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僕は君が大好きだ
照れくさそうなその笑顔
冗談交じりに
「来世でも一緒になって」そう呟く顔
何もかもが愛おしい
僕はそれに「もちろん」といつも答える
お決まりの会話だ
こんな何気ない日々がとても楽しくて
この人と添い遂げたいと心から思う
今日は特別な記念日
今日僕はプロポーズをしようと思ってるんだ
君の驚いた顔や喜ぶ顔が見たくて
家で二人きりの時に
ごめんね
レストランは予約出来なかったよ
でも二人きりでもきっと喜んでくれるから
玄関を開けて家に帰る
「ただいま!」いつもより少し遅れて君が迎えに来てくれる
「おかえりなさい」そう微笑む君がとても愛おしい
いつも通り抱きしめようとした
ふと君の顔を見るといつもと違う
どうしたのだろうかと首を傾げていると押し倒された
「えっ…何してるの?」
僕はそう言った
しまった
言い方が悪かったか?そう思い弁明しようと口を開きかけたところで
君の表情を見つめた僕は固まった
世界がゆっくりと進むように感じる
(あぁ…君はそんな顔もするんだ)
呑気にそう考えているが
心臓がありえないくらいに早く鼓動する
音が君に聞こえているかもしれない
何かを言う前に君が僕に手を下ろす
僕は君に心を奪われてしまったようだ
抵抗するまもなく僕の胸から赤いものが溢れ出す
これは愛じゃないよ
痛い
痛い痛い痛い
どうして?
僕と君は愛し合っているのに
どうして何度もナイフを振り下ろすの?
(なんで)そう呟こうとした僕の意識はそこで途絶えた