テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
21,447
MAKO
MAKO
『BLUE AMBER THE LUV』
〜俺の気持ちに気付いて欲しいです〜
SIXTH COLOR 涙と泪
『ボ、ボスキ…?』
ボスキが私の顔を見て悲しい顔をした。
『…っ。』
私は必死に顔を拭う。
『な、なんでもないの。ごめ――』
その場を去ろうとしたら手を掴まれる。
ガシッ!
『……その顔はなんでもなくねぇだろ。』
『……っ。』
ボスキはそのまま手を引き外へ連れ出してくれた。
見張り台
『少し、落ち着いたか?』
『うん…ありがとう。』
『…あいつらのことで、主様が泣く必要ないと思うぞ。主様は悪くない。』
『…薄々、気付いてたの。2人の好意に。』
『……!』
『でも、知らないフリをした、気付いてないフリを…したかったの。』
『……。』
『だって、知ってしまえば今まで通りの関係では居られない。変わってしまうから。執事と、主の関係ではいられない。』
『主様は…今まで通りの関係がいいってことか?』
『――必ずしもそうとは限らない。かな。好きという気持ちを知ってしまえばいつか…っ。誰かを好きになることが…こんなにも怖いなんて。思わなかったな。』
『……。』
主様はきっと、こう思ってるんだろうな。
『自分はいつか死んでしまう』
だからこそ、想い合うことも、好き合うことも避けてるんだろう。自分が居なくなった時の喪失感をあいつらに味合わせないように。
特別な関係になってしまう前に、執事と主の関係を貫こうとしてるんだ。自分の為じゃなく、あいつらの為に。
どこまでもお人好しだな…本当に。
俺は黙って主様の頭を撫でる。
『ボスキ…?』
『今は泣いていい。見てるのは俺だけだ。』
『っ……。』
その言葉と温もりに私は胸を打たれ、涙を流す。
『う、ぐす…っ。』
ポタっと雫が落ちる音がしたが俺は知らないフリをして頭を撫で続けた。
次の日――
『ん…もう朝か…。』
コンコンッ。
『主様、起きていますか?』
『ハウレス?』
ガチャッ
『あ、起きていたんですね。おはようございます。』
『お、おはよう。』
『今日もいい天気ですね。今日はお仕事ですか?』
『うん。』
『そうですか…。では、夜にまた会いましょう。お帰りをお待ちしております。』
『うん。ありがとう。』
俺は努めて普通に接した。
私は身支度をし、部屋を出る。
『今日はロノがデザートにケーキを作ってくれたそうですよ。楽しみですね。』
『うん、何ケーキかな?』
『それは食堂に行ってからのお楽しみですね。』
廊下を歩いてたらフェネスとすれ違う。
『おはようございます、主様。』
『お、おはよう、フェネス。』
2人は視線が合う。
『『……』』
ふいっ。
目線を逸らしたのを私は見逃さなかった。
『え……?』
いつもなら――。やっぱり、私のせいなんだ。
私の心の中に罪悪感という黒いものが流れる。
侵食されるような痛みに苛まれた。
これでいい。お互いが担当執事になってもお互い譲り合うこともなく、干渉することもなく、
この関係を選んだ。例え、主様を傷つけようとも、俺達はこの道を選ぶ。申し訳ございません。主様。
執事2人の気持ちなど、主様は知らない。
そして、その隠し事が後に、主様を深く傷つけることになることも。
次回
SEVENTH COLOR 傷と罅
コメント
1件
うわぁ……このエピ、胸がぎゅっとなるね……😢💔 ボスキが「見てるのは俺だけだ」って頭撫でながら泣かせてあげるシーン、優しすぎて泣けるよ…。 主人公が「好きになるのが怖い」って本音をこぼしたところも、すごくリアルで心に刺さった。 そして朝のフェネスとのすれ違い、あの「ふいっ」がもう切なすぎて……😭 執事たちの隠し事がこのあとどうなるのか、次回が待ちきれないよ! ぷちさんの描く繊細な心情描写、大好きです🌸✨