テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
事件対応を終え、俺とローレンさんは北署を後にした
夕方から天候が崩れるとは言っていたが、すでに風が強く雪も降り始めている
俺が運転を始めるとすぐに無線が入る
“ローレン、無線取れる?”
“どうした?エビオ”
“今救急から連絡が来て、午前中にデスマウンテンにある教会に子供達が遊びに行って帰って来ないらしい。天気が悪くなる前に探して欲しいって事なんだけど、救急がサーマルで探してくれてはいるんだけど、まだ北にいるならローレン達も下から探してみてくれる?”
“オッケー、デスマウンテンの教会ね。‥‥で、どこ?”
“それは俺もわからないんだよね。デスマウンテンに教会あったっけ?”
“見た事はないけど‥‥あの山の事詳しくないしな。とりあえず道なりに行ってみるよ”
“お願い!何かあったら無線して”
俺は2人のやり取りを聞きながらデスマウンテンへと車を走らせた
まだ4時前なのに空は暗くなり始めている
「早く行かないと子供達も危ないな」
「そうですね‥‥でもこの雪」
「吹雪はじめたな」
強い風に雪が横に降っている
大寒波が来てるってニュースで言ってたな
まさかそれがこちらまで来るなんて‥‥
「どうだ?登れそうか?」
「今の所なんとか‥‥」
「この車、スタッドレス?」
「一応‥‥俺が雪道慣れてないだけで」
「俺運転変わろうか?チェーンも巻かないと危ないかもな」
「でもこの細い道じゃ降りない方が良いかも」
「‥‥確かに。とりあえずゆっくり進もう」
「はい」
高い木が生えている場所の隙間を確認しながら建物を探す
でもそれらしき建物は見えない
そして速度を落として走っていた時だった
グゥゥーン!!
車が止まるとタイヤが空回りをはじめた
俺は焦ってアクセルを全開にしてしまう
「小柳ストップ!!」
「え?」
「ヤバいな‥‥スタックしたろ、これ」
「スタック?」
「ちょっと降りるわ、ブレーキかけといて」
「あ、はい!」
ローレンさんがダウンの帽子を被り車を降りる
そして急いで車に戻って来た
「やっぱりスタックしてたわ。小柳の車に板かタオルって積んである?」
「いや、ないです」
「そうだよな‥‥どうすっかな」
「これってどういう‥‥」
「タイヤが空回って後ろのタイヤの下が抉れてる状態なんだ。こんなに雪積もるなんて予想してなかったからな」
「俺‥‥ごめんなさい」
「お前のせいじゃないよ。でも‥‥先に子供達を探すのが優先だよな。どうする?ここから歩いて探すか?」
「そうしましょう。俺右手側探します!」
「じゃあ俺は反対行くわ。あんまり離れないように無線しあおう。視界が無くて厄介だからな」
お互いに車を降り、山の中を探し始める
山道を登り辺りを見回す
どこを見ても白く、中々前を向く事が出来ない
自分が踏みしめる雪道を見つめながら歩いていると急にそれは現れた
木々に囲まれポツンと立つ教会
俺は急いでローレンさんへ無線を入れ、こちらに来てもらうようにした
ローレンさんがこちらに来る間、俺はその教会の入り口を開け、中に入る
扉を開けるだけで分かる
ここに子供達が来たんだろうか?
なぜならここは既に使われていない廃教会だったから
「‥‥小柳!」
掻き消される様な声が風に乗って聞こえる
俺は教会から出てローレンさんを探した
「ローレンさん!!」
「小柳‥‥‥‥小柳?」
「こっちです!」
ようやく合流するとローレンさんも教会の中を見た
「‥‥これは凄いな」
「もう誰も来てない感じですよね」
「小さな子がここまで来るとも思えんが」
「とりあえずエクスさんに無線入れましょう」
教会を見つけ、建物の中には子供がいなかった事
俺たちの車がスタックして動かない事
そして俺達がまだ教会にいる事をエクスさんに伝えていると救急から連絡が入り、子供達が麓で見つかったとの事だった
安堵していると無線が途切れがちになった
この吹雪でヘリが山に近寄れない事を聞き、天候が良くなるまでここに留まる事を伝え、無線が切れる
「え‥‥無線入らないですか?」
「切れたわ。まぁ、伝える事は言ったから後は明日になるのを待つしかないかもな」
「‥‥車に戻ってみますか?俺行って来ます」
「いや車は動かないし、今外に出るのは危険だ。お前1人で動くなよ?」
「‥‥分かってるけど」
「ここにいるのが安全だ」
「でも‥‥どうしよう」
俺たちは教会の中を見回す
割れたガラスからは雪が舞い込んで来ている
そんなに大きく割れている訳ではないけど、隙間風が身に染みる
「ロウ!こっちの奥の部屋なら寝れそうだぞ」
教会の奥
扉を開けると小さな部屋がある
そこにはソファーとテーブル
そして小さな暖炉があった
「‥‥これ使えるのかな」
「いけそうじゃない?」
ローレンさんがあちこちに落ちている朽ちた板を集める
俺もそれを見て燃えそうなものを集めて来た
「俺が喫煙者で喜べよ」
「あ、ライター!‥‥そのライターいつものじゃないですね」
「そうなんだよ。俺の愛用してた年代物のライターが壊れちゃって‥‥仕方ないからコンビニで買ったので我慢してる」
「だから近頃見なかったんですね」
「この近くじゃ直せなくてね。また良い物探すよ」
集めた木や紙にライターで火を着ける
「‥‥あったかい」
「はぁ、とりあえず休むか」
俺達はオレンジに灯る火を見つめながらソファーに腰を下ろした
.