橙桃です。軽く青桃、橙紫表現があります。本人様とは関係ありません。
地雷だよって方、通報される方は見ないようにしてください。
問題児桃くんと優等生橙くんの話
桃くん→桜野桃(おうの)
橙くん→東條橙(とうじょう)
桃side
先生「こら桜野!!いくら言ったらわかるんだっ!身だしなみを整えろ!」
桃「さーせんさーせん」
先生「ったく、お前はぁ…」
面倒くせぇな。いつものことだろーが。
俺は桃。苺坂学園のいわゆる問題児。
生まれたときから由緒正しい家柄のせいで自由などなかった。外で遊ぶことすら許されず、家で家庭教師との勉強や習字、ピアノ、剣道に柔道、合気道、琴…様々な習い事をさせられた挙げ句、ご褒美など何もなくてまるで人形のような人生を過ごしていた。
でも、もうそんな生き方は嫌で無理矢理家を飛び出し、有り金で見つけたマンションで1人で住んでいた。両親に見つからないように結構遠くまで来て、そこで出会った今は良き友達の青に誘われ通い始めたのがこの学園ってわけだ。
でもこの学園は『校則』が全てで何の自由もない。だから俺はそんなものに縛られず、自由に生きようと思った。授業をサボり、立ち入り禁止の屋上で寝たり、ゲームしたり。一番悪いときは教師に踵落としをしたこともあった。でも奇跡的に退学には至らなかった。
問題児でもいい。成績は良い方だし、単位もとっている。
先生「もう少し校則をだな…」
ほら、また『校則』。
桃「もういいでしょ。少し着崩してるだけだし。」
?「せんせ…」
先生「だからそれがっ…!!!」
?「先生!!!!!」
先生「わぁ?!?!びっくりした…どうした東條」
東條と呼ばれたその男は見るからに優等生。制服のネクタイはきっちりしまっていておまけにメガネをかけている。強いて言えば髪色と目の色が気になるところだ。
東條「これ、うちのクラスの課題です。」
先生「あぁ…悪かったな。」
東條「いいえ…」
あれ?今逃げれる?よっしゃ逃げよっと思った…瞬間
何だろ…この気持ち…
あの翡翠のような綺麗な目に心を奪われた。
橙side
モブ1「あれ?先生課題集めてなくね?」
モブ2「うわっホントだ…」
モブ3「出さなくていいんじゃね?」
モブ4「バカっ前誰も出さなくて先生怒こったでしょ!」
橙「俺出してくるから、皆集めて。」
モブ4「あっ…東條くん////」
俺はこのクラスの学級委員長。昔から誰かに褒められたくて、何事にも率先してやって来た。でも取り柄は勉強だけで、今まで勉強だけで時間を使っていた。いわゆる優等生。
モブ1「よしっ集め終わったぞ!よろしくな!」
橙「うん。」
別に頼られることも悪く思わない。
先生「ったく、お前はぁ…」
廊下に出るとすぐに聞こえた先生の声。
何やら誰かと話しているようだ。
先生「もう少し校則をだな…」
先生の前に立っているのは桜野桃。この学園の者なら誰でも知っている問題児だ。また制服着崩してる…。校則が厳しいこの学園でそういうことをするのが全く理解出来ない。まぁ別に俺には関係無いのだから説教は後にしてもらって。そろそろ次の授業が始まるし…。
桃「もういいでしょ。少し着崩してるだけだし。」
橙「せんせ…」
先生「だからそれがっ…!!!」
橙「先生!!!!!」
先生「わぁ?!?!びっくりした…どうした東條」
そこまでびっくりせぇへんやろ。耳遠いのか、もうお爺さんやし(((
橙「これ、うちのクラスの課題です。」
先生「あぁ…悪かったな。」
橙「いいえ…」
先生と話していると桜野が逃げようとしていた。そして俺の方をちらっと見る…その瞬間
………………あいつの目…綺麗やなぁ
そう、心の中で何かが揺らいだ。
桃side
青「あはは!!また怒られたの?毎日じゃん!!」
桃「そんな笑い事じゃねぇだろ。」
今は友達の青の家でゲーム中。今日の出来事を喋ると笑い出したサルみたいなコイツ。マジうぜぇ。
桃「………なぁ、青」
青「ん?なーに?」
桃「………東條…ってやつ、知ってる?」
青「東條?知ってるよ。東條橙。S組の学級委員長でしょ?」
桃「あ〜あいつS組なんだ。しかも学級委員長って…どうりであんなきっちりした格好だったわけだ…。」
青「え?なになに?なんかあったの?」
桃「………別に」
東條橙…。会話なんて一切してないけれど、仲良くなりたい。絶対正反対だけど、友達になりたい。そう思ってしまうのは悪いことだろうか。明日…話かけてみよう…。俺は少し明日が楽しみになって来て、1人で浮かれていた。
青が悲しそうな顔をしているなんて知らずに。
次の日。
ええ…こっわ…。
俺は今、S組の教室の前にいる。S組はこの学園でもトップクラスの頭のいい奴らの集まり。因みに俺は次に頭のいいA組らへんの奴らと同じぐらいの成績なのだが、問題児のため最下層のC組だ。青は頭がまぁまぁなのでB組。
そんなことはどうでも良くて。東條と話したいが為にガツガツとS組の教室にやってきたのだが…。
威圧感ハンパねぇぇぇぇ!!
