両思い✨
その返事に俺は泣きそうになりながら涼ちゃんにしがみつく。
「涼ちゃん大好き」
「うん。俺もずっと前から元貴の事が大好きだったよ」
そう言って優しく頭を撫でてくれる。
「ほんとに?」
びっくりして涼ちゃんをまじまじと見つめてしまった。
「元貴がどう思ってたか知らないけど、さすがに好きじゃなかったら酔ったからって襲ったりしないよ」
涼ちゃんは呆れた顔をして苦笑交じりに話してくれた。
ずっと俺の事が好きだった事。その気持ちにフェーズ2が始まってから気づいた事。そしてあの日酔ってエッチをしてしまいめちゃくちゃ落ち込んだ事。
「俺がゲイで、さらに自分の事が好きだなんてわかったら絶対に気持ち悪がられるって」
そんな、と言いかけるが続く涼ちゃんの話に言葉が詰まってしまう。
「実際あの後顔合わせても目そらされるし、すごい嫌そうな顔でお酒飲まないで、とか言われちゃうしさぁ。ああ、普段は取り繕ってるけどやっぱり気持ち悪がられてるんだなって」
ふぅと悲しそうにため息をつく。
「だからこれから一緒にバンドをやっていくためにも、俺の気持ちだけは絶対にバレちゃダメだって」
ああ、そんな風に思わせていたんだと初めて気づく。
「あの、それは…。顔そらしてたのは単に毎日涼ちゃんの事夢に見て恥ずかしかったからで
お酒の席でのは涼ちゃんが他の人と飲んでるのに我慢できなくてあんな事言っちゃった自分の気持ちが自分でもよくわからなくて、それ以上にそんなカッコ悪い自分が情け無くて…」
涼ちゃんは目を見開いて、そうだったんだとつぶやいた。
「でも自分の気持ちに気づいた後も、涼ちゃんのあまりの無反応ぶりに自信がなくてどうしていいかわからなかったんだ」
お互いに自信がなかっただけなんて…。
「そんな時にアツシさんとテレビ局の控室で2人がキスしてるのを見ちゃってさ」
あの時の悔しい気持ちがよみがえる。
「背の高いアツシさんが涼ちゃんとキスしてるのすっごく様になってて、俺とだったらどうなんだろう?って落ち込んでたら仕事にまで影響でてきて…」
仕事にはプライベートは持ち込まない。それが俺の信念でもありプライドだったはずなのに。自分で自分がコントロールできない事に一番苛立ちを覚えた。
「昨日、アツシさんスタジオにまで誘いにきてたでしょ?『涼架くん』なんて親しげに呼んでさ。その時にアツシさんとちょっと話したんだけど『スタートラインに立とうともしない君に言われたくない』ってバッサリ切られちゃったんだよなぁ」
はぁと大きなため息をつく。
「かっこいい大人の男って感じでさ。完全に負けてるなぁって。でもアツシさんに涼ちゃんを取られるのをただ指を加えて見てるだけなんてどうしてもできなくて…」
でもあの時のアツシさんの言葉がなければ俺はいつまでも行動できなかったかもしれない。
「フラれるならちゃんとフラれようって。気まずくなるなんて今さらだし、それに俺たちの関係はこんな事で揺らいだりしないって信じてたから」
「元貴…」
「それにたとえフラれたとしても、それで涼ちゃんが俺の事を意識してくれるきっかけになったらいいなって下心もあったりね」
フッと涼ちゃんが笑ったのが気配でわかった。
「でもその時に勇気だしたからこそ今のこの状態があるんだよなぁ」
今思うとアツシさんは何もかもわかっていて俺の背中を押してくれたのかもしれない。やっぱり敵わない、そう思う。
…でも。
「涼ちゃんはもう俺のものだ。アツシさんなんかに渡さない」
だよね!とたずねる俺に涼ちゃんはしっかりとうなずいてくれた。
お互いの気持ちのすり合わせ、と言うか確認作業ですね☺️
コメント
10件
はぁ〜…(*´﹃`*) 癒し… 好き×好き…最高👍
宣言するもっくんかっこいい( ー̀֊ー́ ) お互いに自信がなかった事を相手にちゃんと伝えるのえらこすぎる(*´`)♡ これからどーなるんだー?
シャア!!!!!!スーパーイチャイチャタイム~!!😍