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噓が嫌いだ。
ただの潔癖さで語っているものではない。
心の奥に置いているものを荒々しく触られたくないだけ。
噓はいつも音を立てずに忍び寄り。荒らして、終わりだ。
優しい振る舞いをして、仮面を被りきれいな形をして、本当のことではなく、
” 都合の良い事実 ” として本人の思い通りに差し出される。
「傷つけたくなかった。」
「言わないほうがいいと思った。」
それはたいてい嘘の後ろに隠れている噓の言葉だ。
嘘をつかれると、世界の輪郭が少し歪む。
信じていた距離が、気づかないうちに遠ざかる。
沈黙のほうが正直に思えてくる。
それでも人は、嘘を選ぶ。
壊れないために。 失わないために。
嘘で固められた世界も、関係も、
もうそれは壊れているのと同じだと、私は思う。