テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ふと思いついたので書きました。
連載の方を先に書けって話ですよね。
そちらも少しずつ書かせていただきます!!
描写としてはそこまで深いものでは無いのですが、念の為センシティブ設定にしてます。
付き合っていない設定です。
少しでも楽しんでいただければと思います。
以下が本文となります!!
とある日の夜6時。
前々日は海外での仕事、戻ってきて昨日は収録、雑誌の取材、ドラマの顔合わせなどを済まし今日は朝からまた別件の収録、そしてインタビュー記事等の取材、終わって今グループのYouTube撮影のため事務所に来ており、空き部屋で待機している。
そこで俺は設置してあるテーブルの椅子に座り、スマホを弄っていた。これも関係者への連絡を返しているのであって休憩しているわけではない。
何とか返さなければいけない分は返し、雪崩れるようにそこに突っ伏した。
率直に言う。
かなり疲れている。
ワーカーホリックな自覚はあるがどうしようもない。叶えたい夢だってある。そこまで気は抜けない。そうやって鼓舞して日々を送っているが、努力が実を結んでいる実感があるので歩みを止めたい気持ちは沸かなかった。辛くはないのだが疲れるものは疲れる。人間だもの。
癒やし。そう癒やしが欲しい。
そんなことを思っているときにふと頭に何か載せられた感覚。あったかい。
その感触にのそりと頭を上げ横を見る。
視線の先にはどこか心配そうな目をした我がグループのリーダーの顔。
「仁人ぉ………」
「お疲れ様。まだ少し撮影するまで時間かかるってこと伝えに来たんだけど。…大丈夫か。」
「へーきへーき。元気よん。」
「お前はまたそうやって………」
「って言いたいんだけどさ。ちょっと正直疲れてるわ。」
「………へっ?」
俺からそんな言葉が返ってくるとは思わなかったのか反論しかけた仁人は目を丸くしたまま止まる。
「いやしんどくはないんだけどさ、癒やしがねえ〜欲しいなあと。」
「癒やしか。俺じゃ役に立たなそうだな。柔太朗とかの方が適任か?」
「いやいやいや吉田さんにお願いしようかな。」
「え?俺…何かできる事ある?握力も弱いからマッサージも期待できないぞ?」
「いいやマッサージとかはいいや。」
「そう?あとは子守唄でも歌ってやろうか。寝かしつけに。」
「そりゃ熟睡できそうだけど今寝たらオフりそうだから遠慮しとくわ。」
「えー。いよいよやれることないぞ?」
うわー意図が読めなくて困惑してるなあ。眉間にシワあんなに寄せちゃって。
「あるって。そうだな〜可愛い顔して勇斗頑張れ♡って言ってくれたら癒やされてこの後も頑張れちゃうかも!」
「………………………………は?」
地を這うような低音ボイスきたーーーーー!!!!!
そんな忌まわしいものを見るような目つきしなくったってイイじゃん!!
「あなたリーダーでしょお?仁ちゃんにしかできないことなのにぃ。」
「そんな事するためにリーダーやってねえよ。完全に人選ミスだろ。」
「そんなことない!!俺仁人の顔可愛いって思ってるよ。」
「きっしょ!!それも納得してねえんだよ!ったく人が本気で心配してやってんのに。」
「本気で心配してくれてんの〜〜?何だかんだ仁人は優しいよな。」
「はあ?!うっざ。俺もう戻る。」
「待って待って。仁ちゃん。」
俺は強い力で仁人の腕を掴みそのまま引き寄せた。
バランスを崩しそうになった仁人はテーブルに手をつく。そのまま俺はテーブルに組み伏せるようにして仁人に覆い被さった。
仁人は何が起きたのかわからないといった表情で俺を見上げる。
いつもより少しあどけなく感じるその表情に何とも言えない感情が高ぶるのを感じた。
抵抗しようにも仁人の力じゃ俺には敵わない。
「おい。何してんだよ。」
「ん〜〜〜?」
「大声上げてやろうか。」
「それは勘弁してよ。」
ふっと笑う俺の顔を見た仁人の目が恐怖で少し揺れたのを俺は見逃さなかった。
そんな怖い顔してるのかな。俺。
「お前…疲れて頭おかしくなってんじゃね。」
声もちょっと震えてるし。かーわいい。
「だから癒やしてって言ってるんじゃん。さっき素直に可愛い顔で応援してくれたらこんなことになってなかったのにね。」
