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土曜日。
インターホンを押す指が震えてる時点で、俺はもうなんか負けている気がした。
ピンポーン。
🦈「はーい!」
ドアが開く。
……無理かわいい。
🦈「いらっしゃい、すちくん」
こさめ、部屋着。
ゆるいTシャツにショートパンツ。
破壊力が法律違反。
🍵「……」
🦈「どうしたの?」
🍵「なんでもない」
とりあえず目を逸らす。
入った瞬間ふわっといい匂い。
心臓がうるさい。
🦈「映画見る?」
🍵「見る」
距離を保とうとソファの端に座る。
こさめ、当然のように隣。
ぴったり。
🍵「近いよぉ‥」
🦈「恋人だからだもん‥だめ?」
そうだった。
映画が始まる。
でも内容ほぼ入ってこない。
こさめがポップコーンを差し出す。
🦈「あーん」
🍵「自分で食べなさい」
🦈「けち」
むっとする顔可愛いなやめて。
しばらくして。
こさめが寄りかかってくる。
肩に重み。
🍵「眠い?」
🦈「ちょっと」
頭が俺の肩に完全に乗る。
体温。
柔らかい感触。
理性メーター赤。
(落ち着け)
映画が終わるころには、こさめは半分寝ていた。
🍵「……ベッド行く?」
小声で聞く。
🦈「うん」
問題はここから。
ベッドは一つ。
🍵「布団もう一枚出そ」
🦈「別に出さなくていいよ」
🍵「よくない」
押し問答。
結果。
俺が床に布団。
こさめがベッド。
完璧。
のはずだった。
電気を消して数分。
🦈「すちくん」
暗闇。
🍵「なに」
🦈「さみしい」
心臓に悪いワードやめて。
🦈「手、だけ」
沈黙。
理性と相談。
……手だけなら。
ベッドの端に手を伸ばす。
こさめの手がぎゅっと握ってくる。
🦈「安心する」
小さな声。
く‥っそ。
可愛い。
数分後。
🦈「すちくん」
🍵「なに」
🦈「こっち来て」
それは無理。
🍵「だめ」
🦈「なんで」
🍵「俺が危ない」
🦈「なにが」
無自覚天才。
沈黙。
でも。
しばらくして。
ベッドがきしむ音。
🍵「!?」
こさめが床に降りてきた。
🦈「じゃあこさめがこっちに来て一緒にこっちで寝る」
俺の布団に入ってくる。
距離ゼロ。
🍵「こさめちゃん」
🦈「なに」
暗闇で目が合う。
近すぎる。
🍵「ほんとに、危ない」
正直に言う。
こさめは少し黙ってから。
🦈「信じてる」
小さく言う。
🦈「すちくんのこと」
その一言で。
全部、止まる。
俺はそっとこさめを抱き寄せる。
強くなりすぎないように。
大事に。
🍵「寝て」
🦈「うん」
胸に顔をうずめてくる。
鼓動、絶対聞こえてる。
🦈「ドキドキしてる」
🍵「してるよ‥そりゃ」
隠さない。
🍵「おやすみ」
髪をそっと撫でる。
こさめが小さく笑う。
🦈「うん」
しばらくして、寝息。
俺は天井を見つめる。
理性、ギリギリ生還。
でも。
腕の中の体温が、幸せすぎて。
(好きだな)
翌朝。
目を開けると。
至近距離にこさめの顔。
寝起き無防備。
再び死亡。
🦈「おはよぉ‥」
にこ。
🍵「……おはよ」
朝からこれは聞いてない。
🦈「ねね、また泊まる?」
悪魔みたいな質問。
🍵「……しばらく禁止」
🦈「えー!」
笑い声が部屋に響く。