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「 大阪 … くん 、??」

パラオの家に尋ねると彼は目を大きく見開いていた。

しかし、すぐに落ち着いた表情に戻った。

「 … 何しに来たの?」

パラオくんは俺の事を睨みつけて近くにあった木の棒を俺に向けた。

「 パラオ、日本はんから色々聞いたやろうけど、

俺は、その、謝りに来たって言うか、

あの… 連れ戻しに(」

「 ふざけないでよ。君に何がわかるの?

菊の何がわかるの!?

連れ戻しに来た!?何言ってんの?君から追い出したくせに!!!

菊は泣きながら 、軽めに話してくれたよ、

久々に会った親友の相談話の初めの言葉なんだと思う??

『パラオくんから見て私は化け物に見えますか?

私が日本で良かったと思いますか?』って、

『 国民じゃなくて私が死ねばよかったのに』って

笑って、

毎日毎日 、過去のトラウマに殺されそうになってる彼を見て、

僕は何を思えばいい!?!?

毎回僕が見に行くと 、もがき苦しみながら腕の皮膚を引っ掻いてえぐってるんだ 。

久々に会った親友が死にたいと泣きながら眠るその姿を眺める僕の気持ちがわかる?

ねぇ!?!?わかる!?!?わかんないでしょ!!」

「 じゃぁ 、アンタには分かるんけ!?

俺の気持ちが!!!

死ぬほど信用しとった主が急におかしくなり始めて、

自サツ行為を何回も繰り返して!!

体は治っていくけど傷の跡までは消されないその体を見て、

俺は毎回苦しかった。やめて欲しかった!!!

部屋の外で聞く声が辛くて、痛くて、苦しくて

見て見ぬふりできへんくて、

彼の泣き顔と怯える顔しか彼の姿が思い出されんくなって、

家の外からは馬鹿げた国民が暴言を張り紙に書いて、石を家に叩きつけられて、

嫌がらせを受けた 。

それだけでも耐えられなかった。

自分が傷つけられるよりずっと痛かった!!

少し経てば日本さんの久々の笑い声も、高い声も聞こえてきてどないしたんやろって思って襖を開ければ

薬と共に床に寝転がってる主を見て俺はもう終わりかと思ったわ!!

なんも無いところを爆笑して 、

日をまたいでも帰ってこない主 、

他国の皆さんがお見舞いに来るも薬はやめへんかった!!

俺が望んでた日本はんは確かに笑ってる日本はんや!!!

やけど 、他人行儀な汚い笑顔を俺にも振りまいてくる日本はんはもっと嫌いや!!!

ただ 、前のようになりたかっただけなんに、

こんな中 、日本やめろと怒鳴りつけた社長さんに了承して東京に預けた日本はんにウンザリした。

昔から守り抜いてきたこの国を捨てたようなもんや、

国民から 、国から 、逃げた日本はんを見て

もうその顔は日本はんの顔じゃなかった!!!

WW2の時の日本はんは鬼みたいな顔しとった、

でもそれとはまた違う顔をしとった。

そんなんもう耐えられへんて、

どこいっても日本はんには気を休めるところがない。

どんどん壊れてっていかれていく主を見て、

俺はなんと思えばええの!?!?

パラオくんこそ、俺らの何を知っとんの!?」

2人とも息を荒くして怒鳴りつけた。

その中にひとつ 、細くてすぐに折れてしまいそうなくせに全然切れない糸のような声が聞こえた。








『        すみません           』
















俺らはその声の主を見た。

「 どうしたの 、菊 。

ごめんね 、大声出しちゃって 、、

大丈夫だよ?ほら、寝てていいからね。

昨日のお菓子なら箱に入ってるから、」

日本はんはただ俯いていた。

「 どしたの、?」

「 それ 、取っていただけますか? 」

俺の足元を指差して震えた声でそう言った。

足元を見てみると 胸が締め付けられた 。

それは目玉が落ちていた 。

パラオくんも俺も何も何も言えなくなっていた。

「 急に取れちゃいまして、

洗ってつければまた元に…」

「 何してんの!?菊!!!」

「 いや、その、私にも分からないんです 、

でも、また再生するから良いかと、、」

「ええ訳あらへんわ!!!

医者行こy((  」










ア   、

















目玉を拾い上げて日本はんの方を見れば彼は驚いた顔をしていた。

「ど、どしたんですか?」

「お医者様の元へは行けません 。」

「 な、なんで?行かないとダメだよ菊、」

「 いけません 。」

「な、なんでや!? 行かなあかへんて!!!」

とパラオを押しとけ日本はんの手を掴むとボロリと肘から下の手が床に落ちた。

まるで固まっていない肉の塊のように。

「え。」




何が起きてるのか分からずその場で2人とも呆然としていた。






「      私は    、   消えかかっている      」























日本では無くなったから   、



















『 疲れた日本 さん 』

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