外はすっかり薄暗くなり、夕焼けが薄らと見える。
オレ、菊池 聡は隼人の家を出て煙草に火をつけた。
『隼人はきっと、香織に本心をぶつけると思うよ』
オレはそう、送ってふぅと煙を吐いた。
香織から柏木さんの連絡が来た時はびっくりした。なんせ、その内容はオレの予想の斜め上を行ったから。
『あの子から遺言を受け取った』
そう、香織から連絡が入った時に自然と、彼女はもうこの世にいないことが頭に入った。
柏木さんはオレ達に幸せでいてほしい、ずっとオレ達が仲良く過ごしていることを願っている、と遺したらしい。
相変わらず彼女らしい。
表面上は冷たいのに、心の奥底では誰かを思いやる温かい人。
そんな彼女がオレ達の前から突如姿を消し、そして死んだ。
彼女の死は、彼女がオレ達の前から消えたことに関連するのだろうか。
直観的に感じたが、その考えをすぐに捨てた。
こんなことを考えるのは無駄だと思った。それくらい、親友であった彼女のことを考えるのは心がえぐれた。
柏木さん、隼人に構ってやってよ。
アイツ、泣いてるぞ?
いつも柏木さんが大好きな隼人、寂しがってるよ。
自然と、彼女のことを呼ぶ。それはまだ、彼女がどこかで元気にやっていると信じているから。
「柏木さん………戻ってきてよ」
親友の叶わぬ恋は、オレの心まで苦しくさせた。
それくらい悲しくて、切なくて、綺麗な恋だったから。