テラーノベル
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リビングのテレビから、軽快なカウントダウンの余韻が流れている。〇〇はエプロン姿のまま、雑巾を手に床を拭きながら画面をちらちら見ていた。
画面の中では、三人が並んで座っている。
「「「あけましておめでとうございます!!!」」」
声がぴったり重なって、コメント欄が一気に流れる。
「今年もよろしくお願いしまーす!」
「いやー、年越し生配信、無事始まりましたね」
「今見てくれてるみんな、ちゃんと年越せた?」
もとが少し前のめりになってカメラに笑いかけ、
ひろが横でうんうん頷いて、
りょかはコメントを読みながら楽しそうに目を細める。
〇〇は思わず微笑んだ。
(あぁ、始まったなぁ)
窓の外は静かな夜。
でもテレビの中だけ、やけに明るくて賑やかで。
〇〇は掃除の手を止めずに、イヤホンを片耳につけた。
「年末ってさ、大掃除とかあるじゃん?」
「今、これ見ながら掃除してる人もいると思う」
ひろの言葉に、〇〇は思わずくすっと笑う。
(いるよ、ここに)
「無理しないでね。ちゃんと休んで」
もとのその一言が、妙に胸に残った。
掃除機をかけて、棚を拭いて、ゴミをまとめて。
気づけば部屋はすっかりきれいになっていた。
「よし……」
エプロンを外して、ソファに腰を下ろす。
今度はちゃんと、正面から生配信を見る。
「今年の抱負は?」
「健康第一」
「それ一番大事」
三人のやりとりが心地よくて、
〇〇は毛布を引き寄せた。
画面越しの笑顔。
聞き慣れた声。
まぶたが、まぶたが落ちていく
「……あとちょっとだけ……」
そう思った時には、もう夢の中だった。
———
「ありがとうございましたー!」
「良い一年にしましょう!」
「またねー!」
配信終了の画面に切り替わる。
もとたちは深く息を吐いて、顔を見合わせた。
「終わったー」
「やりきったね」
「さて、帰ろっか」
———
玄関の鍵をそっと開ける。
部屋の灯りはついたまま。
「……あ」
リビングを覗いた瞬間、三人の声が自然と小さくなる。
ソファの上。
毛布に包まれた〇〇が、すやすや眠っていた。
「掃除、全部終わってる」
「相当頑張ったんだね」
もとが静かに近づいて、しゃがみこむ。
ひろとりょかも、その横に並ぶ。
「……かわい」
思わず漏れた声に、ひろが笑う。
もとは〇〇の頬にそっと手を伸ばして、
指先で軽く触れる。
「起こす?」
「起こすなら、優しくね」
「優しく……?」
りょかが意味ありげに笑う。
まず、もとが抱き寄せる。
胸に顔をうずめるみたいに、ぎゅっと。
「〇〇、帰ってきたよ」
反応はない。
寝息が、少しだけ深くなる。
次に、ひろが頬にちゅ。
ゆっくり、確かめるみたいにもう一回、ちゅ。
「……ん……」
〇〇の唇が小さく動く。
それを見逃さず、りょかが反対側から顔を寄せる。
額に、鼻先に、ほっぺに。
軽く、何度も。
「キスされてるのに起きないの、反則だよ」
もとが低く笑って、今度は唇にそっと触れる。
起こすための、優しいキス。
「……ん……?」
〇〇の目が、ゆっくり開く。
「……あ……」
視界いっぱいの三人に、思考が追いつかない。
「……あけ……?」
寝ぼけた声に、三人同時に吹き出した。
「そうそう、あけましておめでとう」
「ちゃんと見ててくれたんだね」
「途中で寝ちゃったけど」
「おかえり……」
〇〇がそう言うと、
もとは嬉しそうにもう一度キスをして、
ひろは頭を撫でながら頬にキス、
りょかはぎゅっと抱きしめてから唇に軽く。
「お疲れさま」
「ありがとう」
「一緒に年越してくれて」
〇〇は三人に囲まれたまま、力を抜く。
画面越しじゃなくて、
言葉だけでもなくて。
触れて、抱きしめて、キスして。
その全部で伝わる「おめでとう」。
新しい年は、
このあったかさから始まった。
———
どうですか!これもゆななちゃん!からのリクエスト!ほんと嬉しいまじ嬉しいありがとうね!まじありがとう!
コメントしてねん!い、いいねもおねがい(ㅅ´ ˘ `)
コメント
10件
また全然違う期間だけど、最新の一番くじしちゃってくださぁぁぁぁぁぁぁぁい!!🫠🫠🫠