テラーノベル
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…嘘でしょう?
全くと言っていいほど見つからない。
もしかして、情報が間違っていたのかな…?
東方面じゃ無いなんて言われたら…。
もう、どうしようか?
不安を抱えながら、走り続ける。
「はぁ…はぁ…」
ピッ
『___何だ、パチか。研究所はどうだ?』
「…全然。手がかりすらない」
「ライ達が双子から何かしらの情報を持ってきてくれたらいいんだけど…」
『それは__ないな。早ければ、もう死んでるはずだしな』
「だよね…」
「もっかい集中するから、御免、一回切るね」
『おぉ、手がかりあったら送ってくれ』
「分かった」
ピーッ
「…はぁ」
「心細いなぁ…」
もう16歳だけど、流石に寂しいよ。
だって…こんな大仕事を1人でなんて…。
[寂しいの?]
[だったら、こっちにおいでよ!]
[みーんな、君を待ってるよ!]
[ほら、この僕だって!]
[怖くもないよ!]
[だから、早く!]
[ね?」
「………ッ!?」
誰…?
いやというほど、私の声に似てる…?
そんなはずは…ッ
無い…とも言い切れないかも…。
あの暗い夢も。
あの指の傷も。
今の変な声も。
私だけど、私じゃ無い。
そんな気がした。
そんな気がしただけだったら、まだ良かった。
もう、そろそろ確信になってしまうかも。
あれは…もしかしたら、私の…
ぐぅ”…あ“ぁ”あ!!
「……あ」
何、ぼーっとしてるんだよ、私。
私は、モンスターキラーだ。
それ以外は、何も要らないはずだ。
もう、考えるのも辞めてしまおうか?
このまま、仕事を全うするだけのロボットになろうか?
…やっぱ、それは嫌だ。
「…『本の召喚魔法、鮮明な輝き』」
ぐう“!?…がぁぁっ”!!!
ぎぃぃ“ーっ!!
怪物たちが、苦しそうにのたうちまわる。
暫くすると、ピタリと止んでいた。
「ふぅ…一掃したかな?」
なんか…やっと私っぽくなってきたかも。
何となく仕事して、何となくみんなと楽しむ。
この毎日に憧れて、ここまで来た。
殺し合いはちょっと嫌だけど、仕方ない。
[何満足してるの?]
[まだまだ、不安でしょ?]
[休んだら?こっちで]
[君のお友達も居るよ]
[気持ちの中だけで解決するの?]
[辞めた方がいい]
[手、伸ばして?]
[あともう少しなんだから]
…また。
…まただ。
やっぱ、私に似てる。
誰なんだよ。全く。
もう…しらばっくれるのは辞める?
確信持てないだけ。
…もう、私は私じゃない。
私だけど、もう違うから。
吐き出そうか。
胃の中にあるものも全部。
盛大に(笑)
[…まだ迷ってるの?]
[弱い奴]
[これだから、いつまでも強くなれない]
[この世は]
[信頼が全て]
[忘れたの?]
[信頼してもらうには]
[強くなるしか無いのに]
…いい加減
辞めてよ。
私は私なんだ。
いや、もう私も私じゃない。
もう、よく分からない。
いつの間にか私は走るのを辞め、立ち止まっていた。
依頼があるのに。みんな、頑張ってるのに。
…そんな考えは頭の奥深くにすぐ捨てた。
私は私と向き合っている。
正直、よく分かんないけど。
動き出す必要は無い。
だって、“あいつ“の方から来るもの。
グワン¿
クスクスッ…と辺りに笑い声が響く。
気味が悪い。気持ち悪い。
「…何?気持ち悪いって?酷いね」
「全然変わんないね。久しぶり。ノタ」
「あんたこそ、ほぼ変わってないくせに」
「…名前で呼ばないの?悲しいなぁ」
「五月蝿…ピツ。何の用?」
ノタとピツ。
この全てが真っ黒な空間には、2人いる。
…いや、詳しく言うと人じゃないんだけど。
ふわふわ浮かぶ、魂みたいな感じ?
私は、パチじゃ無い。ノタだ。
「パチ」という人間の体を借りてるだけ。言わば私達は感情。
私が主に幸せや嬉しい、面白いなどの+の感情。
そして、こいつ…ピツが憎しみや悲しみ、怒りなどのーの感情。
この私達がいるから、パチは存在する。
勿論、他のみんなには一切伝えてない。面倒だからね。
…はっきり言うと、私がパチの意識、感情を操ってるって感じだから、
その気になれば、本体だって殺せる。
まぁ、その場合私達も共に死んでいくけどね。
「何の用かって?相談があるんだよ」
「…くだらなそ」
「まぁまぁ!そんなこと言わないで聞いて!」
「本体を殺したいんだ。」
「そして、僕は自由になる」
……何言ってる?
本体を殺したら、私達も共に死ぬ。
例え生きたとしても、また違う人の意識となる。
「…何言ってる、の?」
「ぎここちな(笑)そのまんまだよ。お馬鹿さん」
…馬鹿…??
「もしかしたら、お前の仲間みたいに魂になれるかもしんないんだぜ?」
「…私達は…意識だ。死んでも、自由になったりなんか___」
ジッジ…ジジッ
私の必死の主張は、壊れた機械なような音に阻まれた。
ジッ…ジジジッ…
「あぁ、残念。時間切れみたいだな」
「まぁ…仕方ない」
「次会う時まで、考えておけよ?」
「自由か、ずっとこのままか」
グワン¿
ずきん…と頭に痛みが走る。
ついさっきまでの記憶が全くない。
確か、変な声が聞こえて…?
「…あ、私、何してたんだっけ」
「そうだ、仕事仕事!何で止まってんのよ〜!」
…さっきの声、誰だったのかなぁ?
知ーらないっ!
もう依頼どころでは無い…。
大丈夫かな…このままちゃんと進むんだろうか。
不安しかないデス。
最近湿気ヤバい。髪の毛がぴぬ。
ゴワゴワパーリナイ⭐︎(絶望)
はい、終わります。
ばいば👋
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