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何だこのラグビー場….。
足元を一体の呪霊が泳ぐように通り過ぎた。
ゴールポストの上に掴まり、唸るヤツもいる。
おそらく2級の呪い。
死体が埋まっていると言うより、例の特級呪物の影響だろうか。
伏黒「(さっさと回収しないとな….)
にしても気配がデカすぎる。これじゃ潜入した意味がまるでねー」
元はと言えば、特級呪物アレを百葉箱なんかに入れておく方がおかしい。
実際無かったし。
あの人に、呪物を見つけるまで帰るなと言われた。
…本当にいつか殴ろう。
伏黒「特級呪物…厄介すぎだ」
気は進まないが、学校を1度閉鎖、呪いを払ったあと隅々まで探すしか無さそうだ。
『そこ立ち入り禁止だよ!!!』
伏黒「!?」
声がした方を振り返ると、ブカブカのパーカーを来た女子が立っていた。
『…どしたの??』
伏黒「あ、あぁ….」
何だ…この女子、不思議な感じがする。
『ん???』
…気の所為か。
伏黒「いや、なんでもない」
『ここね、なんか良くないのがいっぱいいるんだよ』
伏黒「…!?見えるのか!?」
『見えない!!あんなちっさいんだよ?(マダニのこと)』
伏黒「(霊感があるってことか…?)」
ニコニコと始終笑顔なこの女子。
何を考えてるのかが読めないな…。
「こっちだこっち!!」
「早くしろ!!」
「陸部の高木と西中の虎杖が勝負すんだよ!!」
「種目は?!」
「砲丸投げ!!」
伏黒「…なんだ?」
『悠仁と高木センセーが勝負するの!!
悠仁はね凄いの!!!バビューンでドッカーンだよ!!』←
伏黒「…そうか」
『お名前はなんて言うの??私はね、神楽美優!!!』
伏黒「…伏黒、伏黒 恵だ」
『恵!!!!いい名前だネ!!ヨロシク!!!』
両手で俺の片手を握り、ブンブンと振った。
握手にしては乱暴だった。
此奴、高校生だよな….まるで小学生を相手しているみたいだ。
突然、目の前に満面の笑みが広がった。
『見に行こ!!!!』
伏黒「は、?」
ガシッ
今度は俺の腕を掴み、運動場へと走っていく。
この小さな体でどんな馬鹿力だよ…!!
俺は引き摺られるようにしてラグビー場を去った。
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