ニキ(💛)×まちこりーた(💚)
お付き合い済、同棲中ニキまち。
※R-18/リクエスト作品
リクエストお題『不憫🪴さん』『コスプレ』
ありかとうございました🙇✨
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深酒注意報【💛💚】
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【登場人物】
💚まちこりーた:本名もまちこ。大人気TikToker。
💛ニキ:大人気YouTuberで、まちこの彼氏。
舞依:まちこの友達。大手商社で働くバリバリのキャリアウーマン。
燈花:まちこの友達。比較的流行りに敏感で、陽キャ寄りのネイリスト。
璃子:まちこの友達。四人の中で唯一の理系で、IT系企業に就職。
※名前ありモブ(🪴さんの友達)がいっぱい出てきます。そしてめちゃくちゃ喋ります。
※一般に売られている小説の文章表現をちょっとだけ意識して書いてみたので、本編前の文が少し長くなってます。ご了承ください。
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〜💚side〜
「……ねえ。まちこり、コレ何?」
「…えぇーっと、そのぉ……」
そう言ってそれの入った袋を突き出す彼から刺さる視線がなんとも痛い。私は冷や汗を掻きながら、顔を明後日の方向へと思いっきり逸らす。
流れた汗でウルフカットの襟足が首に張り付いて、なんとも気持ちの悪い感じがした。
◆ ◆ ◆
「ほぉーらまちこ、飲め飲めぇ!」
「もう結構飲んでるよぉ〜w」
そんな会話をしたのは、ほんの二日前。
大学時代の友達と、久々に集まって女子会をしていた時のことだ。
暑くてじめじめした、そんなとある夏の日。
その日は、一日ぽっかり予定がなかった。
事前に撮っていたシルエット声優としての動画も編集し終わったし、レコーディングなんかの予定も何一つ無かったのだ。暇だから、とダメ元で当時つるんでいたグループの皆に声を掛けてみれば、なんと三人全員からオーケーのサイン。都内の少しお高い居酒屋で、当時仲の良かった四人で一緒に飲むことになった。
居酒屋に着いてしばらくは世間話や思い出話で楽しんでいたのだが、酒を含む度私たちの話は濃くなっていく。
「…んで? まちこ。アンタ彼氏と同棲中なんでしょ? なんかないの、肴になるような話は」
肩ほどまでのボブを軽く巻いた髪型に、薄く乗せられたナチュラルメイク。酒には比較的強く、顔は少しも赤くなっていない舞依が言う。目元のくっきりとした彼女の目は、彼女のさっぱりとした性格をよく表していた。
「えぇー? そんなのないって、別に普通だよ」
そう笑いながら私が返すと、次は向かい側から声が掛かる。
「ホントにぃー? まちこさ、全然私たちに写真見せてくれないじゃん。やっぱなんかあるんじゃないのぉ??」
ポニーテールでひとつに纏めた長い髪を揺らして、ニヤニヤとしながら私を見つめる燈花。コイツは絡み酒だから酒を飲ませると少々面倒くさいのだが、その話は割愛する。ただし、この四人の中で一番陽キャに近いのが燈花だ。それは確実。
「…はーん? もしかして彼氏、芸能人だったりして!」
「なぁるほど! さっすが璃子、一理ある」
ぴこーん!とでも効果音が付きそうなほど勢い良く璃子が言うと、私より先に茶化すようにして舞依が答える。
璃子は四人の中でも一番頭が良い。大学時代も成績は常に上位をキープしていたから、正直、もっと上の大学だって目指せたんじゃないかっていうレベルだ。
「別にそんな大層なもんじゃないけど…うちの彼氏がただ写真撮られるの嫌いなだけ!」
へぇー、ほんとにぃ〜?なんてニマニマ笑う璃子の予想は、当たらずとも遠からず。
私の彼氏は──ううん、私と彼氏であるニキニキは、お互いに活動者同士だ。
一般人としての『まちこ』が、フォロワー数90万人越えのTikToker『まちこりーた』だと知っている人は少ない。…まあ、舞依たちにも一度「このまちこりーたって人とまちこって声似てるよね、名前も近いし」なんて聞かれたことはあるが、それはなんとか誤魔化したので無問題である。
ニキニキとも活動者繋がりで出会って、二年前に交際を始めた。今では同棲もしていて、私たちなりにうまくいってるんじゃないかと思っている。
写真を見せないのも、彼は顔出しをしているからだ。今のご時世、画像検索でもすれば一発でバレる。
(せっかくの女子会なんだから、もっと恋バナとかもしたかったんだけどなあ…)
お互いのことを考えれば、仕方ないところではあるのだが。はあ、と小さくため息を漏らすと、燈花からなかなかに際どい質問が飛んできた。
「じゃあさぁ、みんな夜の方とかもうまくいってるの?」
「!!??」
驚きのあまり、口に含んでいたカクテルを吹き出しそうになる。しかし、璃子は何も気にしていないかのようにさらりと告げた。
「うーん、でも最近マンネリ気味なんだよねぇ…」
璃子の彼氏は、確か職場の後輩だったはず。前に写真を見せてもらったことがあるが、かなりの無表情でクールな性格らしい。大人しそうな見た目に反して結構ぶっ飛んでいる璃子とは正反対だ。
「何それ、彼氏いない私への当てつけ!?w …んでぇ? そこんとこどうなのよ、まちこさんは」