「何言って…。そんなに言ってほしいなら可愛い顔でも何でもしてやるから離せよ。」
「ざーんねん。俺もうそれじゃ足りなくなっちゃったもん。」
「おい…どういう意…」
仁人が言い終わるのを待たずに俺はその口を塞いだ。
体重をかけて仁人の動きを封じながらその両耳を手で塞ぐ。
そのまま角度を変え何度も深く口付ける。苦しいのか薄く開かれた唇の間を割り込むように舌を滑り込ませた。
「……っ?!!っふ……」
仁人の口内は熱くて溶けそうだ。
歯列や上顎を刺激してやるとわかりやすく体を跳ねさせる。
「んっふぅ…う、あっやっ」
必死に抑えようとはしているが、
鼻にかかった甘い声が漏れ出す。
そのまま何度も舌を絡ませて仁人の口内を堪能する。
「っふあ…ぁっんん…はやっ…んん」
酸欠状態なのか背中をどんどん叩かれるので仕方なく唇を離す。繋がった銀の糸がぷつりと切れるのを目で追うと飲み込みきれなかった唾液を口端から溢れさせ、目を潤ませる扇情的な仁人の姿があった。
それに引き寄せられるようにもう一度唇を重ね、シャツの下から手を差し込む。それを仁人が制しようと手を重ねてきたのとほぼ同時。
コンコンコン。
ノックの音。
弾かれるように上体を起こし、素早く体を離すと返答した。
「はい!」
「失礼します。準備が整いましたので間もなく撮影を始めます。部屋に移動してください。」
「わかりました!」
「お待たせしてすみません。では。」
そう言い、扉を閉めるスタッフ。
平然を装い、笑顔で返す俺。
赤くなった顔を隠すようにテーブルで寝た振りをした仁人。
「さて、移動しますか。」
「移動しますか…じゃねえ!」
きっと睨みつける仁人に苦笑いしか返せない。
「だって、仁ちゃんの反応が可愛くってさ〜つい。でもお陰様で癒やされたよ?」
「お前ほんとふざけんなよ。自分が何してんのか分かってんのか?!」
「声抑えて。そんな怒んなよ。」
警戒心を強めて距離を置こうとする仁人を無視してズカズカ距離を縮める。
そして壁際まで追い込んだ。そのまま手をつき壁ドンの状態で仁人を見下ろす。
仁人は瞳を揺らしながらも怒りは隠さなかった。
「なんの真似だよ。」
「なあ仁人。」
腰をなぞると揺れる肩。敏感に反応する体に嗜虐心を擽られる。
「そんなに嫌なら舌でも噛んで逃げればよかったんじゃねーの?」
「そんなこと収録前にできる訳ねーだろ?!!」
「ふうん。仁ちゃんってそんな時もそんなに冷静でいられるの?」
膝を割り込ませてそこを刺激するように足を浮かせると流石に焦ったように振りほどこうとする。
「そんなんじゃ逃げらんねーよ。どうする?全然来ないってまたスタッフさん来ちゃうかもよ?」
「はやっと…!!お前何でこんなことっ………」
「仁人が悪いんじゃん。嫌々ばっか言うから。そんなに嫌ならさっさと殴れよ。なあ?」
本格的に仁人は困ったような顔をして俺を見つめる。ハの字眉で目は泣きそうな程に潤み、一方的に奪った唇は僅かに腫れぼったくなっている。流石に少し心が傷んだ。
「お前…最低。そんなことできるわけねーのに…」
確かに収録前に殴り合いでもしたら大変なことになるし、スタッフさんにもメンバーにも迷惑をかけることになるのだからそれは正論だ。完全に悪いのは俺。やりすぎたなと思い、手を離す。
「そのとおり。俺最低だよな。」
「…何だよ急に。」
「でもふざけてやったつもりもねーのよ。」
「…。」
「お前に癒やされたかったのは事実。本当は逃げようとしたお前をふざけて押し倒して揶揄えたらなぐらいに思ったんだけど…。」
「仁人の顔見たら止まらなくなっちゃった。ごめん。」
「………………。」
困惑が全面に出た表情をしている仁人。そりゃそうだよな。メンバーに押し倒されてキスされて迫られて混乱するに決まってる。
「お前ってさ……………」
やっと絞り出したような声で仁人が呟く。
「俺のこと………好きなの?」
あーそうか。うんそうだ。それだ。
癒やされたいって思ったのも、絡みたくなるのも、可愛いって思うのも、いろんな表情を見たくなるのも、全部全部それが理由か。
「うん、好き。」
遠くで痺れを切らしたスタッフの慌ただしい足音が聞こえた。
8
ちゃ