注意事項
・wrwrd様の二次創作です。
・本人様とは関係ありません。
・軍パロ、喧嘩、多少の病み要素が含まれます。
・キャラ崩壊注意です。
・この物語の”大好き”は友情としてです。腐向けではありません。
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「ふっっざけんなよッ!!!!!!!」
突然、談話室から飛び出したその声に皆が慌てて集まった。
入れば皆、目を見開いただろう。
ciとrpが喧嘩をしてしまったようだった。
そこまでは良いのだ、よくあるような光景。
皆だって、喧嘩はするものだろう。
だが、問題は他にあった。
ciがrpの服を掴みあげていて、更にはrpが泣いてしまっていたのだ。
ciは怒りか皆が集まってきた焦りかで、顔が真っ赤だ。
rpはciに服を掴まれた衝撃で落ちたらしいヘッドホンを放置したまま号泣だ。
shoとtnが飛んでやってきて、2人を離す。
rpはshoの肩に顔を押し付けて、ひぐひぐ、と声を漏らしながら泣いていた。
ciはrpを睨みつけたまま、腕を下ろした。
ようやく場が落ち着いて、rbが事情を尋ねる。
rpは話せる状態では無いので、ciに。
「…こいつ、俺の弓壊してん!!勝手に借りて、壊してゴミ箱にしててんぞ!!!!俺に何も言わずにさァ!!!!」
また暴れそうになったciをtnが押さえつける。
ciの歯がガキガキとぶつかりあっている。
「弓壊すなんて…入ったばっかやねんから許したって。ciもよお壊しとったやろ?」
rbがなんとか落ち着かせるように声をかける。
だが、ciは落ち着く気配がない。
rpを指差してもう一度大声を上げた。
「俺のを壊してんねん!!」
rpがshoにしがみつきながら、顔を上げてciを見る。
「ごへ"んなざい…、知らんかったんです”、あれ、ciさんのやって"ェ…、」
「もう戻ってこぉへんねんから謝ったってどーにもならんやろが!!!!!」
バチンッッ!!!!!!
談話室に痛々しい音が響く。
ciの頬が赤く赤く、染まっていった。
rbが手を下ろす。
「お前はもう先輩なんやぞ。みっともない。」
「先輩やったら我慢せんとアカンのかよ。」
「悪気はなかったんや。もう許したれ。」
「…ちッ。」
ciが舌打ちをすると、zmが壁を蹴る。
ピリピリ、と空気がciを刺激する。
「舌打ちすんなや。ほんまダサい。」
zmが言うと、乗ったようにknがrpを撫でて言う。
「弓なんてどこにでも売っとーやろ。」
「そうやで。ほんまciはガキやな。」
knとutが顔を見合せて頷く。
ciは怒りの感情が無くなり、俯いていた。
そりゃ、こんなにも言われたら、元々傷つきやすいciにとってキツイに決まっている。
「でもッ…、わる"いのはおれなんです"、」
rpが止めるように皆に言う。
偽善者ぶるなよ、と思いciはrpを睨む。
「後輩なんて要らんかった。」
そう言うと、全員から睨まれた。
ひく、と喉が締まる。
言っちゃいけないことを言ってしまった。
ciを掴むtnの手が力に溢れていく。
ぎゅうう、と掴まれ折れてしまいそうだ。
rpはまた泣き出してしまいshoにしがみつく。
1度涙腺が壊れたら、脆くなってしまうのだろう。
「お前がいらんわ。」
「…ぇ、」
tnが冷たくそう言った。
ciを誘ってくれたtnが、言ったのだ。
ciは目の奥がじんわりと痛み、tnの腕を振り払って走る。
談話室の扉を蹴って開けて、廊下を走り去る。
何も聞こえないように耳を塞いで、足を動かす。
階段を降りて、城から抜け出すと、そのまま城下町へと降りていく。
それしか道がなかった。
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「…ん?」
shpは夜、仕事が終わったので廊下を歩いていると、妙に静かだった。
皆が居ない。
談話室にでも集まっているのだろう。
そのまま歩いていくと、ゴミ箱が倒れているのを見つけた。
直しとこ、と思い近寄るとひとつの壊れた弓が目に入る。
「…遂に壊れたか。」
これはciがここに入って少し経ち、仲が良くなったのでshpがプレゼントした弓だ。
小さくshpとciの英語で書かれた名前が刻まれている。
お互いの友情の印に、と。
まあでも数年も前に上げたものだし、壊れて当然か。
いやでも、全部捨てるのは勿体ない。
そう思いshpは名前が刻まれている部分だけ拾った。
それから談話室に行く。
ciが突然飛び出してきて、そのまますぐ隣を走り去っていく。
声をかけたが無視されてしまった。
まあいい、急な仕事でも入ったんだろう。
shpは談話室に入る。
そこはまあ荒れていた。
rpは泣いているし、皆イライラしているようだった。
「…??あの、utせんせい、?」
「ああ、shp。」
「何があったんすか、?」
「ciがrpに酷いことしてんな。頭冷やせって、ここから出したわ。」
「…えぇ、なにやってんあいつ。」
shpはちら、とrpを見る。
rpはshoとrpに囲まれてわあわあと慰められていた。
そんなに一方的なことをciがやるだろうか。
気になり、shpはrpに近寄った。
「すみません、あの、ciに何されたん、?」
rpはぐずぐずの顔でこちらを向く。
「ちがう"ッ…お、おれがciさんのゆみ、壊しちゃったん"でず、」
「あー…あれrpがやってもうたんか。まあ、もう壊れそうやったもんなぁ。」
「せやろ?悪気ないのに、ciめちゃ怒っててさ、rpに暴言吐くんやもん。」
rbがイライラしながらrpを撫でる。
…ん?
