キランッ。
本来光るはずのない星形が、わざとらしく光る。
それに気づいたのはkyただ1人。
ky「なんで…どうして…?」
疑問を抱きながら、kyは部屋を後にして外に出た。
ky「う、そ…嘘だろ…」
さっきぽっかり浮かんでいた半月は紅く染まり、
空は鮮血のような目の眩む赫、
雲は人の闇をそのまま透過したかのような黒で悠々と蠢いていた。
そんな異次元の空だけではない。
人も、車も、何もかもが停止していた。
風が靡いてもジャケットは揺れもしない。
もれなく全員、半月を見つめていた。
今、この空間には、ky1人が佇んでいた。
何もない、ただの不気味過ぎる世界でただ1人。
それは、安心と共に目一杯の恐怖を押し付けた。
kyは、いつの間にか走り出していた。
遠い遠い、街の端へと____________________________







