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ヘリオトロープ⑦
大森side
課長「じゃあ、来週には来るからよろしくねぇ〜」
大森「はい」
若井「はい」
来週から以前から社内でも話題にしていた、他社との合同プロジェクトが始まる。
うちの課がメインで取り仕切るそこそこ大きいプロジェクト。
課長が張り切ってはいるが、あのポンコツが役に立つとは正直思わない……
俺が筆頭になり、数人を選出し、プロジェクトチームが設立した。
武智、花江…………勿論、若井も居る。
若井「主任……俺を選んで本当に大丈夫なんですか?」
大森「お前だから選んだんだよ」
若井「しゅ、主任っ、それって……」
大森「変な勘違いするなよ、お前には期待してんだから」
若井「うぅーっ、俺っ!頑張りますっ」
大森「来週には他社の奴ら来るんだからな、俺の前だから良いけど、ちゃんと僕、な」
若井「はいっ」
大森「後、そのヘラヘラした顔もだ」
若井「えぇーっ!」
この時、このプロジェクトで、俺も若井も、人生が変わるほどの事が起きるとはまだ思ってなかった
・
・
・
【翌週】
課長「大森くん、今日の会議の時間わかってる?」
大森「はい。14時ですよね」
課長「うんうん、そう。だから10分前にはチーム集めて会議室ね」
大森「はい」
内心、お前に言われなくてもわかってるわボーケっ!メンバーにも通達済みだっ!ポンコツが!と言いたいのをグっと我慢をして返事をした。
そして、顔合わせの時がきた。
宝井「k3(ケースリー)からやって来ました。皆さんよろしくお願いいたします」
向こうのお偉いさんらしき人物が挨拶をし、その後ろに居る人たちも頭を下げた。
課長「本日はご足労いただいてありがとうございます。どうぞ座ってください。」
宝井「ありがとうございます。早速で申し訳ないのですが、まずは自己紹介させていただいてもよろしいでしょうか?」
課長「はい、ではこちらからさせていただきます……大森くん」
大森「はい」
そこから互いのチームの自己紹介はスムーズに行われた。
大森「……って事でこれからよろしくお願いいたします」
宝井「あっ、すみません、あと一人居るんですよ。今トラブル回避に行ってて、もう来ると思うんですけど」
コンコン
宝井「噂をすれば……多分、彼です」
「失礼します、遅れて申し訳ありませんでした」
大森「っ、」
ガタンッ
若井「え、主任?」
課長「どうした?大森くん」
大森「いえ……すみません……なんでもありません……」
宝井「遅れてきて申し訳ないけど、彼がうちのエース」
藤澤「藤澤と言います。皆さんよろしくお願いいたします」
なんで……
なんで、ここに
涼ちゃんが……
藤澤『責任取れだなんて重たすぎなんだよ』
藤澤『じゃあね、元貴』
また……嫌な過去を
思い出してしまった
大森「……」
若井「主任?大丈夫ですか?なんか顔色悪いですけど」
大森「あ……あぁ、大丈夫」
落ち着け、俺
今は仕事中だ、プライベートじゃない
宝井「それでは明日からよろしくお願いいたします」
課長「こちらこそよろしくお願いいたします」
終わりの挨拶がされ、俺はすぐに会議室を出た。
一刻も早くこの場から離れたい
それしか考えられないくらいに俺は動揺していた。
だけど
そんなに甘くはなかった
藤澤「元貴っ!」
俺の名前を呼ぶ声
大森「りょ……藤澤さん」
藤澤「こんなところで会うなんてびっくりだねぇ、僕たち何年ぶりかな?元貴は元気してた?」
大森「あの……名前で呼ぶのやめて?ここ、会社なんで」
藤澤「ああっ、ごめんごめんっ!えーっと……元貴の苗字は……小森……中森…………」
大森「……大森」
藤澤「あ!そうそう大森だぁ、下の名前でずっと呼んでたから全然思い出せなかったよぉ」
大森「……で、なんで呼び止めたんです?用がないなら俺仕事戻りたいんですけど」
