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「君には勝てない」の更に続き
やりすぎちゃったかなあ、って気持ちはそこかしこでチラつくけど、やっぱりダメ。
虐めたくて困らせたくて啼かせたくて仕方がないの。
ごめんね、涼ちゃん。
こんなに歪んでる愛情持ってる俺で、ごめんね。
でも、どこまでもそれを受け入れてくれる涼ちゃんも、悪いと思うなあ。
それがたとえ無自覚だとしてもね。
ずっと鼻をスンスン言わせてる涼ちゃんに肩を貸して歩く。
がくがくに震えてしまって、覚束無い足取りの彼をようやく寝室へ連れ込めた。
上着を脱がせて無造作にその辺に投げて
「着いたよ、涼ちゃん」
頑張ったね、と耳元で囁きながらベッドに押し倒す。
特に抵抗もなく、簡単に俺に組み敷かれた涼ちゃんは
「…ふ、っぅ、も、ときぃ…」
真っ赤な顔でぼろぼろ泣きながら、非難するように名前を呼ぶ。
あぁ、もう。
本当にかわいいなあ。
泣き方が、まんま子どもじゃない。
ふふ、と笑いながらごめんねと言うと、真っ赤な目元にある水分を存分に纏った瞳が、咎めるようにこっちを見る。
反省してないでしょ。と言いたげだ。
正解だよ、涼ちゃん。全然、反省してない。
だって、俺頑張ったよ?
涼ちゃんに触れない数日、仕事も挨拶回りもプロモーションもいっぱい頑張った。
自分も上着を脱いで、その辺に放る。
くたっとシーツに沈んでいる涼ちゃんの上に再度覆いかぶさって頭を撫でた。
「 俺そんなに触ってないでしょ?」
そう。それに。
言った通り、入れてないし。
胸しか触ってないし。
おでこにキスして、なんの前触れもなくチノパンの隙間から直で前に触れる。
「っ!やだ、…っやめ、て」
「イッちゃったんだ?」
俺さ、ここ、触ってないのにね?
(まあ、知ってたけど)
すぐに手がぐちゃぐちゃに濡れ、涼ちゃんが欲を放ったことを物語ってる。
中心はまだ少し硬くて、芯があって熱を持っていた。
びくんっと跳ねて、内腿に力を入れて足を閉じようとしてるけど…痙攣したみたいに震えてて意味ない。
それで体捩るのは、可愛すぎない?
「あっ、ぁや、だぁっ、っぁ、ん」
涼ちゃんの体がびくっと何度も震え、合わせるように乱れた呼吸と短い言葉の喘ぎ。
軽く揉みしだくだけで、ねちねちとした卑猥な音が響く。
音を聞いただけで、濃いの出しちゃったんだなあ、俺と触れ合ってない間ひとりでもしてなかったんだなあ。なんて思って。
それ以前に、あの狭い車内で、乳首を弄っただけでイッちゃうって。
ねえ?
ゾクゾクする。
俺の息もあがっちゃう。
車内で、やっとさわれる。そう言い放ったものの。
(涼ちゃんの声も聞かせたくない)
感じて熱に浮かされたような表情だって見せたくない。
誰にも。
涼ちゃんは、俺だけのものだから。
じゃあ我慢できるかと言われれば、それは到底無理で。
だから、ずっと服の上から乳首だけを攻めた。
他は何も触れず、ただただ涼ちゃんの胸の尖りだけを徹底的に虐めぬいた。
触れて、擦って、摘んで、捻りあげて、舐めて。
噛んだ時には、一際大きく声が上がったから。あの時に射精したんだろう。
わかりやすい劣情が背筋を駆け上がった。
「ねえ、すごいよ」
「ぁ、んっ、あぁっ、やめ、てよぉッ」
「どうして?涼架がいっぱい出すから、こんなぐちゃぐちゃなんでしょ?」
まだ上着しか脱いでないんだよ?
指も入れてないんだよ?
