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初めまして、トワといいます。
ヒューマンバグ大学の話を主に書いていきます。
初めてなので大目に見てください…
誤字脱字あったらすみません
では本編へ。
(小峠と香月が前線へ復帰。香月は神城組の情報収集をする為に横浜のキャバクラへ潜入する)
いつからだろう。あいつの事を目で追ってしまうのは、共に仕事をする度に心が高鳴るのは。真面目で努力家で、礼儀正しく親しく接してくれる。どんなに俺が誘惑しようと微笑むだけで、他と違って欲情なんかしてこない。
俺は、あいつのことが…
俺の名前は香月紫苑。
天羽組の女装ヒットマンだ。
香「なぁ茂木、水野、今日の潜入捜査、この感じでいいと思うか?」
茂「お、お美しいです…///」
水「目の保養ですぅ…///」
俺は組に入ったばかりの頃にこの容姿を野田の兄貴から買われ、女装ヒットマンとして活動している。多少危険な捜査もあるが、俺のこの顔が組の役に立てる。こんな光栄な事は無い。
茂「でも香月の兄貴、キャバクラへの潜入にしては、格好がギャル寄りというか…」
香「あ、あぁ…。中堅の1人の好みがギャルらしくてさ。」
嘘だ。本当はあいつに見て欲しくて…嫉妬して欲しいからだ…。
そう思っていると、
小峠「香月の兄貴、潜入ですか?」
香「あぁ。神城組の中堅達が行くキャバクラを掴んだ。」
小「…そうですか。どうかお気をつけてください」
こいつの名前は小峠華太。俺の1番歳の近い舎弟だ。そして…俺がまぁ、好意を寄せてる相手でもある。
「…なぁ、小峠。」
小「はい、なんでしょうか?」
女装姿の俺を見ても、こいつは変にドギマギしない。そうすると俺が機嫌を悪くするからっていうのもあるだろうが、それが少し寂しくもある。
「前さ、お前ギャルが好きだって言ったじゃん?どうよ今日の女装?あん時以来のギャル女装にしたんだよ」
前に小峠、そして今は亡き宇佐美と任務へ行った時、俺は半グレに馴染むためギャル女装をした。その時の俺が1番良かったのか、花見の女装の案を聞いた際にギャルが好きだったと言った。何気ない言葉だったのかもしれないが、俺という存在を好きと言ってくれた気がして嬉しかった。
小「とてもお似合いです。ですが香月の兄貴なら、どんな姿でもお美しいですよ」(微笑む)
「…そうか。サンキュー 」
あぁ、お前ほんとに…そうゆう所だよ…。
息を吐くようにそんな事淡々と言って微笑んで…。全然嫉妬とかしねぇのかよ…。結局俺だけがいつもお前の言葉一つ一つに落ち込んだり喜んだりでさ…。ちょっとくらいお前の気持ちも聞きてぇよ…。
「…なぁ、小峠」
小「はい、なんでしょ」
小峠が言葉を言い終わるより先に、俺は小峠の手を引っ張って部屋を出た。アジトの廊下を歩き、人のいない部屋に入って鍵をかける
小峠はいきなりの状況に戸惑いを隠せていない。
小「あの、香月の兄貴…一体これは…」
(小峠を壁ドンして)
「…お前、俺の事どう思ってる?」
小「え…?」
「どう思ってるかって聞いてんだよ…答えろ…答えろよ…」
流したくもない涙がボロボロと流れる。俺はこいつに何を求めているんだ…。どれだけ女装を頑張った所で俺は男だ。小峠が俺に振り向くはずがないって分かってるのに…。
小「…香月の兄貴。俺は兄貴の事を、尊敬しておりますし、憧れております」
「…世辞なんかいらねぇんだよ…。俺はお前みたいに裏社会の猛者を殺れた事なんかねぇ…。挙句の果てに俺は潜入がバレて、お前は俺を守る為に大怪我負わされて…。こんな俺に、どこに尊敬要素あるってんだよ…俺は、兄貴分なんて呼べる存在じゃ…」
その時、俺を小峠が抱きしめた。
小「香月の兄貴…。何があったのかは分かりませんが、そんな事を言うのはやめてください。兄貴は常に俺達に気さくに接してくれて、俺達が出来ない任務を全て一人で背負ってくれています。その覚悟と勇気は並大抵では務まりません。だから…」
小峠が手を伸ばし、俺の目から流れる涙を指で拭う
「兄貴には笑顔でいて欲しいというのは、俺のわがままでしょうか…。」
小峠が泣きそうな顔で俺を見つめる。
あぁ…俺ってダメな兄貴だな。想い寄せてる奴を泣かせそうになるとか…。これじゃ好きなのか嫌いなのか分かんねぇよ…。でももし、許されるならば…小峠の願いを、聞く資格があるならば…
「華太…もう少しだけ、このままでいさせてくれ…」
小峠は嫌がること無く微笑む
「承知しました。」
やっぱり俺はこいつから離れられない。いや、離れたくない。包まれる温かい体温の中、俺は小峠の心臓の音を聞きながらそう思った。