テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
きゅうくらりん
いよわP
第一章・きっときっと鏡越し (語り手:露李)
うるさいアラームが鳴り響く部屋、時刻は8時過ぎ。
同棲相手の江が朝食を作っている音がする。
一回に降りると君はいつもどうりの変わらないしらけた顔で待っていた。
「遅いよ〜」
「ごめんごめんw」
ああ、好きな人の前ぐらい本音を言いたいのに。
窓際のピンクの植木鉢、手入れが荒くて中身がぐちゃぐちゃになっている。
少し蕾が土で汚れてる。僕の心みたいだ。
君の笑顔が日光で眩しくて可愛いけど、どこか嫉妬するような感情、これが
呪い
なのかな、
笑顔を取り繕っていないと君に嫌われちゃうかな
作り笑顔のという取り柄しかない自分が嫌われているような気がして、
心が空っぽだ。
きっと君は全部見通してるんだろうけど
君の右隣を絶対に誰にも譲らせられない。
部屋に戻って心の中の自分に首を絞められる。
キュウ
小さな音が聞こえた気がした。
第二章・起きる理由って何? (語り手:江)
目を閉じて起きるだけ、理由はないけど一つでもいいから理由を探してしまう、
一つも見つからないけど。
明日、明後日、明々後日
の朝が来たら僕はどうする?
露李のアラームが鳴る、
好きな人なのに不意に一歩ずつ後退りをするように視線を動かす。
一歩一歩視線で後退りする僕、
「また明日ね」
好きな人が部屋に入る、喜びより安堵が先に来ちゃった。
西日を一緒に見た思い出。
ピンクの植木鉢は少しヒビが入った。
あなたとの関係が壊れてしまうことがこんなにも
恐ろしい
お揃いの作り笑顔をしていることにあなたが気づいたらどうしよう
ずっと取り繕ってきたのに
幸せな明日が来るか底なしの孤独が先に来るかどっちかもわからない。
底なしの孤独だったらうめき声出ちゃうな。
部屋に戻って作り笑顔をしているもう1人の自分に首をギュウっと締め上げられる。
第三章・もうどうしようもないの私、、、 (語り手・露李&江)
江のそばに近寄る。
いつもどうり汚れてる蕾はなんだか今日は弱々しく見えた。
もう隠す気はないな、
「実は俺ーーーーー」
露李がそばに近寄る。
もしこれで愛しきれなかったら愛した分罰を受けるから。
もう隠し事は無しだ
「実は僕ーーーーー」
声が重なった
「作り笑顔だったんだ」
0.1㎜のずれもない声が重なった
2人は笑い合った
今度は作り笑顔じゃない
そんな夢をどこか遠い2人が一緒に見た。
いい夢を見れた。
最後に起きる理由を作ってくれた誰かに感謝しなくちゃ。
2人はもう二度と地に足をつけれない体になった。
きゅうくらりん 終
コメント
1件
みぅです、読ませてもらいました🥀 「作り笑顔だったんだ」って声が重なる瞬間、すごく切なくて綺麗だなって思いました。二人とも同じ気持ちで、同じように隠してたんだなって。でも最後の「二度と地に足をつけれない体」が重くて…いい夢を見れたって言えること自体が、もう戻れない証拠みたいで、胸がぎゅってなりました。 植木鉢のヒビとか、首を締められる感覚とか、細かい描写が心に刺さります。続きがすごく気になります…!🌙
117
yuurinn
3
99
#ボカロ
@睡眠薬
1,810