なんか完璧オーラ放ってるし、床に散り一つさえ落ちていない。同じ学園なのにここまで違うのか…と少し、嫌…結構怯えてしまう。
?「あの………。」
桃「わぁぁぁ!!!」
?「え?!?!そんなに驚く?!?!」
そりゃあ驚くよ…びっくりした。
?「あの、誰かに用ですか?」
桃「えっ?嫌…その…なっ何でもないです!!」
?「え?」
桃「さよーなら!!!!」
?「えっちょっ待って!!あ〜あ行っちゃった。」
あー!!!俺のバカ!!!あそこで呼び出してもらえばよかったのに〜!!!
自分で自分を攻めながら全速力で走っていた為先生に怒鳴られなのは言うまでもない。
橙side
何だか廊下が騒がしくて覗いてみると、やれやれと呆れているように友達の紫ーくんが立っていた。
橙「どうかしたん?」
紫「あ〜ほら昨日橙くんが言ってた子!ほら桜野くん…?だよね!」
橙「桜野がどしたん?」
紫「今ずっと教室の前でオロオロしてたから声かけたんだけど…行っちゃった」
あはは、問題児って聞いてたけど以外と可愛いね。と笑う紫ーくん。どうして桜野がS組に来ていたのだろう。誰かに用事でもあったのだろうか。
会いたかったな。そう思ってしまうのは悪いことだろうか。
桃side
青「それでさ〜その女の子がね〜」
昼休み。立ち入り禁止の屋上で青といつもどおりぐーたらしている。
あーあ。話かけてみようって思ってたのにな…。
意外と弱い俺に腹がたってくる。次こそは…。そう思ったとき
?「あー!!!屋上立ち入り禁止だよ!!!」
青「げっ生徒会長…」
青が生徒会長と言った相手は今朝俺に話しかけてきた人。生徒会長らしからぬ腰に手を当て、頬をぷく〜と膨らましてこちらに歩いてくる。
桃「生徒…会長?」
青「え?!桃くん知らないの?!まぁ…あんま行事とか参加してないもんね…。」
?「あ!今朝の子!やっぱり君、桜野桃くんだよね!」
桃「そうだけど…。」
?「俺、七星紫!よろしくね問題児くん!」
桃「え…問題児くんって…」
青「てか、生徒会長さんだって屋上入ってきてるじゃないっすかー。」
紫「今日は見回りの日なの!!ほら、出てった出てった〜!!」
しゃーない、どっか違うところでも行くか…。
「紫ーくん?誰か居たん…?」
桃「えっ…」
橙「あっ…」
橙side
生徒会長の見回りで紫ーくんに着いてきて初めて来た屋上。立ち入り禁止なので生徒会長の紫ーくんだけ入るのが許可されているらしく、俺は階段で待つことにした。
でも流石に遅い…。見回りだけならもっと早く終わるはず。少し不安になったので階段を上がると聞こえてきた紫ーくんと誰かの声。
橙「紫ーくん?誰か居たん…?」
扉を開いた先に居たのは
桜野桃。
桃「えっ…」
橙「あっ…」
紫「あ〜もうっ!橙くんも入っちゃ駄目でしょっ!!」
橙「あぁ…ごめんな」
青「……。」
桃「えっとあの…」
橙「ん……?」
桃「…やっぱ、何でもない…です…。」
橙「………そっか」
紫「ほら!2人とも出てってね!橙くんも次のとこ行こっ!!」
橙「分かった」
紫「じゃーね!」
紫ーくんが手を振ると小さく手を振り返してきた桜野。そんな仕草まで可愛いと思ってしまう。あぁ…きっとあの時。目があった時。俺は桜野桃に一目惚れしたのだろう。
俺は少し笑って軽い会釈をする。桜野は少しぎこちなく会釈をしてくれた。それに対して隣に立っていた青髪の男は
俺のことを睨んだ。
桃side
入って来たのは俺が仲良くなりたい…いや好きになってしまった東條橙。
嬉しいような、苦しいような。思うように話せなくてがっかりしていると生徒会長に手を振られたので軽く振り返した。
その後に東條が軽く会釈をして来たので俺もすぐに頭を下げる。
あぁ…今の俺、絶対顔赤い………。
顔を上げると背を向けて歩き出していた彼と生徒会長。
行っちゃうのかと悲しんでいると生徒会長がチラッとこちらを見て
睨んできた。
続きます………。一度で書ききれなくてすみません(´;ω;`)
コメント
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やっぱてんちゃんのノベル最高ぉ…毎回同じようなコメントしちゃうごめぇん…() でもまじで毎回最高だよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ フム((¯ω¯*))フムつまり橙桃、紫青で付き合うってことか!!?
これあれですね 神が作る最高傑作ですね。 これ最後に橙桃、紫青でくっつくんですか?