「えっ、あの、ciは弓壊れたから怒ったんすか。」
「せや。弓なんてさ、どこでも買えるのになぁ。それで倍返しにしたらアイツ逃げた。」
「…そういうこと、」
shpはポケットの中にある弓の欠片を握りしめる。
ciが怒ったのは、これを壊されたから。
たったひとつだけの弓だから。
shpは立ち上がり、談話室から出る。
「shp??」
knが不思議そうに近寄る。
rpに罪悪感を与えないよう、knの耳元で伝える。
「あの弓、俺とciの宝物なんすよ。特別に作ってもらって、作った人はもう亡くなってて。だから、ciをこれ以上悪く言うのはやめて。」
アイツ、俺の事大好きやからさ。
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城下町へ続く階段の隅に、見慣れた背中を見つける。
身体が震えている、泣いているのだろう。
shpはそっと近寄り、隣に座る。
ciは静かにこちらを向いた。
目は真っ赤に腫れていた。
「…shp、?」
小さな声は、確かに恐怖に飲まれていた。
こちらを怖がりながらちらちら、と見てくる目が、いつもと違うのにイラつく。
shpはciにヘルメットを被せる。
「ツーリングいこ。」
「…、うん。」
ciは下がってくるヘルメットをしっかりと被った。
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「…はい。てことなので少しの間こちらにいますわ。」
『了解。こっちも落ち着いてきたら報告するわな。あーっと…、ciに悪かったって伝えといてな。』
「それはtnさんの口から言うべきっすね。」
『だって俺が言うまで…。』
「あー俺ら今から楽しむんで、さいなら。」
ブチッとインカムを切り、カバンにしまいこむ。
山小屋にやってきたshpとci。
ここは例の弓を作ってくれたオジサンの小屋である。
今はshpが引き取ったので、shpの物だ。
ここを知っているのは、utとkn、ciだけ。
まあこの状況で2人が邪魔しに来るなんて無いはずだ。
ciは外にあるハンモックでゆらゆらと揺れている。
「ci〜。下まで行こうぜ。」
「…した、?なんかあんの。」
「川がある。来て来て。」
ciをハンモックから引っ張り出して下っていく。
サラサラと音が聞こえてきて、川が見え始める。
綺麗な、透き通った川だ。
「…タオルあるっけ。」
「小屋ん中にな。」
ciは靴を脱いで川に足を入れた。
岩に座って、足を交互にぱちゃぱちゃと動かす。
shpも隣に座り、同じくぱちゃぱちゃと動かしてみせる。
冷たい水が気持ち良い。
「…shp、あの、ご、めん。」
「ん?」
「あの…な。えっと、ゆ、弓…やねんけど。」
「あー…、弓、なぁ。」
「……、ご、ごめんなさい。」
ciが俯く。
俯きすぎて、川に落ちてしまいそうだ。
shpはciの肩を引っ張り、自分側に寄せる。
「rpはわるくないって…わかってんねん、で、でも。みんな、あっちをかばう、から。」
ごめんなさい、と何度も呟く。
あーあー。服が濡れてしまうでは無いか。
まあいい。せっかくだ。
shpはciを掴んでいた手を離し、川へと飛び込んだ。
じゃぼん!!!と水が飛び跳ねる。
驚くciに、水を掬って思い切り掛けてやった。
「ぶふぁッ…!」
「俺がおるやろが。」
「えっ…どういう、ぶふぇッ!!!」
水を掬っては掛けて。掬っては掛けて。
ciは顔を手で拭うが、拭う度に水をかけられている。
「弓じゃなくなったけど、他の形でもええなら。」
shpはポケットから弓の欠片を取り出した。
小さな木の板に、2人の名前が刻まれている。
キラリ、と紫色と橙色の宝石が光る。
弓とは思えないが、これでも良いだろう。
ciは嬉しそうに受け取った。
「…こ、これ。ひろったん、?」
「当たり前やろボケ。」
「………がと。」
「ん?」
ciも、ぼじゃん!!!!と川に落ちる。
木の板を握りしめたまま、shpに抱きつく。
「ありがと!!!!!!」
「んあああ倒れるばかああああッ!!!!」
「えっ、あっ!!あああああ!!!!」
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「やってもうたァ"…。」
「tn氏。しっっかりと説明してもらおうか。」
grはciが出ていってしまった事に怒っているようだった。
