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それから彼をソファに座らせ、話を聞いた。
「殺したのは、隣の席の何時も虐めてくる彼奴です。
もう、嫌になって、方を突き飛ばして、打ちどころが悪かったみたい。」
そう話してくれた。
彼の眼には以前のような輝きはない、生気の籠っていない虚ろな瞳だ。
「もう俺は此処に居られないと思う。どっか、遠いところで死んでくるよ!だから…っ」
彼は、無理矢理笑顔を貼り付けて言った。
“さようなら”の五文字を言わせる訳にはいかない、だから俺はこう言う。
「それなら、俺も連れて行ってよ。」
そう言うと彼は心底驚いたような顔をしてから、笑った。
財布にありったけの金を詰め、ナイフ、 星導とよくやった携帯ゲームを鞄に詰めて。
いままで毎日つけていた日記も、賑やかな彼らと撮った写真も、今となっちゃどうでもいい。
「ねぇ、ぴょん?」
俺が旅の準備をしていると彼は、不安そうな顔でこちらを見つめた。
言葉で伝えられなくても、なんとなく彼の言いたいことは分かる。
「本当にぴょんを巻き込んでいいのか。」 だろう、もう何年も一緒にいるんだ。
「いいんだよ。どうせ人間はいつか死ぬ。それが早くなっただけ。」
そう答えると、ありがとう。彼は答えた。
この住み慣れた部屋にも別れを告げる時が来た。
今日の天気は雨。人殺しとダメ人間のお前と俺の旅を祝福するようだ。
傘をひとつだけもって行こう。
ひとつの傘に2人で入るそれぐらいが今の俺達には丁度いい。