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ありがとう。救ってくれて、ありがとう。
暗くて、寒いあの部屋はもうなくなった。その代わり明るくて、温かい部屋に住んでいる。美味しいご飯も、清潔な服も、暖かな居場所も。全てみんなが作ってくれた俺の大事な居場所で、俺の宝物。
あの時は、裏切られたとしか考えられなかった。大事な大事な親友が、俺を売ったのだと。自分の幸せのために友達を売るような奴らなのだと、信じて疑わなかった。いや、信じるしか俺は精神を保てなかったんだ。あいつらは”裏切り者”そう考えることで、あいつらへの憎しみを糧に生きていた。生きる理由にしていた。でも、どこかでやっぱり”違う”と否定してる俺がいるのも事実で。矛盾していた。あいつらへの憎しみと、希望が混ざり合って、あの時の俺は生きていた。
でも、あいつらに出会ってから変わったよ。また出会って。救えたくても救えなかったのだと知って。今度は救ってくれるんだって。夢だと思った。でも、本当に叶えてくれた。
今でもたくさん夢を見るよ。俺がみんなを殺す夢。俺が殺した人が俺の足を掴んでくる夢。世間一般的には”悪夢”と呼ばれるものをたくさん見る。でも、そんなの今の俺には”蛇足”でしかなかった。
みんなが俺を必要としてくれてる今を大事にしたい。俺が笑顔でいられる日々を大切にしたい。俺を笑顔にしてくれた人を笑顔にしたい。そのために昔の俺は”蛇足”だから。昔の俺は邪魔でしかない。だったら胸にしまっておけばいい。
昔の俺は暗く、辛い人生だったとしても、それを踏まえて今の俺が存在していることを俺は知っているし、忘れてはいけない。笑顔の下にも苦しみ・辛みがあることを。忘れてはいけない、一分一秒たりとも忘れてしまった瞬間、今度こそ。俺は幸せになってはいけない。
だから、昔の俺をしまって、今の俺は大切なものを大切に大事に、笑顔にしていくのが一番なんだ。そのために頑張ろう。みんなに恩返しをするんだ。そして次は、俺が、みんなを笑顔にするんだよ。
「え〜っと。これがこう、かな」
ポチ。
『きちゃ!』
『デビューおめでとうございます!』
そう、たくさんのコメントが俺の目に入る。コメントがすごい速さで流れていき、その度にお祝いのコメントが目に止まる。今俺をみている視聴者さんは笑顔だったらいいな。笑顔じゃなくても笑顔にしたい。
「えっと、、マイク入ってる、かな?」
『入ってるよ〜』
『大丈夫!』
視聴者さんにも確認が取れたし、はじめましての自己紹介をしよう。これから、君たちを笑顔にする俺から。
「どうも〜、初めまして!こんにちわ。こんばんわ!この度にじさんじからデビューさせていただくこととなりました。セラフ・ダズルガーデンと、申します」
笑顔で。みんなが俺を救ってくれた時みたいに明るく。みんなを笑顔にしていきたいな。
〜セラフ・ダズルガーデン〜
ダークネイビーの髪色が肩まで続いており、髪の両端にある赤い部分はチャームポイント。元気で明るい20歳の元・暗殺者、現・エージェント。
「セラ」
「セラお」
「セラ夫」
「セラさん」
「セラフ」
「セラフさん」
みんなの声が一斉に、後ろからする。俺はすぐに振り返るとそこにはたくさんの花束を持ったみんながいた。
「「「「「「デビューおめでとう」」」」」」
その声に俺は涙目ながら、笑顔で返した。
「みんな、ありがとう!!」
END