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「なぁ、お前また唇舐めただろ」眉根を寄せて困ったような表情を浮かべながらお兄様は聞いてくる。
「へ?」とそんな事つゆ知らずな反応しながらティラミスのココアパウダーが口周りに付き舌なめずりする目の前の愛おしい人。
「はーー……」深く溜息をつきながらも舐めとるには取り切れていなかった頬のクリームを指で掬い取り口に運ぶ。親指をペロリと舐め取りながらフッと目を細めて「後で、俺がリップクリーム塗ってやるよ。血の味のするティラミスなんて俺が許さねぇ。後で、ちゃんとした味を楽しめよ」そう言いながらポケットから取り出した小さなリップを自分の唇に塗り口付けをしてくる。
目を丸くしながら「よし、艶がついたんじゃね?」と悪戯っ子のような笑みを浮かべてくる。
顔を真っ赤に染めながら急ぎ口に運ぶティラミスのココアの苦味は大人の味だった。