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ささくれ
レコーディング前のスタジオは、どこか落ち着かない空気だった。
藤澤が軽く切り出す。
「今日、このあとどうする?一応まだ時間あるけど」
髙野も様子を見ながら続ける。
「昨日の件もあるし、少し落ち着かせる時間あってもいいかもな」
綾華は二人を見てから、静かに視線を上げる。
そして、中心にいる元貴。
元貴は即答だった。
空気が一瞬止まる。
「同棲とか、もうしない」
はっきりした拒絶。
その言葉の先で、少し離れた場所にいる若井は、苦笑いのまま元貴を見ていた。
責めるでもなく、怒るでもなく、ただ困ったように。
その視線に気づいた瞬間、元貴の表情が変わる。
「……見んなって」
声が一段低くなる。
「うざいんだよ、お前」
言い捨てるような一言。
若井は一瞬だけ目を伏せる。
でもすぐに、いつものように小さく笑う。
「そっか」
それだけ。
その反応が、余計に元貴の神経を逆撫でする。
藤澤がすぐに間に入るように声を出す。
「ちょっと、一回整理しよ」
綾華は若井の方を見る。
「若井はどうしたい?」
少しの沈黙。
若井はゆっくり瞬きをしてから、静かに答える。
「俺は……続けたいよ。バンドは」
その言葉はまっすぐだった。
でも元貴は、それを聞いていないように視線を外す。
「バンドは続ける、ただし若井と仲良くなんてなれない。」
投げるような声。
三人は顔を見合わせる。
どうするべきか、まだ答えが出ない。
ただ一つだけ分かっているのは、
このまま放っておいていい状態ではないということだった。
コメント
3件
んー、この不穏な感じいいっすねー 若井さんどっかで爆発しそうで ハラハラする💦❗️
うわ、この空気……読んでてこっちまで息が詰まったわ。元貴の「見んなって」「うざいんだよ」って言葉、若井への苛立ちがひしひし伝わってきて胸が痛い。でも若井が「続けたい」ってまっすぐ言ったところ、すごく好きだな。バンドへの想いが本物なんだなって伝わってきた。このままじゃやばいって分かってるのに、どう動けばいいか分からないもどかしさ、すごくリアルだった。次どうなるんだろう……気になる!