってば!」
(でも元貴、バスタオル1枚で来るの反則でしょ……!)
おそるおそる湯気立ちこめる浴場に入ると、
すでに湯船には涼架と滉斗の姿が。
「お、○○来た~! 遅いよ~!」
「ほら、ここ空いてるから、俺の隣来なよっ」
滉斗がニコニコしながら湯の中でスペースを空ける。
「……あんま前かがみにならないようにね」
と、隣で目を伏せる涼架。
「……ちょ、涼ちゃん、その言い方……///」
「ん? 見えちゃったら困るでしょ」
「俺のは……見せてもいいけど??」
「だめ!!!!」
あなたが慌てると、涼架はくすっと笑った。
すると、湯の中からぬっと元貴が現れて、あなたの手を取る。
「もういいってば。○○は、俺の隣が落ち着くんだよな?」
「ちょ、元貴、手ぇ引っ張らないでよ!」
「あっ……!?」
そのまま引き寄せられて、あなたはバシャッと湯の中に座る羽目に。
「……やば、ごめん。濡れすぎた?」
「……まあ、もうちょっと濡れてもいいけどね」
と、耳元で囁く元貴。
「って! おい元貴! 俺が先に誘ったんだぞ!?!?」
滉斗がぷくっと頬をふくらませて近寄ってくる。
「ねぇ、○○〜、背中流させて? 俺、ゴシゴシ上手だよ?♡」
「じゃあ俺は髪洗ってあげる」
涼架がぬるっとタオルを取り出してくる。
「いやいや、髪は俺が洗うって最初に言ってたじゃん!!」
「なに勝手に先越そうとしてんの!? 涼ちゃんずるい!!!」
「俺が先って、いつそんな約束したっけ?」
「ねぇ、○○……どっちがいい?」
3人の顔が、一斉にあなたを見つめる。
「……っていうか、俺もう我慢できない……」
急に真剣な声で、元貴があなたの両肩を掴む。
「○○が誰に一番甘えたいのか、ちゃんと教えて? じゃないと、俺たち喧嘩になる……」
滉斗がすかさずあなたの腰に手を回してくる。
「……俺だよね? 一番くっついてたいの、俺でしょ?」
涼架が、あなたの髪をそっと撫でる。
「……誰のとこに来てもいいよ。でもね」
「選んだなら、逃がさないから」
ドクンと心臓が跳ねた。
3人の視線。熱いお湯よりも熱い体温。
泡の音さえ、かき消されるような静けさの中。
あなたの唇が、何かを言おうと震えていた――
次回、お泊まり編へ?♡