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###番犬くんと優等生###
<第三章> 深まる絆と葛藤
“日常と非日常”
「契約」を交わし、秘密の逢瀬を重ねるようになってから数週間が経った。学校という枠組みの中では、春夜と龍崎は以前と変わらず、まったく接点のない二人の生徒として存在していた。
昼間、教室で授業を受けている龍崎は、相変わらず完璧な優等生だ。教師の質問には的確に答え、ノートは几帳面にまとめられている。クラスメイトからの信頼も厚く、彼の周りにはいつも穏やかな空気が流れていた。誰一人として、彼が放課後、人目のない場所で、荒々しい言葉と冷酷な視線で一人のヤンキーを支配していることなど想像すらしないだろう。彼の瞳の奥に、時折、春夜を思い出すかのような、かすかな愉悦の光が宿ることがあったとしても、それは誰にも気づかれることはなかった。
一方、春夜もまた、変わらず学校の「番長」として君臨していた。廊下を歩けば周囲の生徒が道を空け、睨みつければ不良仲間さえも背筋を伸ばす。喧嘩を吹っかけられれば容赦なく叩きのめし、その圧倒的な強さは健在だった。だが、彼の内面では、龍崎との関係が確実に変化をもたらしていた。以前なら些細な挑発にもすぐに手を出していたが、最近は、龍崎に「くだらない喧嘩は時間の無駄」と囁かれたのを思い出し、鼻で笑ってやり過ごす場面が増えた。龍崎に逆らえない自分、そして彼との秘密の関係を思うたびに、春夜の胸には複雑な感情が渦巻く。屈辱と、わずかながらも抗いがたい甘さが混在する、奇妙な感覚だった。
放課後、人影が途絶えた校舎の隅や、埃っぽい空き教室、あるいは誰も使わない古い体育倉庫の裏――それが、彼らにとっての「非日常」の舞台だった。そこでは、春夜と龍崎は、学校での仮面をあっさりと脱ぎ捨てる。
「待たせたな、優等生」
春夜が言うと、龍崎は静かに振り返る。その顔には、もはや優等生の柔和な笑みはなかった。そこにあるのは、春夜のすべてを掌握しようとする、冷たくも甘美な支配者の表情だ。
「遅いですよ、春夜君。僕を待たせると、どうなるか、分かっているでしょう?」
龍崎の声は、普段の丁寧な言葉遣いとは異なり、どこか荒々しく、しかし春夜の耳には心地よく響いた。その言葉が、春夜の身体の奥底に眠るM体質を刺激し、全身がゾクリと粟立つ。
春夜は、喧嘩でできた新しい擦り傷を晒すように、乱暴に制服のシャツを脱ぎ捨てる。龍崎は、その傷をまるで宝物を見るかのように瞳を輝かせながら見つめる。
「あら、また新しい傷が。そんなに僕に甘えたかったんですか?」
龍崎の指先が、春夜の無骨な背中を、優しく、しかし確実に力を込めてなぞる。春夜の身体がピクリと震えた。その痛みに、彼の口から抑えきれない吐息が漏れる。
「っ……うるせぇ……!」
春夜は虚勢を張るが、その声には力がない。龍崎に触れられるたびに、彼の内側から湧き上がる甘い衝動に抗えない。普段は誰にも見せない情けない声が、龍崎の前でだけは、まるで幼子のようにあふれ出す。
「ふふ……本当に可愛らしいですね、春夜君は。普段の強気な面はどこへ行ったんです?」
龍崎は春夜の髪を優しく撫で、そのまま強く引っ張って顔を自分の方に向けさせた。春夜の瞳には、屈辱と、しかしそれを上回る快感への渇望が混じり合っていた。
この場所では、龍崎の言葉遣いは一層荒々しくなり、彼のドSな本性がむき出しになる。春夜は、龍崎のドSな言葉によって、普段の強気な殻を破り、甘えん坊な本性を露わにする。龍崎は、春夜のM体質を巧みに操り、彼を深く堕としていくことに喜びを感じていた。互いに歪な形で求め合い、満たし合う二人の関係は、彼ら自身の予測を超えて、深く複雑な絆へと変化し始めていた。
何か3話と似てしまった(*´-`)
まじ最近暑すぎて溶けません??
クーラーがないと生きてけない笑
では、次回もお楽しみに!
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