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さかな
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#WB夢
紅葉 転生
53
楡井「うわ…なんでこれ言ってくれなかったんですかぁ」
情報収集をしていた楡井が、
電子カルテの文章を見て嫌そうな顔をした。
ナースステーションから少し遠い病室で
ベッドを準備している蘇枋の元に、小走りで向かっていく。
カルテには、
『点滴自己抜去あり』と書かれていた。
子どもたちが寝ている病室の扉をそっと開ける。
楡井「蘇枋さーん……」
大きな声を出しすぎないように、彼の名を呼ぶ。
一回呼んだだけで蘇枋は気づき、病室を出た。
蘇枋「どうかした?」
楡井「それが…カルテに自己抜去ありと書かれていて…」
蘇枋「…ステーションに近い場所にしろと」
楡井「そうです」
蘇枋は小さくため息をついて、楡井と共にナースステーションに戻った。
戻るないなや、病棟のモニターを確認する。
2人はそろって難しそうな顔をした。
蘇枋「って言っても、空きが個室しかないからなぁ…」
楡井「転ベッドはしたくないですしね」
うーん、と数秒考えたあと
蘇枋「…よし、個室にしちゃおうか 」
楡井「ですね」
転ベッドと貴重な個室を天秤にかけたあと、
負担が重かったのは転ベッドという考えになった。
蘇枋「あそこの個室はもう準備されてるはずだから、俺も情報収集手伝うよ」
楡井「ありがとうございます…」
楡井がふと時計を見ると、
針はもうすぐ12の数字に到達しようとしている。
あと少なくとも5時間。この状況と戦わなければならない。
楡井「…ん?」
患者が運ばれてくるまで、パソコンで情報集め。
電子カルテの『通報状況』にある文章が
楡井の目に止まった。
『午前0時10分頃、近隣住民が風鈴公園のベンチ付近で、ひとりで倒れているのを発見。
通報から5分で救急車両が到着、10分後風鈴総合病院に救急搬送。 』
楡井「(こんな深夜に子どもがひとりで…?)」
次に病状説明の欄を見る。
『男幼児。年齢推定5〜6歳。身長96.3cm。体重9kg。』
楡井「え、9?」
楡井は目を疑った。
5、6歳の平均は身長106cm、体重は14kgくらいである。
個人差はあるが、低身長、かなりのやせ傾向である。
その下を続けて読む。
『搬送時意識レベル3桁。今現在、2桁。
発熱あり、39.5。脱水症状あり。呼吸困難に伴うチアノーゼの発症あり。解熱と脱水の点滴を打ったところ、10分ほどで意識が回復し、その後自己抜去。』
蘇枋「…3箇所くらいツッコませてって顔してるね」
ふふっ、と蘇枋は笑った。
楡井「盛りだくさんすぎませんか?
発熱脱水はまぁあるあるですけど…チアノーゼですよ?」
「しかも呼吸困難って…」
蘇枋「なんか訳ありっぽいよねー」
「救急の方はインシデントで大変なんだろうなぁ〜」
笑顔のままマウスを操作する蘇枋。
目が全然笑っていないが。
蘇枋「まったく…救急は毎回注文が多いなぁ。
今になってナースステーション近くとか、報告しないで欲しいんだけど…」
通話で言ってくれればいいのに〜と蘇枋はスペースキーをバンバン叩く。
楡井「蘇枋さん。パソコン。
パソコン壊れます。今月2回目です」
冷静に注意する楡井。
様子からするに、これが日常茶飯事なのだろう。
蘇枋「おっと。また柊さんに怒られるところだった」
「ありがとう、にれ君」
楡井「そろそろ物に当たるのやめましょう」
学生の時もそんな感じだったじゃないですか、とジト目で蘇枋を見る楡井。
蘇枋はごめんごめんと手刀を切った。
コメント
1件
え、第2話もめっちゃ良かった…!😭💕 蘇枋くんの目が笑ってないところ、ゾクッとしたよね。普段あんなに穏やかなのに「注文が多いなぁ」ってキレそうになる感じ、医療現場のリアルなイライラが伝わってきた…。 それに体重9kgってマジでヤバいし、チアノーゼとか呼吸困難って…この子、絶対なんか訳ありだよね。楡井くんの冷静なツッコミも大好き、今月2回目のパソコン破壊に「そろそろやめましょう」ってジト目するところ、コンビ感あって尊い…!次話も待ってるよ〜!🌸