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🌞kid×🎤ymoi
注意
◇ご本人様には一切関係ありません
◇nmmnです
◇地雷&苦手な方はお早めにご退出
◇この先、名前の伏せ字なし
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〈甲斐田目線〉
「あ、いだはるじゃん」
廊下の奥から声がかかる。
「おつかれ〜。ろふまおの撮影?」
kid「あ、お疲れ様です!今日はV△LTの撮影です。ゆめおさんはなんのお仕事で?」
ymoi「僕はちょっとした会議。案件でガッポガッポよ〜」
ふざけたような笑みを浮かべながら手でお金のポーズを作る先輩。
デビュー当時からお世話になってる超尊敬する大先輩だ。
ymoi「甲斐田はよく働くねぇ〜。そんなに老後が心配?」
kid「そういうわけじゃないっすけど。なんだかんだ楽しいんで。続けれてるだけです」
ymoi「甲斐田には天職だったんだねぇ〜」
微笑ましそうに僕を見る夢追さんは、少し疲れているように見える。
kid「ゆめおさんはお疲れ系ですか?」
できるだけ優しく、少し顔を覗き込むように言うと、ゆめおさんはバツが悪そうに唸った。
ymoi「う〜ん…はは、そうなんだよね。最近寝ようと思ってもよく眠れなくて。その間にも仕事入れたら案の定疲れるっていう…」
あぁ、思ったよりも重症かもしれない。
普段なら他人に、しかも後輩に、こんな弱音みたいなことを口走ることはない。
kid「無理やりにでも休んでくださいね。ゆめおさんは働きすぎなんですよ」
ymoi「はは、それ甲斐田に言われても説得力ないよ。でも…そうだね。今日はゆっくり寝るよ。マネさんにも心配かけてるし」
こう言ったこの先輩の有言実行を、僕は見たことがない。
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〈夢追目線〉
眠れない。
体は寝たいって言ってるのに、頭がそれを拒む。
ベッドに横になっても眠気は来ない。
スマホで、寝室が安心できる場所になっていないから眠れない、という記事を見たから、一回ホテルに泊まったりもした。
結果は同じ。
いつも体の限界が来て、夜でも昼でも関係なく気絶するように眠る。
不規則な時間に、不規則な睡眠を摂る。
今にも眠ってしまいそうなのに、頭の中では常に何かを考えている。
その限界状態で、不思議と作業は捗るが、体は悲鳴を上げる。
『無理やりにでも休んでくださいね。ゆめおさんは働きすぎなんですよ』
後輩の言葉が脳裏に刺さったまま、同業者のメッセージを開いた。
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〈甲斐田目線〉
スタジオのちょっとした休憩スペース。
そこで水を飲む尊敬すべき先輩。
だけど今は、十分な休息も取れないダメ人間だ。
前会った時よりも少し痩せた気がする。
最近はジムに行って筋肉がついてきたと喜んでいたのに。
メイクも、自分を綺麗に見せるんじゃなくて、健康に見せようとしている。
貴方の体は、貴方だけのものじゃない。
そう言いたい。
だけど言ってしまえば益々不眠に拍車がかかる。
だから僕は。
臆病な僕は、今日も後輩として話しかける。
kid「ゆ〜め〜お〜さんっ!お疲れ様です」
ymoi「おお、甲斐田。おつかれ。今日はろふまお?それともV△LT?」
kid「今日はろふまおです。ゆめおさんは?また案件の打ち合わせっすか?」
ymoi「今日は今度やる司会の台本よみ」
kid「…そんな体でやるんですか?」
ymoi「うん。眠ろうとしても眠れないし…これは神様からのお達しかなって思って。お前は寝てないで仕事しろ〜っていうさ」
kid「そんな神様がいるんなら俺が殺します」
ymoi「…え?」
kid「ゆめおさんをこんなにする神なんて僕が殺します」
ymoi「いやだからなんで」
kid「…理由いりますか?」
kid「ゆめおさんが心配で、この上なく大事なだけのただの後輩の言葉です。でも、そんな後輩の言葉も受け止めてしまうくらい貴方は……優しいから」
泣くな、僕。
ここで泣いたら卑怯だ。
kid「ゆめおさんは、眠たくないんですか?」
ゆめおさん、そんな顔しないでよ。
そんなの僕、泣いちゃいますよ?
ymoi「…眠たいよ。だけど、眠たくない」
ymoi「はは……助けてよ、甲斐田」
貴方は本当に、笑顔が上手だ。
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〈夢追目線〉
ymoi「…あ、ありがと」
僕は今、甲斐田の家にお邪魔している。
渡されたホットミルク。
はちみつ入れ放題という優待付きだ。
何もかも、後輩に助けを求めた俺が悪い。
kid「お風呂沸かしとくんで気向いたら入ってください。パジャマは僕ので。ベッドは思う存分使ってくれていいんで」
せっせと自分用の敷布団をリビングに持ってきた後輩。
僕が少し弱音を吐いたら、『家来てください』だの、『眠れるまで付き合います』だの言ってきて、断れずにここまで来てしまった。
ymoi「流石に泊めてもらうんだから、家主を差し置いてベッドっていうのは夢追気が引けるなぁ…」
kid「気が引けるとかいう問題じゃ無いでしょ。僕はあんたを寝かせるために招いたんですから。ちゃんとベッドで寝てください」
ymoi「はぁ…」
この行き場のない申し訳なさや、罪悪感から逃れるようにはちみつに手を伸ばす。
黄金に光る液がミルクに溶けていく様は、確かに眠気を誘う。
kid「あ、ゆめおさん。明日お仕事ある感じっすか?」
ymoi「いや、特にはないけど」
kid「それじゃあゆっくりできますね。よかった」
いつもよりもゆっくりと、穏やかに、優しく話すこいつは、本当に甲斐田晴なのか?
こんな後輩持った覚えないんだが…
kid「あ、お風呂沸きましたよ。入ります?」
ymoi「ん…入ろうかな…」
あれ、声が低い。
瞼が重い。
kid「気が向いたらでいいですからね。このまま寝ちゃってもオーケーですし」
…そっか。
なら、お言葉に甘えて
寝ちゃおうかな。
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ymoi「……ん゛んっ…いまなんじ…?」
kid「あ、起きた。おはよ〜ございます、ゆめおさん。今は朝の8時っすね。ざっくり9時間睡眠です。気分どうですか?」
俺の顔を覗き込む甲斐田。
ああそっか、あたし後輩の家で寝落ちたのか。
ymoi「うん、さいこー。久しぶりのまともな睡眠」
kid「よかったっす」
あぁ〜…これやばいか??
kid「朝ごはんも軽くなら作れますけど、食べます?」
俺が昨日寝れたのは、たぶん安心したから。
その安心もたぶん、こいつの声のおかげ。
僕の体が、甲斐田の声を、仕草を。
匂いを覚えてしまった。
kid「ゆめおさん?」
ymoi「…うん、食べたい」
さて、甲斐田にはどうやって責任を取ってもらおうかな。