「それを渡しなさい。」
「なぜこれがここにあると解ったのですか?」
巫女のような服装をした三つ目の土地神が答える。
「答える義務はありませんね。」
「渡すと思いますか?」
「では、戦うというとこでよろしいですね?」
「これは死んでも渡しません。皆のもの。」
わらわらと法衣を着て刀や槍、弓を持ったあやかしがそのあやかしの周りを囲む。
「勝てるとでも?」
「言ったでしょ?死んでも渡しません。」
「仕方ありませんね。」
「そのものを殺しなさい!」
その号令をきっかけに一斉にそのあやかしに法衣を着たあやかしが襲い掛かる。
凄まじい風が吹き、襲い掛かったあやかしが飛ばされる。大きな雹がふり、雷が落ちる。そのあやかしの口からは凍える吹雪や稲妻を放つ。
法衣を着たあやかしは全滅し、三つ目のあやかしだけが残る。
全滅させたあやかしは攻撃をやめたが、周りは嵐の中のように猛烈に強い風が吹き荒れ雹や雷がいまだに降りやまない。
「私は土地神ですよ!?土地神殺しは大罪です!私が死ねばこの土地が死にます!」
「あの方の力は全てを壊すことも創ることもできます。この程度の土地の崩壊などすぐに止められます。」
「くっ!私が死ねば神々は黙っていません!」
「どうやってあなたが死んだとわかるのですか?土地は枯れずいつも通りなのに。それとも下々の噂話があの怠慢で傲慢で排他的な神々の耳に入るとでも?」
「こんなこと許されない!」
「言いたいことはそれだけですか?神域でもこの程度の力しか力を出せないとは…すごいスピードで成長しているあの子を見習ってほしいですね。まぁいいです。死になさい。」
そういうとそのあやかしの口から放った稲妻で三つ目の土地神を消し去った。
神域の崩壊が始まる。
お目当てのものを見つけ出し、その封印を解く。
すると、神域の崩壊が止まり、修復し始めた。
ーご苦労様でした。天災ー
「貴方様のためでしたら私はいくらでも神を狩りましょう。」
ー引き続き頼みます。次は南の方角ですー
「わかりました。一度このお身体を届けた後に向かいます。」
ーえぇ、楽しみにしていますー
ーん?ー
「どうされました?」
ーどういうわけか私の体を封印されたまま飲み込んだものがいますねー
「どんな意味があるのですか?」
ー凄まじい力の塊ですからね。取り込めたなら凄まじい力を得られるでしょう。しかし、正気ではいられないでしょうね。まぁ、取り込めないし、滅せられないから封印されたのですがねー
「では、問題ないのですか?」
ーいえ、取り込めなくとも身体の中に入れれば封印したままとは言えパワーアップはするでしょう。というか封印されたままでないと身体の中に入れた途端身体が耐えきれず爆発するでしょうー
「先にそっちに行き処理しましょうか?」
ーいえ、封印されたままとは言え、私を飲み込んで正気でいられるのは一級のあやかしでもそうはいないでしょう。つまり暴走しているので、周りの有力者が対処すると思います。対処しに行って目立ってしまっては秘密裏に動いている意味がないので、予定通りでいいですー
「わかりました。」
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