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ついに訪れた六月頭の日曜日。 楽しみで前日は修学旅行前の学生かのように、期待に胸が膨らみなかなか寝付けなかった。少しだけ寝不足だ。
少ししか寝ていないと言うのに楽しみで無駄に朝早く起きてしまい早めにマンションに向かう。約束の時間よりも早いのに玄関先に立っている彼女を見つけた。もしかして同じ気持ちで楽しみで早く来てくれたのかな? なんて自惚れてしまった。
「美桜さんっ、早いですね」
彼女の元に駆け寄ると「楽しみで早く来ちゃいました」と少し頬を赤く染めている。
(か、可愛すぎるだろッ……)
昨日自分が家具家電の搬入に立ち合い部屋の中はそれなりに住めるようになっている。
「お互いの部屋は自分で片しましょう、絶対に私の部屋は見ちゃ駄目です!」と念を押され彼女の部屋はまだ開けていない。
(そういえばオタクって言ってたし、フィギュアとか飾ってるのか? ちょっと見てみたい気もするな)
靴を脱ぎリビングに進むと「わぁ〜」と彼女の明るく、少し興奮が混じったような声が部屋に響き渡る。
「めっちゃいいですねっ! ソファーもこれにして大正解でした!」
小さな子供が遊園地に遊びに来たかのようにグルグルと部屋を周り目を輝かせている。
「本当ですね。とりあえず座ってみます?」
先に自分がソファーに座り彼女を隣に座るように誘導する。
ボスンッとはしゃいだまま勢いよく座った彼女はそのまま背もたれに寄りかかり「最高ですねぇ」とテンションは上がったままだ。
「ははは、美桜さんって大人しいイメージが最初はあったけど、意外と無邪気ですよね」
「うっ……子供っぽいですよね、すいません」
ショボンと肩を丸める彼女。表情がコロコロと変わって見ていて飽きない。むしろ可愛くてずっと見ていたいくらいだ。
「全然、その方がいいですよ。てか、俺たち結婚するんだし、敬語はやめません?」
「そ、そうですよね! あっ、そうだよね! そうしよう!」
「決まりな。じゃあ改めて、美桜これから宜しくな」
美桜の真っ直ぐ綺麗でキラキラした瞳をじっと見つめ、頭をポンっと撫でた。照れてしまったのかカーッと首から頬まで赤く染めながらもニッコリと笑い「こちらこそ宜しくね、ん〜隆ちゃん? って呼ぶね!」と言う美桜が愛らしくてグッと身体を引き寄せて包み込むように優しく抱きしめた。
初めて抱きしめる彼女の身体はグッと力をいれたらポキッと折れてしまいそうな程華奢で、それでも女性らしいく柔らかい。初めて会ったときと同じ甘い匂いがほんのりと香り、あの時の衝動を思い出しドクンと心臓が波打つ。彼女の顎を優しく持ち上げゆっくりと顔を近づける。避けられない事からキスを受け入れてもらえると確認でき、唇を合わせた。
――初めてのキスは一緒に住み始めた今日、このソファーの上でだった。