舞依は、大学の時から付き合っていた彼氏と最近別れたらしい。浮気が発覚したとかなんとかで。
「んー…私も、最近できてないかもなぁ……お互い色々忙しいし」
とりあえずことわっておくと、私は少し──いや、かなり酔っ払っていた。普段ならこんなこと、友達にだって絶対に言わない。
もともと喋り出すと止まらない燈花。でも、いつも激しいからこれくらいで丁度良いんだけどね、なんて続ける暇は与えてくれなかった。
「やっぱみんなそうなんだ…。で、そこで提案なんだけど!」
目を輝かせながら少しボリュームを下げて話し始める燈花。──こういう時の彼女は、なんだか嫌な予感がする。
「お、まちこめっちゃ似合ってんじゃん!」
「それな? まじで可愛いよ、これなら彼氏も惚れ直すに決まってる」
「うん、めっちゃエロい。」
「いや璃子、お前オッサンか?」
──都内のとある試着室。
私は何故か緑のチャイナドレスを着て、三者三様に褒められていた。…もっとも、最後のは聞き捨てならなかったけども。
感じていた嫌な予感は的中した。
「コスプレえっち、ってやったことある?」…そんな燈花の言葉を皮切りに勢いでやってきた某驚安の殿堂、ド○キ。
舞依と燈花と璃子が三人で選んだチャイナドレスとともに無理やり試着室に押し込まれ、今に至る。
「ね、も、ほんとに恥ずかしいんだけど…!?」
「大丈夫よ、だってまちこは可愛いもの〜」
「そういう問題じゃない!!」
舞依が絶妙に似ていない某大人気アニメの声真似を披露し、原作通りに私がツッコむ。もちろん得意の声真似付きで。
そんなコントを繰り広げていれば、トイレに行く、と言っていた璃子が戻ってきた。
「あ、まーちこちゃん、もうソレ買ったから! 役立てるんだぞっ☆」
「なっ……!」
──嵌められた。
よく見れば袋は璃子の手の中で、ずっとあると思っていた場所は既に空っぽだった。
アルコールで悪ノリが加速している今でも、さすがに露出の多いチャイナドレスで街を歩くような発想には至らなかったらしい。
私はそのチャイナドレスを押し付けられたままタクシーに乗り込み、でろでろの状態で家に帰った。
◆ ◆ ◆
「…で、コレは何って聞いてるんだけど」
「えっと、それは、その……」
まずい。非常にまずい。
昨晩の女子会のあと、酔っ払って帰った私。何も考えずにシャワーだけ浴びてベッドダイブしたから、ニキニキのことなんて考えていなかった。
昨日は、ニキニキも仕事の飲み会だと言って家を空けていた。だからこうして顔を合わせるのは、次の日の朝──つまり今日になるだろう、という暗黙の了解があったわけだ。それなのに。
今私の前に立っているのは、こちらをじろりと睨みつける彼氏の姿。もともと眼力の強い彼だ、視線が突き刺さるようにして身体を痛めつけてくる。
その手には、こんな雰囲気には似つかわしくない例のチャイナドレスが握られていて。
何をどう勘違いしているのか知らないが、私は彼を相当怒らせてしまっているらしい。
「…何、言えないぐらいやましいことなの? もう俺に飽きちゃった? 俺こんなの買ってやった記憶ないんだけど」
──言い出せもしないような空気にしてるのはそっちだろ!!
そう言いかけた言葉をごくりと飲み込む。
「だから違うの、それは昨日…」
別にやましいことは何一つない。私はひとつ息を吐いて、昨夜のことを話し始めた。
「え、じゃあつまりさ、コレ俺のために買ってきてくれたってこと?w」
さっきまでの険悪な空気が嘘みたいに、ニヤニヤしながらニキニキが言う。
「ぅ……まあ、そう…かな?」
あながち間違ってはいない。厳密に言えば買ったのは私じゃなくて璃子だし、私の意思で買ったわけではないんだけれども。
途端に笑顔になったニキニキは、「へぇ」「ふーん」とか言いながらこちらに近づいてくる。
──いやコレ、駄目なやつだ。
こういう目をしている彼と対峙して良かったことはない。次起きたときにはいつも腰を痛めている。
「じゃあさ、着て見せてよ。俺のために買ってきてくれたんでしょ?」
「……」
にっこり笑ったニキニキに逆らう気なんて起きなくて、私は彼を睨みながらそのチャイナドレスをひったくるようにして奪い取った。
◆ ◆ ◆
〜💛side〜
「……何か言ってよ…」
「お、おう……」
ごくり、と喉が鳴るのが分かった。
まちこりのイメージカラーである緑のチャイナドレスに包まれた白い柔肌を、恥ずかしさからか真っ赤に染める彼女。タイトなつくりになっているそれは彼女の綺麗なスタイルを強調していて、深く入ったスリットからは白くて細い脚が覗いている。
(…どちゃくそエロいな)
上目遣いで泣きそうになりながらこちらを睨みつける彼女は、正直、めちゃくちゃ唆られる。
自制なんか出来るわけがなくて、気づけば背後のベッドに彼女を組み敷いていた。
「あ゙ー…、ごめんまちこり、やっぱ手加減できそうにないわ」
「いっつもいっつもそう言ってるくせに、」
じとりとした視線を寄越すまちこりにごめんごめん、と軽く笑いながら、俺は彼女の唇にキスを落とす。触れるだけじゃ物足りなくて、貪るように舌を入れて絡みつけた。
ぴっちりとしたそれに強調されている控えめな胸をやわやわと揉む。すると、かり、と何だか硬い感触。
「ひぁっ!?♡♡」
「…え、もしかしてまちこり、」
──ブラ着けてない?
