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「やっぱりさぁ、ちょっとおかしくない?」
ネットを終え学校に向かった志露は、休み時間、友達の庚絃火に言われた。志露は少し顔を傾けて「なんで?」と言う。
「シロのさぁ、フォロワーでそんなに仲良くなること無いでしょ?」
志露は小さく頷いて、「でも、」と言いかけたが、喉でことばを止めて下を向いた。絃火は、ん?と志露の顔を覗き込んでどした?と言い、志露の「でも」の後のことばを志露に問う。
「その人は私と同年代って言ってたから、親近感感じてるだけじゃないの、、、かな、、、?」
志露は少し騙されやすいところがあり、そして何より、色々なところに感情移入して同情してしまい、その人を信じ込んでしまうところがあった。
「そう、、、かもしれないけど、ネットの人はよくわからないからね、、、、」
絃火はあえて中性的な意見を言った。ネット民の全ての人が悪いわけではない。勿論、志露みたいな人もいる。でも、中学生だと年齢を公表している女性に近づくということは、少なからず下心が紛れている。志露はその下心のせいで、2回ほど、心に傷を追ってしまった。そしてその傷が癒えることはない。それでも信じてしまう志露の気持ちには、「あの人は悪い人じゃない」より、「悪い人ではないと信じたい」という思いが隠れている。絃火は「紫丁香花」という人物をよく知らないので、絶対に駄目だと言うことはできないが、志露の気持ちを完全に尊重することもできないと感じた。