テラーノベル
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あれからカラスバは異次元ミアレの捜査で忙しく、言っていた通りあまり家に帰ってくることはなくなってしまった
『…今日もダメかぁ……』
〖ギュア…〗
『木の実?ふふ、ありがとうリザードン』
リザードンの頭を撫でる
リザードン達にも落ち込んでいると気づかれてしまうとは駄目だな
『落ち込んでたって仕方ないし、久しぶりにZAロワイヤルにでも行こっかな』
〖チャモ!チャモモ!〗
『ふふっ、じゃあアチャモはバトル大好きね〜!』
〖きゃううんっ♫〗
『えっ?エムリットも行きたいの?』
問いかけると頷くエムリット
エムリットは捕まえていない為、バトルはできないのだが……
今にも泣き出しそうなエムリットを見ると断れない
『わかった、今日は特別よ?でもバトルの邪魔は絶対しちゃダメ。わかった?』
〖きゃうん♫〗
そう言うと笑い、フードの着いたパーカーを着てエムリットが入る用のリュックを背負い外へ出る
『───アチャモ!ひのこ!!』
「チャモ!!」
「ゴーゴート!とっしん!!」
ZAロワイヤルは、久しぶりだがやはりバトルは楽しい
ちょっとした小銭稼ぎにもなるし…
先程勝った時に貰ったメダルの1枚をアチャモが嬉しそうに咥えている
そんなアチャモの頭をなでながら、小さな細道へ入った時だった
〖!きゃううんっ!!〗
『っ!?』
───ゴウッ…!!
エムリットに念力でいきなり身体を持ち上げられたかと思えば先程自分がいた所に、炎が湧き上がる
「なるほど、避けたか」
『(この人…上から……というか、今の攻撃私に当てるつもりだった…?)』
ヘルガーと共に上から落ちてきた黒色のスーツを着た男を見つめる
『…バトルですか?受けて立ちますよ』
「バトル?ああ、そうかこのゾーンの中だとそういう風になってるんだっけか」
『……』
ZAロワイヤルのルールを知らないのだろうか
なんにせよ、今目の前にいる男は普通のトレーナーではない
エムリットが慌ててリュックの中に隠れるように入り込む
「お姉さん、空飛ぶヤドンなんか捕まえてるんですね」
『ヤドンじゃなくて着ぐるみですよ〜、ミミッキュなんですけどうちの子は少し特殊でヤドンの着ぐるみが好きで』
「へぇ……エスパータイプでもないミミッキュがあんな強い念力を…?」
此方を試すような鋭い視線
───こいつか。エムリットを狙ってる人間は
『ミミッキュはサイコキネシスを使うじゃないですか、それですよ〜』
「へぇ…ちょっとそのミミッキュ見せてくれませんか?」
『ミミッキュの中身は絶対みたら謎の病にかかっちゃうって知りませんか?』
煽るように嘲笑うシオンの言葉に男の額にピキッと筋が浮かぶのが見える
『というか、バトルしないなら帰りますね〜、ここいら血の気が多いのでお兄さんもお気をつけて』
「ははっ…返すわけないだろう?ヘルガー!かえんほうしゃ!!」
〖ヌメッ!!〗
───カシャンッ!!
シオンの背を狙うように、ヘルガーがかえんほうしゃを放つがボールから出てきたヌメルゴンがまもるで技を防ぐ
「なっ!?」
『そんなバレバレの先制攻撃じゃ、ここじゃ生きてけませんよ〜?ヌメルゴン!なみのり!!』
〖ヌメメッ!!〗
「ぐっ!くそ!!」
あまりポケモンバトルも強くないのか、倒れたヘルガーをボールに戻し悔しそうにこちらを見つめる男
『この子はミミッキュです。もうこれに懲りたら来ないでくださいね』
「クソッ……!」
そう言って、足速に路地裏を出ようとした時だった
『っ!!』
───ドカンッ!!
激しい音と共に、土煙が湧き上がる
「すまないねぇ、うちの若いもんが」
『…!』
「レギネ様…!!」
煙の中から、少し髭を生やした中年の男が現れる
レギネ…と呼ばれた男は煙草を吸いながら、シオンに近寄る
レギネが纏っている異様な雰囲気に、少し冷や汗をかくが笑顔を作りいつも通り振る舞う
『貴方が親玉ですか?もうっ、部下にはちゃんと説教しておいて下さいね!』
「はははっ!そらすまんかった、なんにせよ今オレらはちとポケモン探しをしとってな」
『ポケモン探し…?』
「そのポケモンはちと特殊でな。エスパータイプにしては他よりちと強い念力を使うんですわ
──それこそ人を軽々しく持ち上げるような」
鋭い視線に射抜かれる、だがこれくらいでは日和らない
施設で受けた冷ややかな視線に比べたら大したことない
『へぇ…じゃあうちのミミッキュはそれくらい強いってことなんですねっ!!やっぱ、うちのミミッキュはちょっと人と変わってるのかなぁ〜!』
「はははっ!そうだな、お嬢ちゃんのミミッキュはちと変わっとるみたいだな!!
……良かったら、触らせてくれないかい?」
『え〜…うちの子恥ずかしがり屋なので…ほら今もリュックの中に入ってるし』
そう言いながらゆっくり後ろに下がるがその度にレギネは貼り付けたような笑みを浮かべ、1歩シオンへ近寄る
「どうしても…ダメなのかい?」
『………はぁ、分かりました。』
少しリュックを触ったあと、なにかに気づきため息を着きながらリュックの中からヤドンの着ぐるみを取り出しレギネへ見せる
「少し失礼するね」
『えー…少しだけですよ?』
「(…モチモチした触感……まぁ問題はしっぽだ。ゴーストタイプのミミッキュのしっぽは何も入っていない。しかしヤツならば2本のしっぽの感触があるはず…)」
男はしっぽを触る
しかししっぽに感触はなく、ただへなへなしているだけ
───なにも入っていなかった
「(…気のせいか……?このミミッキュが本当に念力が強い特殊な個体なのか?)」
『もういいですか〜?うちのミミッキュ震えてるんですけど〜…』
「ああ、すまない。違ったみたいだ。」
『ごめんねミミッキュ〜…』
そう言うとヤドンの着ぐるみはシオンの肩を伝い、ぴょんっとリュックの中へ入り込み念力でキュッキュッ!!とチャックを締める
「これはお詫びだ」
『ヨウカン?』
「嗚呼、オレ達はこっからかなり離れたシンオウ地方から来とってな、そこの名物なんだ」
『へぇ…!えっ、毒とか入ってないですよね…』
ジト目で羊羹を見つめると少し目を見開いたあと「はははっ!」と口を大きく開き笑う
「確かにこんな事をしたら怪しまれるのも無理もないな。でも安心してくれ、毒なんて入ってないさ」
『ほんとですかぁ〜?じゃあ、ありがたくいただきますねっ!
あ、というかこんな危ないやり方ほんと危険ですからダメですよ。次やってるの見かけたら警察より怖いの呼びますから』
「おーおー、そら勘弁やわ〜」
そう言って笑う男にシオンも少し笑ったあと、軽くお辞儀をしてその場を去った
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