言いながら、胸元だけ不自然に濡れた服をたくしあげて、乳首を露出させる。
「もぉっ…、そこ、はっ、だめ…ッ」
びく、と体が跳ねて切なそうに眉を寄せた。
散々、俺に虐められて嬲られた尖りは硬く、真っ赤になって腫れている。
衣服に摺れ乱れた所為か薄皮がめくれていて、きっと空気に触れるだけでチリチリとするんだろうと思う。
そこはだめ、痛いから、との訴えをスルーして唇を落とす。
「ぁ、んっ」
啄んで、舌先で強く押し潰す。
いやいやをするみたいに頭を横に振れば汗でしっとりした髪がシーツを叩いて散らばった。
視界から得る情報だけでヤラシイコトしてる感が滲み出ていて、熱が上がる。
ぎゅっと瞑った瞼、頬の涙と首筋の汗と。
上気した肌に纏わり付く髪。
さっきまでは声を出しちゃダメだと頑張って引き結ばれてた口元が、だらしなく緩んでて。
いとおしくて、しょうがない。
ぐらっと理性が揺れる音が聞こえた気がして、口内の尖りを強く噛んで吸い上げた。
「いっ…! は、ぁうっ」
は、と目を見開き、涼ちゃんが仰け反った。
全身が、足の先まで緊張したように強張っている。
熱がさらに硬くなって震えて、小さく何度も腰が跳ねる。
手のひらに生ぬるい液体の量が増したのを感じ、吐精したのだとわかる。
思わず、口角が歪む。きっと、誰にも見せられない笑みを浮かべてる。
涼ちゃんは短い呼吸を繰り返し、呆然としていた。
まるで自分の体が信じられないといった表情だ。
「…また、出ちゃったね」
ほら見て。
引き抜いた手を広げて見せる。
ベッドのヘッドライトしか灯りがなくても、充分見えるでしょ。
俺の指、すごい濡れてるの。
ドロドロだよ。
「…っ、」
耳元で囁かれて、脅えたみたいに震える涼ちゃんは、泣き腫らした瞳を薄く開く。
…かわいいなあ、ほんと。
恥ずかしくしょうがないのに、見てと言われたら、ちゃんと律儀に見る。
多分、舐めてっていえば舐めるんだろうな。
従順すぎて、心配になる。
涙で濡れた睫毛が、ふると戦慄いたから。また泣くのかな、と思った。
けど、泣くことはなく、
「…もと、き」
上がっている呼吸の合間に俺を呼ぶ。
震える指が伸ばされて、背中に腕がまわって、ぐいと抱き寄せられた。
完全に涼ちゃんの上に倒れ込む形になる。
やりすぎだって言うのかな?
もう無理だよって、虐めないでって。
なに言っても、やめられないけど。
「元貴」
「なぁに、涼架」
涼ちゃんの声が耳元で鳴ってて、くすぐったい。
さっきまでの強烈な熱に支配された空間には、到底似合わない甘さで。
ごめんね、と小さく謝られたから、やっぱり体力が限界なのかなと思う。
なにが?と返せば、少し言葉を詰まらせた言い淀む空気。
「僕、だけ…勝手に気持ちよくなって、ごめん、なさい」
あとでいっぱい…その、い、シテくれるって言ったのに
一緒に気持ちよくならないとイヤなのに
からだ、ばかになっちゃって、ごめんね
辿辿しく、時折吐息も混ぜて、そう言った。
思わず、思考停止する。
何を言ってるのこの人。
散々、虐め倒してきたのは、こっちの方。
泣いて、ゆるして、って請われることはあっても、謝られるとは到底想像もしていなかった。
一人でイッちゃうよう仕向けたのも
体が、ばかになっちゃったのも
わけわかんないくらいに恥ずかしい思いさせてるのも
全部、俺がした事だよ?
動けずにいる俺に構わず、しがみつくように、さらにぎゅっと腕に力が込められた。
「だ、から…もときも、」
僕で、気持ちよくなって
小さな、消え入りそうな声。
ぶわぁ、と音でも聞こえそうな勢いで、全身を熱が走っていく。
俺が想定していたよりも、何倍も、これは、従順通り越して、ものすごく危険なやつ。
俺を完全にダメにするやつ。
涼ちゃんを虐めて辱めることで、俺は充分気持ちいいんだけどね?
そんな恥ずかしい思いさせられて、自分だけ気持ちよくなってごめんね、って。
(あぁ、もう。これは、絶対止まれないやつ)
目の前が、脳ごとぐらぐらする。
理性に形があるなら、今それが音を立てて崩れていくような、そんな錯覚。
一旦深呼吸をし、気持ちを落ち着かせて。
「約束通り、いっぱい入れてあげるね」
理性をどこか遠いところに放り投げた。
目の前で、息が詰まって意識が呼びそうになりながらも、体の奥深くを突く熱に、全身で必死に応えようとしてる涼ちゃんの姿は。
かわいくて、えろくて、すごくきれいで。
もうどっちでもいいかな、と思えた。
無自覚なら、ただひたすらに愛おしい。
わかってるとしても、手離し難く愛おしい。
行き着く先は、結局同じ。
俺の歪んだ愛も相当だけど。
上をいく君の愛の深さには、到底勝てそうにないよ。
おわり
結局本番前で逃げました
サラッとえろが書ける人になりたい
ダラダラとした文章にお付き合い頂きありがとうございました
コメント
2件
コメント失礼します。一気読みさせていただきました!烏滸がましくもエラそうで不快に思ったらすみません💦また素敵な書き手さんを見つけてしまったと感動しております✨愛され💛ちゃんと💛ちゃんの反応が可愛すぎるのと、❤️💙の独占欲強めの愛が強すぎるのが最高です!マネさんにもお疲れ様と言いたいです笑 更新楽しみにしてます☺️ またコメントさせて下さい(コメント長かったらすみません💦)