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ドライヤーとタオルを手に取り、元貴の元へ戻ると、不安だったのか寂しかったのか分からないが、大粒の涙が目から溢れて、頬を伝っている元貴がいた。
(こんな事するんじゃなかった…)
若井は、自分がした行動を悔やみながら、元貴の隣にある机にそっとドライヤーとタオルを置き、元貴の隣に再び腰を下ろす。
「…元貴、おいで」
若井が優しくそう囁くと、元貴はやっと若井の存在に気が付いた。
「…んっ」
抱きつこうか躊躇う元貴に若井は”いいよ”と言う代わりに、腕を更に大きく広げる。
「……っ…!」
元貴は勢い良く若井の背中にしがみつく様に正面から抱きついた。
若井は抱きついてきた元貴をしっかりと優しく、力強く抱きしめ返した。
「…っうぅ……泣」
「…不安だったよな…ごめん……」
若井も涙が出そうになったが、元貴をこれ以上不安にさせない様に必死に堪えた。
「僕…迷惑ばっかりっ…かけてごめんなさっ泣」
「全然迷惑なんかじゃない…たとえ、元貴のワガママだとしても、俺が元貴の全部、受け止めるから、」
「…んふふ、馬鹿だね、泣」
「あぁ…本当にどうしようもないくらい馬鹿だよ」
元貴が少し笑う。
それが今の若井にとってどれだけ幸福なのか分からないぐらいに幸せだった。
続…