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📖 第24章:「新しい日々」
春の光が柔らかく差し込む朝。
窓から見える庭の桜が、淡いピンク色の花を咲かせている。
○○はドレスの裾を整えながら、深呼吸をした。
○○:(……本当に、今日なんだ……)
鏡に映る自分の姿を見つめる。
少し緊張しているけれど、胸の奥には確かな幸福感があった。
そして、そっとドアを開けると──そこには冴がいた。
スーツ姿の彼は、いつも通り冷静で、 でも 今日だけはどこか柔らかい雰囲気をまとっている。
○○の姿を見つけると、わずかに微笑んだ。
冴:「……似合ってる」
その一言で、○○の頬が自然に赤くなる。
そして、二人は互いの手を取り合った。
手の温もりが、過去のぎこちなさや不安を
すべて溶かしていく。
式が始まるまでの時間は、まるで夢の中のようだった。
花嫁のブーケを持つ○○の手を冴が軽く握る。
その指先から伝わる力に、○○は安心と、
ほんの少しのドキドキを感じた。
祭壇の前。
オルガンの音色が教会に響き渡る。
「二人は互いに愛し合い、支え合い、共に歩むことを誓いますか?」
○○は冴の目を真っ直ぐ見つめ、迷いなく答える。
○○:「はい、誓います」
冴も頷き、低くて落ち着いた声で答えた。
冴:「俺も、誓う」
指輪を交換し、誓いのキスを交わす瞬間、時間が止まったように感じた。
長い時間、互いを意識し、迷いながらも積み重ねてきた日々。
すべてがこの瞬間のためにあったのだと、二人は静かに理解した。
式が終わり、外に出ると春風が頬を撫でる。
青空の下、花びらが舞い、祝福の声が二人を包み込む。
冴は○○の手をそっと握り、笑顔を見せた。
○○も自然と微笑み返す。
○○:「やっと……ここまで来たんだね」
冴:「ああ、ようやくだ」
二人は手を繋いだまま、静かな路地を歩き始める。
歩きながら、過去の記憶が自然に思い出される。
初めて二人きりで帰った日の夕焼け。
冴が突然、真剣な顔で見つめてきた瞬間。
小さなすれ違いと、不器用な気持ち。
そのすべてが、今の笑顔につながっている
のだと思うと、胸が熱くなる。
夕暮れが近づくと、街並みはオレンジ色に染まり、昔二人で歩いた帰り道の景色を思い出させた。
○○:「ねぇ、覚えてる?」
○○が小さく笑いながら尋ねる。
冴:「ああ……あの時、俺が変に意地張って、○○を困らせたやつだろ」
○○:「うん、でも今は笑い話だね」
その会話だけで、二人の間には言葉以上の信頼と愛情が流れているのがわかった。
夜、結婚披露宴の後に二人だけで訪れた小さなカフェ。
窓の外には街灯が並び、静かな夜が広がっていた。
ケーキを前に肩を寄せ合い、二人はささやき合う。
○○:「これからは、ずっと一緒だね」
冴:「ああ。もう迷わなくていい」
指を絡め、顔を見合わせる。
どちらも言葉にしなくても、互いの気持ちは確かに伝わっていた。
そして二人は、満天の星が瞬く夜空を見上げる。
これからの未来はまだ見えない。
でも、二人でなら、どんな日々も乗り越えていける──そんな確信があった。
数年の時を経て、すべての過去が今の幸せに繋がったことを静かに感じながら、
冴と○○は手を握り、歩き続けた。
それは、二人だけの新しい日々の始まりだった。
END
コメント
1件
え、ちょまて、この世に2人よりも幸せな夫婦居ないだろうな