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『ねぇ、君。花火とラムネどっちが好き?』
それが前の席のアイツと話した最初の言葉だった。
正直言って意味わかんない。
まず、花火とラムネは比べられない。
花火は見るもの。ラムネは飲むもの。この時点で違う。そして、初対面の人との初めての言葉がそれ?よく考えてみても意味わかんない。
『分かんない』
『アンタは?』
気づいたら質問していた。
『俺?』
驚いた顔をして、少し癖っ毛な茶色い髪をいじりながら
『俺はギャルゲーかな !』
やっぱコイツは意味わかんない。
***
入学してからもう1週間。
少しずつこの学校の生活にも慣れてきて、友達も出来始めてるなか、悩み事が出来た。
それは…
『ねぇ~、蘭ちゃん〜!』
『一緒にギャルゲーしよ』
『蘭ちゃん〜!やっぱツンデレ+ツインテールって最高じゃない…!?』
『やべっ、聞き逃した! くり均なんて言ってた!?』
前の席のコイツだ。
馴れ馴れしいし、距離近いし。会話の半分はギャルゲーの話だぞ。お前の好きな女の子の性格なんて知りたくねぇよ。
後、まだ会って1週間だぞ?
『マジでなんなのお前?ってか、くり均って誰?』
『えぇ!?まさか知らない系?』
『数学担当の栗原均っているでしょ?略してくり均!なかなかセンスいいでしょ』
センス悪いだろ。
なんだよくり均。任◯堂の菌を集めて戦うやつかよ。
『センス良いかは分かんないけど、覚えやすい、かも。』
『でしょ!』
『他の先生にもあだ名つけたんだ~。』
『おい、前向け。授業始まる。』
『まず、国語の先生はね─』
『頼むから話聞いてくれ…』
─────
『じゃあ、今日はここまで!』
『気をつけて帰れよ〜』
やっと終わった。ちょー疲れたんですけど。
まじでアイツマシンガントークかよ。
家に帰って、猫動画みて癒されよ。
『お〜い。蘭ちゃん〜!』
なんか聞こえるけど、無視無視。
『蘭ちゃん〜。一緒に帰ろう!』
『ねぇ、無視しないでよ~』
うるさいな、コイツ。帰りくらい1人にさせて。
『蘭ちゃん〜!無視酷いよ…!』
『らんらん〜、一緒に帰ろう!!』
『やだ。』
『やだ!?酷いよ〜。蘭ちゃんに俺の猫丸紹介しようと思ったのに…』
『猫!?アンタ猫飼ってんの?』
『え?あぁ。』
『行く!アンタん家行くよ!』
『あ、え、本当!?行こ行こ! 』
よっしゃ!猫ちゃんに会える!私の癒し。あわよくば、そのまま猫ちゃんを私のお家に招待して…
すいません🙇♀️変なところで切ります。