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「え…でも、この、気に入らなかったんじゃ…」


「何言ってるんですか。すげぇ気に入りましたよ」


「なんだ。良かった。口開けたまま何も言わないから好みじゃないのかと思った」


「すみません。びっくりしすぎて。心配しなくてもめちゃくちゃ好みだし、瞬さんならなんでも好みなんで大丈夫ですよ」


「そ、そう?それならいいけど…」


「それと…」


そう言いながら、諒真は俺に近づき、俺の顔を覗き込んで言った。


「俺のためにそこまでしてくれるのすげぇ嬉しいです」


その言葉で俺は我に返る。


「べ、別にっ…諒真のためじゃないし…」


「え〜?じゃあ誰のためです?」


「いや…誰のためとかじゃなくてその…一応デートだから、オシャレくらいしないとなって思っただけだし?」


必死にそう言う俺を見て諒真はクスッと笑った。


「しょうがないんでそういうことにしてあげます。俺もすぐ準備してくるんで、待っててくださいね」


そう言って諒真は準備をしに行った。

諒真の準備が終わり、俺は唖然とする。諒真は服を着替え、髪をちょっと整えただけなのにすごくかっこいい。


(俺は美容院行かないとおしゃれに出来ないのに…)


俺がじっと見ていると、諒真が不思議そうに聞く。


「どうしたんですか?そんなに俺の事みて」


「いや、諒真は何もしなくてもかっこいいなって…」


「ほんとですか?瞬さんが褒めてくれるなんて嬉しいな」


そう言って諒真はニコニコしている。


「い、いいからほら。早く行こ」


そう言い残して俺は玄関に向かった。それに続いて諒真もついてくる。そしてそのまま家を出た。外を歩いていると、なんとなく周りの人からの視線を感じた。

俺は疑問に思い、諒真に問う。


「ねぇ諒真、俺なんか変?」


「え?変じゃないですよ。なんでですか?」


諒真は不思議そうにそう聞く。


「いや、なんとなく見られてる気がして。やっぱ似合ってないのかな。この髪型」


「そんなことないです。多分、瞬さんが可愛いからみんな見てるんですよ」


「か、可愛い?」


「はい。すごく」


そういった後、諒真は俺の耳元に口を近づけ、囁く。


「本当は他の人に見せたくないくらい」


そう言って諒真は俺の耳元から口を離す。俺はそんな諒真にドキッとしてしまう。


「な、なんだよそれ」


「ん〜…独占欲?」


「はは、笑える」


俺が棒読みでそう言うと、諒真はふふっと笑う。


「全然笑ってないじゃいですか。照れてるってことでいいですかね?」


「照れてねぇわ!」


「ほんと瞬さんって可愛い」


「うるさい!」


そんなやり取りをしながら、遊園地に向かった。

遊園地につくと、俺はテンションが上がる。


(遊園地なんて久しぶりだな…楽しみ!)


俺は辺りを見回して、1つのジェットコースターを指さす。


「あれ乗りたい!」


「お、いいですね。乗りましょう」


「よっしゃ、レッツゴー!」


俺はそう言って走りだすが、諒真がついてこない。


「諒真〜、早く早く!」


「はい、今行きますよ〜」


諒真はそう言ってふふっと笑う。そして俺の方へ走ってきた。

そしてその後、色んなアトラクションに乗った。次のアトラクションへ移動する途中で諒真はふと口にする。


「瞬さんめっちゃテンション高いですね」


「遊園地なんて久しぶりだからな。今日くらいテンション高くてでいいだろ」


「もちろんいいですよ。無邪気で可愛いですし」


そう言って諒真は微笑む。


「可愛くは無いだろ別に」


「いや?可愛いですよ?すごく」


「可愛くないって!」


「可愛いです」


「可愛くない!」


「可愛いですって」


その時、前方から聞き覚えのある声が聞こえてきた。


「瞬くん!」


声のする方を見ると、ライトさんがこっちへ走って来ていた。


「ライトさん!?」


俺の方へ走って来たライトさんはそのまま俺に抱きつく。俺は慌ててライトさんを受け止める。


「瞬く〜ん!最近全然お店に来てくれないから心配してたんだよ〜」


そう言いながら俺をぎゅっと抱きしめた後、体を離す。


「あ、すみません。何も言わずに店に行かなくなっちゃって」


「ううん、いいの。瞬くんに何も無くてよかった」


そう言ってライトさんは微笑んだ。すると、横から低い声で諒真が言う。


「やけに仲良いですね。どういう関係なんですか?」


「あ…えっと…」


俺が答えようとするのを遮るようにライトさんは言う。


「どんな関係かって?そうだな…毎日夜に会ってたような関係、かな」


そう言ってライトさんはニヤッとする。


「ちょっとライトさん!誤解を生むような言い方やめてくださいよ!」


俺が慌ててそう言うと、ライトさんはあははと笑う。


「ごめんごめん。ちょっとこの人の反応が面白くて」


そう言ってライトさんは諒真の方を見る。諒真はそんなライトさんの顔をじっと見たあと、ライトさんに近づく。


「へぇ〜、お兄さん面白い能力持ってるんですね。俺の感情で遊んでそんなに楽しいですか?」


諒真は不機嫌そうにそう言う。


「え、なんでわかるんですか?」


ライトさんは驚いた表情でそう言う。


「俺、相手の正体が分かるんですよ」


「へぇ〜!すごいですね!」


(なんか二人で盛り上がってる…)


話に置いてかれそうになった俺は慌てて聞く。


「え、ライトさんの能力ってなんなんですか?」


「俺はフィールズって言って相手の感情が分かるの。例えば今の瞬くんの感情は焦りと疑問が混ざってるね」


「おぉ…すごい…」


「ちなみにさっきはこの人に嫉妬の感情が見えたから面白くて」


そう言ってライトさんはクスッと笑う。


「それと、2人とも好きって感情が見えてたから…2人は恋人同士なのかな?」


「いやっ、別に付き合っては無いけど…」


俺がそう言うと、横から諒真が口を出す。


「両想いなんですけどね〜。瞬さんがなかなか好きって認めてくれないんですよ」


「だって…好きじゃないもん」


「あ〜、瞬くん恥ずかしいんだ。俺には感情が丸見えだよ〜?」


「ちょっと黙ってください。俺は諒真のことなんか好きじゃないです」


「瞬くんの彼氏さん、安心してください。瞬くんはあなたのこと大好きみたいですよ」


「はい。知ってます」


「ちょっちょっ!彼氏じゃないし!好きじゃないし!」


俺がそう言うとライトさんはふふっと笑う。


「いや〜、瞬くんのこんな感情初めて見たよ。俺が瞬くんを気に入ってた理由って俺に無関心だったからなんだよね」

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