藤澤「そんな冷たい態度とらなくてもいいじゃん、僕たちの仲でしょ」
大森「俺たちにそんな仲はない。しかもここは会社です」
藤澤「ふふ、相変わらずツンツンだねぇ……じゃあ仕事終わってならいいってことだね」
大森「そういう事じゃ」
若井「主任っ!」
大森「わ、かい……」
若井が資料を抱えながらこちらに向かって走ってくる
大森「お、おいっ、走」
若井「うわぁっ」
案の定、若井の持っていた資料が数枚廊下に落ちた。
ヒラヒラと舞い落ちた資料は涼ちゃんの足元に落ち、涼ちゃんはそれを拾い若井に渡していた。
若井「す、すみませんっ……あ、えーっと……」
藤澤「藤澤だよ、若井くん」
若井「え、なんで名前」
藤澤「今、元貴が君の名前を言ってたからね」
若井「も、とき……」
大森「おいっ」
藤澤「あ、ごめんごめん、大森くん、だね」
ニコニコと笑いながら謝っているけど、涼ちゃんはワザと俺の名前を呼んだんだ
若井「主任と……お知り合い……なんですか……?」
藤澤「ああ、うん、そうだよぉ、僕たち昔からの、ね……」
若井「……」
大森「藤澤さん、誤解を招く様な言い方は」
藤澤「あはっ、でも、昔から知ってるのは本当の事でしょ〜、ほら、色々と」
大森「藤澤さんっ!」
若井「……俺……アンタ……嫌いだ」
大森「若井!失礼だぞ」
藤澤「わーお、僕、嫌われちゃった」
若井「……資料拾ってくれてありがとうございました。主任、行きましょう」
大森「ちょ、若井っ」
俺の腕を掴んだ若井は涼ちゃんから離れるようにズンズンと廊下を歩き出した。
藤澤「元貴ぃ〜、またねぇ〜」
背中から涼ちゃんの声がした途端、若井が掴む
手の力が入った
大森「ちょ、若井っ、痛いっ」
若井「あ、すみません」
大森「お前何言ってんだよ」
若井「だって」
大森「だってもない、藤澤さんに失礼な態度取りやがって」
若井「……悔しかったんです……」
大森「はあ?」
若井「主任の……昔を知ってて……名前も……呼んでて……俺の知らない主任を知ってるんだって思ったら……つい……」
まあ、涼ちゃん自身も明らかに若井にマウントを取るような言い方はしていた。
だからと言って、若井の行動は正当化していいはずはない。
大森「……若井、今日……時間あるか?」
若井「え」
大森「終わった後、藤澤さんの事話してやる」
若井「……いいの?俺に?」
大森「またさっきみたいに突っかかれても困るからな」
若井「ゔ……」
大森「それに、変な妄想して遅刻されても困る」
若井「ゔぅ……」
大森「とりあえず仕事だ、切り替えろ」
若井「…………はいっ」
本当は涼ちゃんとの事なんて話をしたくない。
でも若井なら……と期待してしまう自分がいる
いや、
下手な事は考えるのはやめよう
俺も今は切り替えなきゃ
そう思いながら若井と自分たちのオフィスへと戻った。
コメント
9件
藤澤さんったら…なんて強強なんですか しかし、明らかに若井さんに敵対心燃やしてる辺り 藤澤さんも大森さんにご執心と見ました(´ε` ) く〜………女神藤澤のカメレオンっぷり 楽しませていただきます!

涼ちゃぁぁん........やはり涼ちゃんだったのですね。あのセリフ!! もうなんか私の頭が色々と、ごちゃごちゃですが、涼ちゃんの大胆な行動に、心拍数が下がりません。そして夜しか寝れません(?) 次も楽しみにしております....( *´艸)
やっぱりあのセリフはりょうちゃんのものでしたかっ!! 現実ではこんな性格ではあってほしくない反面、いつもとは違うりょうちゃんの次なる行動にドキドキですっ!
かめちょん
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かめちょん
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🙂
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