目を覚ますと、鈍い痛みと冷たい床の感触がまず意識を包んだ。
薄暗い倉庫。
外の音は一切届かず、静寂が耳を締めつける。
「……んっ……」
いるまは 動こうとしても、手首は固く縛られ、自由がきかない。
横を見ると、みことも同じように後ろ手で拘束され、青ざめた顔でこちらを見ていた。
扉が軋む音が響く。
その音に、2人の体がびくりと震えた。
ゆっくりと入ってきたのは――あの新任教師。
その背後には、見知らぬ2人の男が立っている。
目つきも表情も、ただならぬものを感じさせた。
「やっと起きたね」
新任教師は笑っていた。だが、その笑みには人間らしい温度がなかった。
「……お前、何する気だ」
いるまは後ずさるように身じろぐ。
教師はその様子を楽しむように見下ろし、低く囁いた。
「すぐに分かるよ。今日は――楽しいことをしよう」
冷たい言葉が、空気を凍らせた。
みことの背筋が震え、瞳が揺れる。
いるまはそれを見て、歯を食いしばった。
――絶対に、守らなきゃ。
みことは息を荒くしながら、ポケットに手を伸ばした。
――防犯ブザー。
そこにあるはずのそれが、指先に触れない。何度探しても、冷たい布の感触だけ。
「……ない……落とした……」
声にならない声が喉の奥で震える。
その間にも、いるまは必死にもがいていた。
拘束されたまま、男たちに服を乱される。抵抗するほど、荒々しく押さえつけられた。
「やめろッ! 触るな!」
必死に叫ぶも、口を塞がれ、言葉は空気の中で途切れた。
男のひとりが冷たい目でいるまを見下ろす。
「さすがに濡れてないか」
「ぃ゛っ…!!」
男は無理やり指をいるまの中に埋める。
「ん゛ッ!!ゃ゛、めろ…!」
「ずいぶん強気だな。しかもお前……随分してない割には柔らかい」
視線がいるまの肩に残る小さな跡を捉える。
「誰に、つけられた?」
ねっとりとした声が空気を汚す。
みことの心臓が凍りつく。
恐怖、怒り、焦り――すべてが混ざり、思考が止まる。
――どうしよう。
――いるまくんが……。
何をされるか、本能的に理解していた。
怖い。体が震える。けれど――隣で怯えるいるまの顔を見た瞬間、恐怖が怒りに変わった。
縄の擦れる音。
必死に腕を動かして、皮膚が裂けても構わず、力を込める。
ごり、と骨が鳴るような音と共に、縄が切れた。
「――いるまくんっ!!」
声を張り上げ、みことは体当たりをかけた。
ぶつかった衝撃で一人が倒れ、金属棚ががしゃんと大きく音を立てる。
その音が、静まり返った倉庫に響き渡った。
みことは倒れたままいるまの身体を覆う。
「何、しやがる!こいつ!!」
後ろから飛んできた蹴りが背中に突き刺さる。息が詰まる。
殴られても、蹴られても、腕を緩めなかった。
「みこと!!」
「っ……! いるまくんには、触るな……!」
声は掠れて震えていた。
床に落ちた血が広がっていく。
それでも、みことは目を逸らさなかった。
「みこと!お前…血が…!早く逃げろ!!」
「大丈夫……今度こそ…絶対、俺が守るから」
いるまの肩に手を置き、かすれた声で囁く。
視界が霞んで、遠くで誰かの足音が近づくような気がした。
それが助けなのか、さらに恐怖なのかは分からない。
ただ、みことは腕の中のいるまを離さなかった。
コメント
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みこちゃんッえらいッえらいよぉッだけど逃げて欲しいッ怪我しないでよぉぉッッすちくぅぅぅぅぅぅんんんんんん
てめぇおいッいるま先生ブチ犯すのは暇ちゃんって法律でも決まってんだぞッァアアァギャァァァァァァァァァァ