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初めは軽く唇を当てる程度のバードキス。それでも温かくて柔らかい美桜の唇に俺は一瞬で虜になった。
「美桜、口開けて」
驚いたのかバッと目を見開き恐る恐るゆっくりと唇を開く美桜をじぃっと見つめた。
恥じらいながらも一生懸命俺に応えようとしてくれている姿がいじらしくて、それだけで昇り始めた男の性をバレないよう隠した。
「んんっ……ふっ……」
美桜の可愛い声がもっと聞きたくて、口内を隈なく舐め回す。
唇の隙間から漏れる甘い吐息が燃えるように熱い。
ゆっくりと離れる唇にいやらしい糸が二人を繋ぐ。
真っ赤な顔をしてハァハァと肩で息をしている美桜を見ると嬉しくて、愛しくて、コツンと額を合わせ目を合わせるとフニャッと目尻を垂らして笑う美桜。俺も笑みがこぼれる。彼女の頭の後ろに手を回し彼女の鼻に自分の鼻を擦り寄せた。
「好きだよ」
「え……ほ、本当?」
「本当って……好きじゃなかったら結婚を申し込むわけないだろ」
ジワジワと彼女の瞳は赤く充血し、涙が溜まっていく。ヤバい、泣かしたか? 言い方がキツかったか? 瞬きをしたら今にもポロリと流れてしまいそうだ。
「ど、どうした? 俺何か気に触ること言った?」
抱き寄せたと同時にポロリと頑張って瞳に耐えていた涙が俺の服にポツンとシミをつくった。
「っつ……嬉しすぎて、好きってまだ言われたことが無かったからッ、ごめんね、泣くつもりとかじゃなかったんだけど、何故か出てきちゃいました」
凄く愛おしいと思った。
「美桜、好きだよ」
何度も何度も彼女の耳元に、白くて綺麗な首筋にキスをしながら、唇にキスをしながら、好きだと伝えた。
「ヤバィぃい、心臓もう持たないからやめてぇ」
ポカポカと俺の胸を叩いて抵抗してくる美桜の腕をそっと掴み取りそのまま寝室へ引き連れた。
こんな状況で抱かないとかあるか?
触っている彼女の腕が熱く、ドクドクと脈拍が早い。
(美桜、緊張してるな。いや、俺もか……)
緊張からか少し指が震える。
二人で初めて入る寝室は優しく、落ち着く雰囲気にしようと、ベッドを購入する時に決め、ホワイトの床に合わせてダブルベットを真ん中に置き、その横にナチュラルオークのサイドチェスト。布団はベージュ色にして暖かい色合いの寝室にした。
南側の大きな窓から差し込む太陽光が更に部屋を明るくする。
「わぁ、素敵な寝室になったね。やっぱり隆ちゃんセンスあるなぁ」
うんうん、と頷き寝室の雰囲気に満足している様子だ。もしかしてこの状況になにも気づいていないのだろうか。
「で、でもさ……ちょっと明るすぎない?」
(あ、良かった。大丈夫そうだな)
「そう? 俺は美桜の全部が見たいけど」
「ちょっ! 隆ちゃんっ!」
何言ってるの! と言いたげな表情で俺をみる美桜。でも本当の事なのだからしょうがない。
俺はまだまだ何も知らない美桜の事をこれからどんどん知って、更に好きになって、それでも、もしかしたら嫌な部分も出てくるかもしれない。でもそれは赤の他人が夫婦になるのだか避けては通れない道だ。二人で乗り越えていきたいと思っている。