目線を上げてそう訊けば、目を逸らしてゆっくりこくりと頷くまちこり。
「だっ、て…チャイナ服のときは下着着けないって、ネットに書いてあったもん……」
そう呟いた言葉は、どんどん消え入りそうな声になっていく。──しかし、ド○キで買えるようなコスプレは生地も薄くて下着は着る前提で作られているはずだ。
俺は口角が上がるのが止まらなくなって、抑えるようにその白くて細い項に噛み付いた。
「はっ、ネットに書いてること鵜呑みにして信じちゃったんだ? かーわい♡♡」
「ん、…っ」
そのままする、と舌を這わせて彼女の弱い耳をぺろりと舐めると、まちこりは威嚇でもする猫みたいにびくりと肩を震わせて「ひゃっ」と声を漏らす。
同時にスリットから覗く脚に手を滑らせて指の腹でゆっくりとなぞれば、彼女は息を荒らげながら俺の服を掴んだ。
(俺に縋ったところで、まちこりをこうしてるのは俺なんだけど)
「んあ、や…っ、ん♡」
そんなことを考えながらも、彼女を愛撫する手は止めない。触れるか触れないかのあたりで焦らすようにゆっくりと手を動かせば、彼女の腰は浮き始めて。その薄い腹に、ちゅぅ、と吸い付いて赤い花を咲かせた。
「もう…やっ、じら、さないでっ♡♡」
服の上から、イきたくてもイけない、そんな愛撫を繰り返す。
チャイナドレスのつくりのせいか、必死に絡みついてくるまちこりの脚はいつもより動きが鈍くて。
ちらちらと覗く白い太腿に誘われるように、俺は彼女のチャイナドレスの裾を持ち上げた。
「…うわ、もうとろっとろじゃん♡ 下着とか紐パンだし、えっっろ♡♡♡」
そう欲望のままに言葉を吐けば、まちこりは俺をキッと睨みつけてきた。その視線に、ぞくぞくと支配欲が煽られる。ハッ、と軽く笑って、その蜜壷をぐちゃぐちゃと掻き回した。
「こんだけ濡れてたら慣らす必要、ないよね?」
俺はそう言って、くちゅりと卑猥な音を立ててキスをしながら自身の怒張を突きつけた。
まちこりと付き合い始めて、思っていることがある。そりゃ、お互い初めてじゃない。まちこりだって俺だって、それなりに経験はあったはずだった。
俺は別に、もともとこれだけ鬼畜なことが好きな訳ではない。今でも好きだという、いわゆるドSなのだという自覚はないのだけれども。
それなのに、まちこりの涙を見ていれば、どうしようもなく欲情してしまうのだ。
(俺、こんなヤツだったかなw)
俺は汗まみれの自身と彼女の身体を拭きながら、ひとり自嘲の笑いを零す。彼女の首元を吸って、ひとつ赤い所有印を付けた。
◆ ◆ ◆
〜💚side〜
「あらぁ、まちこちゃん。それ、隠しといた方が良いわよ?」
「ほぇ?」
次の日。
私は、都内で仕事だった。いわゆる、案件の打ち合わせである。ズキズキ痛む腰を抑えながら歩いていると、隣を歩いていたマネージャーに声を掛けられた。
(……それ?)
突然言われた言葉に固まっていれば、マネージャーは何故かニヤニヤしながら私にこっそりと耳打ちしてきた。
「それ、その首元のとこ。いやぁ、まだまだ若いわねぇ〜w」
「〜!?」
慌ててスマホを開いてインカメで確認する。そこには、くっきりと残された昨日の情事のあと。
そう認識してしまえば私の頭は言うことを聞かなくて、朝からずっと続けられたそれを鮮明に思い出してしまう。記憶は途切れ途切れだが、あのチャイナドレスは一生封印だ。
(あいッつマジ、)
家で編集作業に追われているであろう彼氏を思い出して、つい恨み言を吐く。
でも、そういうところも彼に惚れてる私がいるんだよな、と私はひとり苦笑した。
コメント
4件
有難う御座いました。 コスプレというお題だけでここまで素晴らしいものが書けるなんてと感動致しました。 これからも応援してます。
Xでの告知からワクワクしてました!!!!!!ほんとに最高でした…ニキまちはニキニキS、まちこちゃん羞恥心が最高です👍