tnは珍しく怒られていて、grの前に正座している。
「まっったく!!!私のお気に入りをなんて言い方してくれたんだァ!!!!!」
「すんません…。」
shpと連絡は取れたものの、帰ってくる時間は分からない。もしくは、帰ってこない。
tnの隣にknも座る。
「俺も責任はあるわ。すまん。」
「…?knは何もやってないやん。」
「んや。そーいう空気を作ってもうたやん。」
なんてことを言うと、皆気まずそうに目を合わせた。
そして、静かに正座をした。
ただ、shoとrb、rpだけ立っていた。
rpは涙こそ落ち着いたが、まだパニックのようで、ひく、と声を漏らす。
shoはrpを撫でながら言った。
「別にそこまでせんくてええんちゃう?」
「shoちゃん…、それはちょっ、と。」
「え?だって、rp悪くないし。俺も悪くないよ。」
「shoちゃ…。」
「だってさ?俺らは喧嘩の仲直りを…」
knが立ち上がる。
rpを責めるわけではないが、反省する気がないのなら言うしかない。
「rpが壊したんはただの弓やない。」
rbとshoがknを見る。
いや、皆も見ていた。
rpは嫌な予感がして俯く。
「あれ、shpとciがもう亡くなった人に作って貰ったやつらしいんや。どーにも、2人のために作ったから他とは違うとか。」
「ちがうって…?」
「弓に、お互いの名前が彫られてたり、お互いをイメージさせる宝石を埋め込ませてたり、とかな。」
ようやく、shoとrbの顔が青ざめる。
理解してくれたらしい。
rpはいつの間にか土下座のポーズになっていた。
「そりゃそれを壊されたら…まあ言っちゃ悪いが、出会ってばかりの後輩に壊されて、更に自分が悪いように扱われちゃciも傷つくわな。
……まあ、俺が言えることちゃうけどさァ。」
knは静かに座った。
grは腕を組んで拗ねたように上を向く。
「帰ってこなかったらお前らが責任取れよ。」
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小屋の中に布団を敷く。
遊び疲れたciはソファで寝てしまっていた。
shpはciを引きずって布団に押し込む。
ciはずっと木の板を握りしめていた。
ランプをつけて、shpはインカムを掴み外へ出る。
「こちらshp。なんすか。」
『shpさん…。』
「rp。どうしたん?」
rpから連絡があった。
rpは泣きそうな声で小さく言葉を飛ばす。
shpはそれを真剣に聞き取った。
『ごめんなさい、おれ…俺が思ってるよりももっと最低なことを、してました、』
「うん。」
『…帰ってきてほしいです、俺、なんでもします…。お願い、』
rpにあの弓の事が伝わってしまったのか。
shpは優しく、インカム越しに声をかける。
「帰ったら、ciも含めてどっか食いに行こ。」
『…えっ、そ、それだけ、?』
「当たり前やん。あ、rpの奢りな。」
『ええっ、ああ…まあ。いいですけど。』
「ん。じゃ、またな。」
インカムをオフにして、ポケットにしまう。
すると、突然後ろから腕を掴まれた。
驚きながら振り向くと、ciがこちらをじっと見つめていた。
「起こしてもうたか?」
「…帰るん?」
「え?まあ…帰るよ。でも、そんな急がんでも。」
「きっと待ってるで、みんな。はよ帰ったら。」
ciはshpの背中をとんとん、と叩いた。
まさかこいつ、自分は帰らないつもりか?
shpはciの腕を掴み返す。
「俺はciを待つよ。」
「…、俺はいらないって言われたんやで。」
ciにヘルメットを被せる。
それから、頬に垂れる涙を指先で拭ってやると、照れ隠しなのかそっぽを向いてしまった。
引っ張り、バイクにまで連れて行くが、まだ抵抗してくる。
足に力を入れて、地面に足を固定しようとする。
shpはciを無理やり背中に乗せた。
「総統が選んだ人間を、要らないなんて言うやつは1回殴らんとな。」
「…っはは、やめたってや。」
バイクは力強く進んでいく。
ちからつきた、ごめんなさい
続きは多分ないです
コメント
12件
何回読んでも涙が出てくる😭こうゆう系のストーリーめっちゃ好きだからもっと書いて頂きたい😭
涙で顔がぐしゃぐしゃです(இдஇ; ) 続きないのがちょっとショック💦 ciさんそれほど大切にしてたんやろな
うん、ほっっとココアちゃんの小説1番心に残る…🥹 ガチで好きだわ…!!! 続き無いのかちょいと悲しいが、これはこれで良すぎる件について