コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「私の隠し事、教えてあげる」
「隠し事…?」
「私は、死んでるの。10年前にね。」
「だったらなんで、今ここにいるんですか、」
「知らない。でも、きっと、何かあるんだろうね」
「そんな言い訳…」
「私が落ちた日は、今日みたいな晴れた日だった。夏休み、誰もいない校舎に忍び込んで、屋上に上がった。風が気持ちよかったのをよく覚えてる。街の景色を、しっかりと目に焼き付けて、私は飛び降りた。段々地面が近くなってきて、気がついた時には私はここにいた。でも何故かわかったの。私は死んだんだって。」
「やめて………」
「私はいじめられてたの。こんな見た目だけど、気が弱いんだ。」
「やめてよ、………」
「いじめはヒートアップして行ってさ、とうとう耐え難くなっちゃったんだ。んで、ここにいるって訳。」
「…」
「だから私は分かるよ」
その時の先輩の表情はなんとも言えない表情をしていた。悲しそうで、苦しそうで、なのに笑顔で。そんな顔を見ると、私は苦しくなってしまう。あの人と同じ顔をしている。
「私は成仏することなく、今もこうしてここにいる。そして、今日また地獄を味あわないと行けない」
「なんで、?地獄って…」
「今日は」
「私の命日だから」